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An Exciting Books!
1/16 いかす書籍天国





雪だ!書だっ!


 いやぁしかし東京に雪が降るとはねぇ。しかもこんなに。都会もんはこの程度の雪で駄目になっちゃうなんてイカンよー。わちきが餓鬼んころなんて、この100倍はつもってたけんね。なにしろ駅前のアーケードが雪でふさがって外が見えなくなるくらい積もるんだから。

 しかし、最近はようけ雪がふらなくなって、なんつーか、空恐ろしさというか、一種のさみしさですか。そんなもんを感じますな。というか地球温暖化しまくりーみたいなー

 いっぽうで雪国に雪が降らず、スキー場が閑古鳥かとおもえば、東京では雪に悩んでいる。なんともはや。異常気象としか言いようがないですなぁ。

 まぁンなこたぁどうでもいいんですが、さすがに雪ん子として育ったこの私も、東京にゴム長靴なんてもってきているわけもなく、その上寒いので、どうにも外出がおっくうになりがちですな。

 しかしいざ家にいるとなると、これがまたやることがないんだ。ゲーム作れ?いややってますけどねー。ほら、なんつーか気分転換っつーか。おれはもともと気分屋なので、常に気持ちを分散させないと気持ちよくひとつのことに集中できないという困ったちゃんなので、いろいろともだえているわけです。だからホームページがガンガン更新される、と(笑)。

 もはや、自分でもわかりかねているんだけど、売文業者という奴は、仕事がないととことん暇ですな。もはや単なるプータローと見分けツカネー。仕事ください(笑)。

 まぁそんなこんなで(どんなだ)、暇しているので、同じように暇な悩みをお持ちの読者の皆さんのために、暇つぶしにもってこいの書籍を一挙大紹介しちゃいたいというか、この紹介自体がおれの暇つぶしでもあるので一石二鳥ですな。

 今回はノンジャンルで選んだぜー。SFの話のときと作者が重なってるのもあるけど、気にしない気にしない。

Cの入門書にはもう飽き飽きだけど、知識を補給したい・・・・という人にピッタリなのがまず最初に紹介するこの本。まぁ既に何回か紹介しているのだけれど、改めて紹介しておくことにしよう。

 Cプログラマでまだ読んでない人は、今すぐ書泉ブックタワーに走るべし!(ついでに神無月本も買ってくるべし!)

 問答無用で素晴らしい本だと思う。内容は、C言語のおさらいが主なんだけど、他の本には決して載っていない、C言語の仕様の落とし穴や愉快な小話が楽しめる。一気に読もうとすると途中でこんがらがっちゃう部分もあるけど、さすが天下のSUNでCコンパイラを書いている人が書いてるだけあって、読み応えバツグン!

 この本を初めて読んだとき、僕は目からウロコが落ちまくった。凄い本です。ぜひ御一読を。

 お次はいきなりマンガ(がーん)。

 ご存知エリア88。通称エリパチ。古いマンガだからって馬鹿にするなよ。今のマンガだってこれを超えるものはないんじゃないか?

 とにかく主人公の徹底した現実主義、そして物語世界の非情さが読者の心を貫く。
 まぁなんか昼メロっぽいところもあるけど。個人的には明日のジョーよりはこっちのほうが好きかな。

 しかしなんで新谷かおるは今になって「ぶっとびCPU」なんつーエロマンガまがいのマンガを書いてるんだろう。今もって謎である。

 お次は軽〜イSF小説。いわゆるライトノベルって奴だが、東野司の「京美ちゃんの家出(ミルキーピア物語)」シリーズはハードさのかけらもないストーリィ展開だが、作者はコンピュータに明るいらしく、この手の小説にしては描写はしっかりしているほうだ(明らかに無理がある設定もあるが、それは物語のことを考えると許容しても良い範囲だと思う)。

 最初の巻のストーリィは、擬似人格ソフト・・・ま、今風にいえば電脳アイドルの京美ちゃんが、ある日突然家出(ネットワークに)してしまうという、いわゆるマックスヘッドルームものなんだけど、これってかなり昔に書かれたにしては、現代の状況をわりとうまく繁栄した世界観ではないかしらん。

 この世界では、ネットワークをてくてく歩いていろんなサービスを利用できたりするんだけど、面白いのはその擬似人格ソフト京美ちゃん。彼女はアイドルのように歌ったり、写真集やCDで儲けるのではなく、ファンとの直接対話を売り物にしたソフト。しかし京美ちゃんは「一人しか」いないので、同時に対話できるのはごく限られた人数のみ。他の人たちは部屋(?)の外で並んで待っているんだそうな。

 これってさー、なんつーか、ちょっとだけNetMeetingみたいな感じしない?女の子がログインしていると誰もが我先にとコールを申し込んで、他の会員(ヤロー)を締め出す構図っていうか。しかも愛情の対象となるのが単なるソフトだっていうのもなかなか。アブない話ではあるけれどもね。


 もひとつSF。こんどはハードな本格SFだ。前回ないがしろにしたロバート・A・ハインラインの名作「宇宙の戦士」である。

 なんでも、ガンダムは「宇宙の戦士」に登場する機動歩兵をモチーフに考え出されたということだが、どっこい「宇宙の戦士」はもっとずっとシビアな話である。

 この世界では軍隊経験を積まない者は市民権を得られない。市民権とは、すなわち行政に関わったり、言論の自由を主張したりする、いまでは生まれた瞬間からだれもが持ち得る権利のことで、軍隊を辞めたりすれば、市民権は永久に持つことができなくなるという厳しい法律がある。

 普通のSFならば、このような設定はいわば「悪」の象徴であり、こんな世界をぶちこわそう!・・・というふうに話が進みそうだがそうではない。

 物語の中で、主人公は辛く厳しい試練に耐え、一人前の立派な機動歩兵(機動とついているが、あくまで単なる歩兵なのだ。というかこの世界では機動歩兵以外の歩兵は存在しないようだ)に育つまでの物語である。もはやここまでくるとSFである必要性は全くないのだが、彼の好みなのか、なぜか舞台は宇宙とされている。

 このような思想は、(解説にもあるが)ファシズムと呼ばれ、一般的には毛嫌いされがちなものだけれども、本書を読むことでファシズムの必要性というか、なぜファシズムが考え出されたかという点が明確になる。ファシズム=悪という固定観念を植え付けられた世代としては、大変勉強になった本である(かといってファシズムが素晴らしいと言っているわけではない)。この作品のテーマはこうだ。「暴力は歴史上、ほかの何にもまして、より多くの事件を解決している。その反対意見は希望的観測に過ぎぬ。この事実を忘れた種族は、その人命と自由という高価な代償を払わされてきた」なかなか考えさせるSF小説である。


 またマンガになる。これもかなり政治色の強いマンガだが、政治色は無視したとしても、その戦闘シーンに一見の価値がある。

 本来、ダラダラした展開になりがちな潜水艦同志の戦闘を、常に緊迫した、そして読者を飽きさせないコマの連続で我々を引き付ける。

 また、主人公である、日本初の原子力潜水艦の艦長、海江田四郎が実にその天才ぶり(彼が天才でなかったら、天才とはなんなんだというくらい)を発揮し、次々と迫り来る米軍艦隊を翻弄するのは痛快のひとこと。

 この手の話を書くコツは、とにかく主人公以外の全員の知能レベルを徹底的に下げること、というのがセオリーだが、単純にそれをやってしまうと、いかにもわざとらしい、軽薄な物語になってしまいがちである(たとえば「無責任艦長タイラー」シリーズなどはその典型だ)。しかし、本作は潜水艦という非現実を巧妙に利用して、我々素人の目を鮮やかに晦ます。よくできた手品をみているような、いや、読んでいる最中にはそれすらも意識させない快作である。



 お次のマンガもかなりハード。ご存知ワイルド7だ。
 残念ながら復刻版のシリーズが尻切れとんぼだけど、もしかしてもう新刊が出ないの?これほど面白い漫画をないがしろにするとは、日本のマンガ愛好家達はなにをみているんだか(え?女の子の絵だって?知ってるよ)。

 とにかくコマとコマ、インクとインクの迫力が素晴らしいのひとこと。デフォルメされたキャラクターながら、その迫力は十二分に表現されている。読者に「痛い!」とか「酷い!」とか感じさせるマンガなんて、女の子を描くことばかり上手いそこらのへっぽこ漫画家には逆立ちしたって真似できない。涙流して顔を歪めて突き飛ばされた絵を描いて、吹き出しに「痛い」と描けば痛いワケじゃないってことを嫌というほど思い知らせてくれる漫画だ。

 そしてとにかく人が死ぬ死ぬ。あっさり死んだくせにゾンビのように何度も蘇る男塾とはわけが違い、二度と復活しない。人が死ぬから痛みがわかる。いくらダメージを受けても、入院すれば次の週には復活してしまうそこいらの主人公とはわけが違う。

 話としては、死刑囚だの少年院脱走常習犯だの、とにかく前科者だけで組織された野獣の特殊警察集団ワイルド7が次々と悪の組織を壊滅させていく・・・というものだが、もとが前科者の割にはいい人ばかり。そのくせ実は江戸大学(東大にあたるのか?)を卒業したバリバリのエリートにしてワイルド7の創設者、草波勝検事の冷酷さったらない。前科者ですら震え上がるほど冷酷な検事というのも凄いが、まさに目的のためなら手段を選ばない男である。そんな彼にちょっと憧れたりも、するな。男なら。ま、主人公の飛馬大陸もカッコイイんだけどね。



 っと、ここでまたパソコン関係の本に戻ってしまうけど、今度はMMXテクノロジ最適化テクニックの紹介だ。

 この本はもはや説明する必要はないかもしれないが、現在の最先端であるインテルMMXテクノロジ・プロセッサ(MMX PentiumとPentiumII)についての技術解説と最新の最適化テクニックを紹介した本である。

 MMXそのものに興味がなくても、最適化についての部分を読むだけでもかなり参考になる。

 かくいう僕も、MMXを持っていない頃にはこの本には全く興味がなかったのだが、こないだ購入していらい、虜になってしまったくらいだ。とにかく最適化というものがなんなのか、どうすればコードをPentiumプロセッサでより高速に実行できるようになるか、といったことを詳細にわたって説明している。また、添付CDにはV/Tune体験版をはじめとして、有益な情報やツールが満載。まさにお買い得。同時期に出たソフトバンクのMMX本とは比較にならない面白さである。

 MMXを持ってないから、という理由で躊躇しているむきにはぜひお勧め。プロセッサはそのままで、貴方のコードが20%速くなります。


 最後の本はこれ。
 ずっと以前に、ニューラルネットの話を書いたことがあるが、そのもとネタはこの本から。
 ニューラルネットというと、原理自体は簡単でよく知られているが、いざその応用となると、認識だとか、計算だとか、イマイチわかりにくくてパッとしないものが多い。

 本書では著者が自らの研究室で研究した実験の成果をわかりやすく解説しており、たいへん興味深い。この本のなかには、二体のロボットが全く知識がない状態から共有体験を経ることによってお互いに通じる言葉を創造していったり、欲望を持ったロボットがエネルギー源を求めてさ迷ったりする実験が紹介されている。

 この一文で興味を抱いた方は、いますぐ書店へ。決して損はしません。



 さて、なにかいい本が見つかったでしょうか。
 それでは雪に滑って転ばないようお気をつけて。また次回。