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Diana,late Princess of Wales
(前頁より)
なぜダイアナさんがこのように人気があったのでしょうか。
私生活では離婚やいくつかの不倫もありましたが、国民はそのような事実よりも、
なぜ彼女が離婚に追いつめられたのか、どうして不倫をしなければならなかったのか
その背景を良く理解し、同じ人間として喜怒哀楽の情を共有していたのでしょう。
彼女が「心の女王」になりたいと努力し、多くの国民が「心の女王」と慕っていた
ことには驚きました。
彼女は理知的というより情の人でした。極めて感受性が高く、かつ素直に行動して
いたと思います。政治的な配慮よりも、社会的弱者に人間的愛情を惜しみなく注ぎ、
その救済に積極的に行動していました。
世界の人々は、彼女の心と行動が「本物」であったことを認識していましたから、
私生活で一人の人間として異性の愛を求める行動をとっても、さほど問題にしなか
ったのでしょう。それほど彼女の弱者への愛は大きかったのです。
「トニー・ブレアが基調を作った。しかしこの急速な展開をしたのは民衆だった」
(インディペンデント紙)と報じられているように、ブレア首相と英国民は、英王
室とマスコミに対し、大人の意思表示と行動をとったように思います。
特にブレア首相の的確な判断とチャールズ皇太子への助言に注目します。
(「五分でまとまる国」の国民の態度をもう一度ご覧ください)
それにしても、我々が平素日本のマスコミから得ているダイアナさんの虚像と、亡
くなられた後に知った実像に、大きな乖離があったことに、愕然としています。
日本国民の何人が、エイズ患者と握手し激励するダイアナさんや、地雷除去作業の
現場を訪れ、病院で対人地雷の犠牲になった子供や女性などを慰め、積極的に地雷
の根絶に立ち上がっているダイアナさんを知っていたでしょうか。
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