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博士課程(前期 課程)の入学試験問題 (抜粋)
化学に分類できる代表的問題

物理化学(量子) 平成9年度の問題から

[19] 単純ヒュッケル法を用いてホルムアルデヒドのπ軌道を求める。 π軌道にあずかる酸素原子の2p軌道をχ1、炭素原子の2p軌道をχ2とし、 それらの関わるクーロン積分と共鳴積分が(1)〜(3)式のように表されるとする。次の各問に答えよ。


問19-1 (1)式と(2)式のクーロン積分の違いは何を表しているか述べよ。

問19-2 π軌道(φ)が(4)式で表されるとする。ここで、C1と C2は軌道係数である。π軌道エネルギーを、α、β、C1、 C2を用いて表すとともに、このπ軌道エネルギーに変分法を適用し、π軌道を求めるた めの永年方程式を導け。


問19-3  その永年方程式を解き、軌道エネルギーと軌道係数を求めよ。また、下に示したエ テン(エチレン)のπ軌道にならって、エテンのπ軌道との違いが明らかなようにホルムアルデヒドのπ軌 道を図示せよ。

問19-4  光電子スペクトルの実験によると、ホルムアルデヒドのπ軌道からのイオン化エネ ルギーは14.5 eVで、エチレンの場合の10.8 eVと比べて大きい。π軌道エネルギーを用いて、この実験 結果を説明せよ。

問19-5 ホルムアルデヒドでは、π-π*遷移とともに、より長波長の電子スペ クトルが観測される。この二つの励起の遷移確率(吸収強度)の違いについて述べよ。


物理化学(統計) 平成10年度の問題から

[20] 次の各問に答えよ。

問20-1 次のような反応を考える。

(1) 最初Aの濃度はa、BおよびCの濃度は0であった。反応を開始した後のCの濃度をxとしたと き、xの時間変化を表す微分方程式を書け。

(2) 反応を開始した後、平衡に到達したときのCの濃度はいくらか。

(3) 平衡に到達してから、ある時刻t=0で温度を突然わずかに上昇させた。この温度ジャンプにより、 反応速度定数k1およびk2はそれぞれk'1および k'2に変化した。温度上昇後のCの濃度は平衡の値とはΔxだけずれている。Δxはt=0でΔx =Δx0であったが、時間が経過するとともに、式


にしたがって減少していった。τを求めよ。また、その導出の過程も記せ。ただし、計算の途中でΔx の2次以上の高次項は無視してよい。

(4) 温度ジャンプにより、温度はTからT+ΔTに上昇したとする。k1k'2 / (k'1k2)をΔTの最低次までの表現で求めよ。ただし、BおよびCが生成さ れる反応の標準エンタルピーをΔHとし、ΔHは温度によらないと考える。

問20-2 蛋白質の状態変化に関する以下のような簡単な理論を考えよう。対象とする蛋白質 はアミノ酸残基がN個つながった鎖である。1残基のとりうる立体配置が仮に3通りあるとすれば、蛋白質 は3N個の異なった形の立体構造をとることができる。この蛋白質を溶かした水溶液を生 理的温度に保つと、蛋白質はある特定の立体構造を保持しているが、溶液の温度を上げると蛋白質は構造 変化を起こし、変性する。

(1) 変性状態では蛋白質の立体構造は3N個の異なった構造の間を行き来していて定ま らない、と考える。温度Tで変性状態にある蛋白質1分子当たりの自由エネルギーを見積もれ。ただし、 3N個の構造の平均エネルギーをE0とする。

(2) 高温で変性状態の蛋白質を生理的温度に冷やすと、蛋白質は再び特定の立体構造をとるようにな る。この現象について熱力学の言葉で説明せよ。ただし、特定の立体構造のエネルギーを E1とする。E1 < E0である。

(3) 変性状態から特定の立体構造をとる状態への変化が起こる温度を計算せよ。


無機化学 平成9年度の問題から

[21] 次の各問に答えよ。

問21-1 Lambert-Beerの法則を説明せよ。

問21-2 ホウ素の化合物に関する以下の問に答えよ。

(a)ホウ酸は水中でどのような形のイオンになるか。また、酸はどのくらい強いか。
(b)ジボランの構造を示し、その結合を説明せよ。
(c)窒化ホウ素の構造と性質を述べよ。

問21-3 次の反応式を書け。

(d)金属リチウムと窒素
〈e)金属ナトリウムと酸素

問21-4 次の語句から二つを選択し、要点を説明せよ。
キレート効果、電子移動反応、モレキュラーシーブ、 Nernst(ネルンスト)の式、六方最密充填(六方最密パッキング)


有機化学 平成7年度の問題から

[21] 次の各問に答えよ。

問21-1 次の化合物のうち、常温で光学活性なものはどれか。記号で答えよ。

問21-2 次の事実をもたらす原因を説明せよ。

(a) 1-ブロモアダマンタン[K]は、2-ブロモ-2-メチルプロパンに比べ、メタノール中での加溶媒分解が きわめて起こりにくい。
(b) トリフルオロ酢酸はトリクロロ酢酸よりも強い酸である。
(c) ピリジンはピロールよりも強い塩基である。


問21-3 シクロヘキサノール誘導体のアセチル化の速度は、一般に、水酸基の結合方向の違 いによって大きく異なる。たとえば、cis-4-tertブチルシクロヘキサノールとtrans-4-tertブチルシクロヘキ サノールのアセチル化を比較すると、後者の方が圧倒的に速い。この結果から、アキシアル水酸基とエカ トリアル水酸基では、どちらがアセチル化されやすいといえるか。また、化合物[L]の水酸基においても 同様の反応性がみらるとして、モノアセチル化反応における主生成物を予想せよ。

問21-4 (1R,2R)-1-ブロモ-1,2-ジフェニルプロパンからE1(1分子脱離〉反応条件下で脱臭化 水素すると(E)-1,2-ジフェニルプロペンが、E2(2分子脱離)反応条件下で脱臭化水素すると(Z)-1,2-ジフェ ニルプロペンが主生成物として得られる。次の問に答えよ。

(a) (1R,2R)-1-ブロモ-1,2-ジフェニルプロパンを立体化学がわかるように図示せよ。
(b) E1およびE2反応で主生成物が異なる理由を説明せよ。


→博士課程(前期課程)の入学試験問題 (抜粋)