Webサイトで全角英数字ではなく、半角英数字を採用する理由

Webで文章を掲載する際、英数字は半角表記で統一するのが「常識」です。ですが、なぜ全角英数字はダメで半角英数字に統一するべきなのでしょう。改めて聞かれるとついつい「そういうものだから」と答えてしまいがちではないですか? また、検索してみても、ちゃんとまとめられた記事がなかなか見つけられません。ということで、全角英数字ではなく、半角英数字を採用する理由をまとめてみました。

※本記事は技術的な検証が十分に行われておらず、誤った情報である可能性があります。あらかじめご了承ください。

  • 全角英数字は再利用性できません
    たとえば、電話番号やURLが全角で表記されていると、Office製品やメーラーでリンクとして認識されません。ブラウザのアドレスバーにコピーアンドペーストしても開けず大変不便です。

  • 全角英数字は禁則処理が行われません
    ブラウザでは英単語が途中で改行されないよう折り返しが行われます(禁則処理)。全角英数字では単語の途中であってもかまわず途中で改行されてしまいます。
     
  • 全角英数字は可読性に欠けます
    長い単語や文章の場合、全角英数字だと間延びしてどうしても可読性に欠けます。そのため、イレギュラーで半角英数字が部分的に採用されることがあり、サイト内の表記ルールの統率がとれなくなってきます。そういったことがあり、多くのサイトでは半角英数字表記で統一するといったガイドラインを設けられます。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E8%A1%A8%E8%A8%98%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89

  • 全角英数字は検索エンジンやその他システムに認識されにくいです
    Google等の検索エンジンでは、今でこそ性能が向上していますが、以前は全角英数字と半角英数字は同じ文字として認識されず、全角英数字での検索結果と半角英数字での検索結果が異なっていました。(全角表記を検索エンジン避けで使われることもあるほどでした。 ) また、Office製品にはスペルチェック機能が備わっていますが、全角英数字だとスペルチェックの対象になりません。運用面でも、検索エンジン対策の面でも、全角英数字の使用は避けたほうがよいでしょう。

  • 全角英数字はアクセシビリティに欠けます
    一部の音声ブラウザでは全角英数字がサポートされていません。例えば、iOS6のVoiceOverだと単語として認識されず1文字ずつ読み上げられたり、違う音声で読み上げられるバグがありました。
    http://d.hatena.ne.jp/inopie/20120920/1348091537

  • 半角英数字のほうが容量が軽いです
    半角英数字は1バイト、全角英数字は2バイト(UTF-8の場合は2~6バイト?)、表示するのに容量が必要です。そのため、半角英数字を採用した場合と、全角英数字を採用した場合では、わずかにファイルサイズの差が生じるでしょう。

  • クレーム対策にとりあえず全角英数字の使用はやめましょう
    全角英数字表記の文章があると、鬼の首を取ったように指摘する方が多くいらっしゃいます。少しでもリスクを無くすために半角英数字で統一しておくのが無難です。
    http://togetter.com/li/18672
    http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51472374.html

参考リンク

※ECサイトなどの入力フォームで、住所の全角入力を求められる理由は諸説あるようです。http://nplll.com/archives/2009/07/post_2337.php
※新聞社のサイトでは全角英数字で統一されていることがほとんどです。縦書のDTPデータをそのまま使っている都合だと思われます(要確認)

2012年10月11日執筆
2014年12月16日加筆