口切に境の庭ぞなつかしき 芭蕉
口切や小城下ながら只ならぬ 蕪村
口切や五山衆なんどほのめきて 蕪村
口切や北も召れて四畳半 蕪村
口切の隣も飯のけぶりかな 蕪村
口切や梢ゆかしき塀どなり 蕪村
口切のとまり客あり峯の坊 太祇
口切や寺へ呼れて竹の奥 召波
口切の菴や寐て見るすみだ河 几董
口きりや此寒空のかきつばた 几董
時雨せよ茶壷の口を今切ぞ 一茶
口切や南天の実の赤き頃 漱石
口切にこはけしからぬ放屁哉 漱石
吾妹子を客に口切る夕哉 漱石
口切や日の当りゐるにじり口 立子