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　●名称（別名）
黄体形成ホルモン（Luteinizing hormone, LH, 間質細胞刺激ホルモン, Interstitial cell-stimulating hormone, ICSH）

　●構　　造・性　　質
分子量：約 29,000 の糖蛋白質。
ＴＳＨ，ＦＳＨと共通のα−サブユニットと、ＬＨ特異的なβ−サブユニット（ヒトの場合アミノ酸１１９個）からなるヘテロダイマー。
糖蛋白質ホルモンに特徴的な microheterogeneity がある。

　●生産部位・分　　布
腺下垂体の好塩基性性腺刺激ホルモン産生細胞（ゴナドトローフ、ＦＳＨと共通）。
魚類−哺乳類の全脊椎動物に分布。

　●標的器官
卵胞の成熟顆粒膜細胞、
精巣の間質細胞（Leydig 細胞）。

　●受容体
受容体：膜７回貫通−Ｇ蛋白共役型ＰＫＡ系。

　●作用効果
雌：排卵と黄体形成、
ＦＳＨと協力して卵胞の成熟とエストロゲン産生、黄体からのプロゲステロン産生分泌促進。
雄：間質細胞でのアンドロゲン産生分泌促進、アンドロゲンを介し２次的に精子形成促進。

　●欠損効果
性ステロイド分泌低下、間質細胞萎縮、排卵黄体化停止。

　●過剰効果
精巣間質細胞肥大とそれに続く萎縮、エストロゲン、アンドロゲンの分泌増大、早発過排卵、性成熟促進等。

低値を示す疾患：低ゴナドトロピン性類宦官症、原発中枢性無月経、Sheehan 症候群、Chiari-Frommel 症候群、神経性食欲不振症、顆粒膜細胞腫、副腎性器症候群、黄体機能不全、頭蓋咽頭腫、等。

高値を示す疾患：無精子症、Kleinfelter 症候群、Turner 症候群、早発思春期、早発更年期、多嚢性卵巣症候群、卵巣発育不全、去勢、閉経。

　●血中濃度（血清、血漿）
ヒト（WHO 1st IRP-LH として）：
成人男性　〜3mIU/ml
成人女性　排卵期 〜14mIU/ml、卵胞期 〜4mIU/ml、黄体期 〜2.5mIU/ml、閉経期 〜18mIU/ml
ラット：
雄　〜0.5ng/ml

　●組織量
ラット腺下垂体：
雄　6〜7μg/gland
雌　3〜4μg/gland
　
　●分泌促進
促進：ＬＨＲＨ（直接）
生理状態として血中性ステロイドの低下（間接、直接）、性周期による変動（特に排卵前期）、更年期−閉経後。

　●分泌抑制
生理状態として血中性ステロイドの増加（間接、直接）、オピオイドペプチド特にβ−エンドルフィン。
幼小児期、妊娠時、産褥期。
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