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　●名称（別名）
プロラクチン（Prolactin, PRL, 黄体刺激ホルモン, Luteotropic hormone, LTH, 乳腺刺激ホルモン, Mammotropin, Mammotropic hormone, MTH, Lactogen）

　●構　　造・性　　質
分子量約 22,000（ヒトの場合アミノ酸１９８個）の蛋白質、等電点（ヒトで６．５、ラットで５．１）付近のｐＨでは水に難溶、水溶液ではダイマーを形成しやすい。
ＧＨと同族の蛋白と考えられるが、アミノ酸配列のホモロジーはヒトの場合は１６％に過ぎない。

　●生産部位・分　　布
腺下垂体プロラクチン細胞（好酸性）、胎盤脱落膜で産生される。
陽性細胞は視床下部、視索前野、肺や腎のガン細胞に見いだされる。
羊水中に多量に存在する。
髄液、精液中にも存在する。
全脊椎動物に分布。

　●標的器官
乳腺、肝、腎、副腎、卵巣、前立腺、精嚢、胸腺、鳥類のそ嚢、魚類の皮膚腺、鰓、膀胱等。

　●受容体
膜１回貫通ＷＳｂｏｘ（サイトカイン受容体群）。

　●作用効果：広範な動物で多彩な生理作用。
乳腺発育、カゼイン合成促進、乳汁分泌、
前立腺、精嚢腺の発育
黄体維持、刺激（齧歯類）、チミュリン産生促進。
鳥類：クロップサック肥大とクロップミルク形成（ハト）、抱卵パッチ形成、抱卵行動誘起、渡り行動誘起。
イモリ：ウォータードライブ。
魚類：浸透圧調整（Ｎａ流出抑制、水吸収低減、腎濾過量増大）、回遊行動。

●過剰効果
排卵障害、無月経、乳汁漏出、多毛症、性欲減退、勃起障害、精子形成障害、女性化乳房、等。

低値を示す疾患：下垂体機能低下症、Sheehan 症候群。

高値を示す疾患：黄体機能不全、ＰＲＬ分泌性下垂体腺腫（プロラクチノーマ）、視床下部腫瘍、等。

　●血中濃度（血清、血漿）
ヒト(WHO 1st IRP 標準品として）：
成人男性 〜3.8ng/ml
成人女性（排卵期を除く） 〜4.6ng/ml、排卵期 〜8.5ng/ml、閉経期 〜3.7ng/ml
女性は男性よりも血中濃度が高いが、閉経期後は男性と同様になる。
新生児期に高値
ラット：〜15ng/ml

　●組織量
ラット：
腺下垂体 〜13mcg/gland
　
　●分泌促進
ＴＲＨ、、ＶＩＰ、セロトニン、メラトニン、サブスタンスＰ（以上ＰＲＦ様物質として直接）、エストロゲン（直接、間接）、ＴＦ５、β−エンドルフィン、ダイノルフィン類。
生理状態として授乳、乳房刺激、睡眠、ストレス、運動、性行為、妊娠、産褥期。

　●分泌抑制
ドーパミン、ノルエピネフリン、ソマトスタチン、アセチルコリン（以上ＰＩＦ様物質として直接）。エンケファリン。
高プロラクチン血症には分泌阻害剤としてブロモクリプチンが使用される。
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