ロシアになってからも紙幣のデザインは一度ならず変更になっている。これは1995年前後から市中に出回ったもので、金額ごとにロシアのいろいろな地方の都市やその近郊の風景が印刷されるようになった。この1000ルーブル紙幣は極東のウラジオストクあたりを題材にしている。
10000ルーブルの紙幣。バラの花束1つでこの札1枚という感じだったから額面の数字から受ける印象ほど高額ではない。デザインはシベリアのクラスノヤルスクと近郊の風景。
ハイパー・インフレがおさまったとの判断で1998年の年初に1/1000のデノミネーションが行われた。右の写真はデノミ後の10ルーブル紙幣。それまでの10000ルーブルに相当する。前ページの写真と比較するとおわかりのように新しい紙幣はデザインをほとんど変更せずに、額面の数字だけを変えたものであった。国土の広大なロシアで混乱なくデノミネーションを実施するには適当な方法だったかもしれない。
うち続くインフレで次々に高額紙幣の必要に迫られ発行された50ルーブル紙幣。サンクト・ペテルブルクの風景を取り入れてある。
新しい100ルーブル紙幣。デノミ前の金額で言うとなんと100,000ルーブル紙幣ということになる。首都モスクワの絵になっているのはこれ以上の高額紙幣は出さないという「決意」だったのであろうか。
しかし、物価の「安定」もつかの間で98年8月には大手の銀行が破綻する金融危機があり、その夏の旅行にために1ドル=150円もの高いドルで買ったルーブルは私の帰国直後に3分の1に目減りしてしまった。