モスクワ行きの列車はクラスノヤルスク駅の直前でエニセイ川を渡る。アムール川がオホーツク海に流れこむのに対して、エニセイは北極海に注ぐ大河。この川の流域はかつて政治囚の流刑地であった。大陸の河川だけに日本のとは違って勾配が緩やかで水運にも都合がよい。実際、エニセイ川ではクラスノヤルスク以北は滝はもちろん水門(堰)もなく、そのまま北極海に出ることができる。 (1999年8月撮影)
シベリア鉄道はいくつもの鉄道総局によって管理が分担されているがここクラスノヤルスクも総局の置かれている鉄道輸送の要衝。駅舎には「クラスノヤルスク鉄道創立100周年」の大きな看板が出ていた。今世紀にはいる直前から走り続けてきたということだ。手前に停車中の列車はモスクワ発イルクーツク行き急行「バイカル」。 (1999年8月撮影)
オビ河畔の町ノボシビルスク。駅の時計はモスクワ時間だから実際は深夜。 (1991年8月撮影)
列車がウラル山脈を越える(ウラルは険しくないから、「越える」というほどの大仕事ではない。碓氷峠のようなのを想像してはいけない。)とカマ河畔の町ペルミ。ウラルの鉱物資源を背景に重工業の発達した都市だが、日本ではペルミ・バレエなどで知られる。バレエ劇場の写真を撮ろうとしたが、この資本主義化の嵐の中で劇場の正面には保険会社か何かの大広告が出されていて、とても絵にならんと思ってやめてしまった。 (1995年8月撮影)
カマ川にかかる鉄橋を渡るシベリア鉄道の列車。カマ川はカザンの南でボルガ川に合流する。 (1995年8月撮影)