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Internet WatchのWinGroove作者インタビューを読んで、少し思ったことを書きたいと思います。
もともとの問題をご存知ないかたのために補足すると、WinGrooveというシェアウェアがあって、これは違法に出回っている不正なIDやユーザ名を入力すると、IO.SYS(システムファイルの一種)を書き換え、ハードディスクを破壊してしまうという機能を隠し持っていました。
そうしたら違法なIDを使ってみた人々が怒り出したというわけです。
なんと馬鹿な話なんでしょう。
これではまるで居直り強盗ではないですか。
良いと思ったソフトはできるだけ買う。良いと思ったシェアウェアにはできるだけ送金する。これはソフトを使う立場のモラルなのです。それを具体的な被害にあったからといって自分の違法性までを正当化できるでしょうか。
裁判になったらどうなるかはわからないですけど、少なくとも自ら違法なユーザIDを使ったことを公言した人たちに対して、WinGrooveの作者が著作権法違反と著作権侵害を主張することは充分でき、仮に著作権法違反が適用されれば最高懲役三年の重罪となります。
Internet Watch側のインタビューも一方的に作者を責めるばかりで、まるで建設性が感じられません。むしろ違法ユーザID利用者を擁護しているようにさえ受け取れます。
こんなことだから窓の杜があんなになっちゃうんだよなぁ(笑)
僕個人としては、作者の対応のまずかったところはそのような機能があることを「故意に隠蔽」したか、もしくは「知らなかった」というところだと思います。これがもしあらかじめ宣言していたならば、最初からだれもWinGrooveを使わなかったでしょう。
しかし、こうなると作者の意図が不明瞭になってきます。
このような対策は核兵器と同様に、威嚇において最大の効果を発揮するものです。しかし現実にそのような威嚇をしてしまえば、ユーザは逃げてしまいます。
WinGrooveにハードディスク削除機能を入れようと思い立ったときの作者の方のキモチを考えてみると、やはり「許せない」という怨念のような感情が先にたっていたのではないでしょうか。
僕としては、価値のないシェアウェアしか作ってないのでハードディスクを削除するのはオーバーだと思いますが、それでも気持ちとしてはなんとなく理解できます。
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昔、とある学校が授業に使いたいのでDirect3ZC コンポーネントを無料で欲しいという申し出がありました。
僕はどうしたかというと、それは丁重にお断りしました。何故なら、それを許してしまうと、それまで(より初期の段階で)対価を払ってDirect3ZCコンポーネントを購入した方々への背任行為になってしまうからです。
また、無料で配っておいてユーザーサポートのメールに悩むのも御免です。
というわけで、その方にはSANDMANさんのDDDDを薦めておきました(笑)
このような配慮は、ユーザーと直接対峙しながらソフト開発をするシェアウェア作家には当然のことだと思います。むろん、友達や直接の知り合いレベルの人間に無償で配布するのは当然として、です。
シェアウェア作家というのは、大企業のプログラマとは違います。下手なことをしても会社が守ってくれるわけではないのです。
これは言わば直接の人間関係と言っても良いものです。作者は優れたソフトを制作し、ユーザーは自分にそれができないぶん対価を払って使う。ユーザーと作者はなるべく対等な立場で意見を交わすのが望ましいと思います。
今回の事件は、作者が泥棒除けをつけた製品を売りさばいていたら、それを盗んだ泥棒が、家を爆破されたと大騒ぎして警察にかけつけているようなもので、実際そのような話が起きたら、爆弾をつけた本人と泥棒は等しく中傷されるはずです。
なんだか不正なIDを使っていた人の名前がただの一人も出ずに、作者だけが責められている今の状況というのは、もしかしたら不正なIDを使いまくっている出版社の陰謀なのかもしれませんね(笑)
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