ソ連時代にはワシントンのホワイト・ハウスとで世界情勢を左右したモスクワ・クレムリン。城壁の内部には帝政時代からの由緒ある教会群があって一般に公開されている。その他に一般の市民や観光客が立ち入ることのできる場所としては「武器庫」とよばれる宝物の展示場やかつて共産党大会を開くために作られた「大会宮殿」などがあり、この「大会宮殿」ではバレエなどの公演のほか子ども達のためのヨールカの催しなども行われる。他方、大統領執務室なども同じクレムリンの敷地内にあるが、もちろんそちらは自由に立ち入ることはできないようだ。(左上は1993年12月、右上は1999年8月、下は1990年8月撮影)
ロシア人が皆「大きいことはいいことだ」と思っているわけではないだろうが、クレムリン見学に行くと「どうだ!」と自慢される大きな鐘。重量が200トンもあるとか。18世紀の大火のおりに割れてしまった破片だけでも11トン半だそうで、こんもの鐘楼に吊るすこともままならず100年以上も鋳込み穴に放置されていたものを1836年にようやく今の場所に据えたという話だ。..ということはこの鐘を鳴らしたことは一度もないということか。 (1986年12月撮影)
「鐘の王様」に対抗してこちらは「大砲の王様(ツァーリ・プーシュカ)」。16世紀後半にブロンズで鋳造されたもの。口径9m弱、重量40トンとかだが、やはり一度も使われたことがないという。 (1985年12月撮影)