| サイトのコンテンツに関して何通かの苦情を頂きました。今後ともそうした御鞭撻を頂くことは何ら問題はありません。 当サイトの趣旨は、猟奇殺人およびその捜査手法であるプロファイル、またプロファイル作成に不可欠な社会や人間に対する分析法について研究するというものであり、興味本位で殺人を煽るようなものではありません。一部のグロテスクな描写・写真の掲載理由は、演繹的プロファイルの手法が現場で起こったこと・死体写真・解剖報告書を元に犯人像を推測するものであるためです。
また、”理性ではなく身体で”犯罪を考えていきたいとの趣旨もあります。活字は机上論になりがちでですので、少しでも議論を現実に近づけようという意図があることをご理解ください。(なお、少年法61条に罰則はありません)
また運営者の責任についてですが、通信品位法(CDA:Communication
Decency Act )の違憲判決がアメリカ最高裁で出ていること(下記参照)、インターネットのサイトや映画などは製造物責任法上の責任を負わないことがジョージア州の判決等で確認されていること、を考えると当サイトのコンテンツを見て犯罪が起きたとしても、犯罪と当サイトのコンテンツとの因果関係は否定されるだろうと思います。
クリミナルプロファイリング導入の理由は、検挙率の低いアメリカで捜査を効率的にするためでした。その契機となったのが、16年間捕まらないまま、ニューヨークに爆弾を仕掛け続けたジョージ・メテスキーを逮捕するために作成されたブラッセル博士のプロファイルでした。(氏のプロファイルはデサルボの事件では完全に外れた)。
アメリカの殺人件数は1999年では18000件強(日本では1400件弱)、しかも検挙率が66%(日本は95%)で、さらに毎年約100万人の行方不明者が出ている状態です(戸籍制度がないことも原因)。
人口が2億の場合、犯人が男だとわかれば捜査の対象は1億になり、20代だとわかればさらに2000万人、さらにニューヨーク周辺に住んでいて高学歴で精神病歴があると限定していけば、3桁ぐらいまではしぼれるのではないでしょうか。
こうした思考過程はベテランの刑事には当たり前のことなのでしょうが、それを経験と勘で何十年もかけて体得するという非効率な方法より、科学的・学問的に確立して大学で教育したほうが、成果が上がるのではないでしょうか。
アメリカの警察は優秀とはいえません。神奈川県警の覚醒剤事件がありましたが、ああいった事件はアメリカでは年中あるためニュースにすらなりません。また、BlueWall(制服が青いことから)という秘密主義・かばい合い・不祥事隠蔽・高官の賄賂好き体質が慢性的に横行しています。
ただ、経験と勘に依存した捜査を学問化・科学化して、不完全ながらも体系的な手法を確立しようとする努力には敬意を払うべきでしょう。論拠を明確にして推論するという思考方法は何事にも普遍的に応用できるはずです。
| 「近代科学は宇宙に至る巨視的な規模から、素粒子に至る微視的な規模まですべてを一貫した論理の中に見据えることができる、という卓越した特性を備えてはいるが、一方からいえば必然的に、広域的・同時的・共時的に起こる事象どうしの有機的関係についてはほとんど無視せざるを得ない」
村上陽一郎「近代科学を超えて」講談社学術文庫 |
つまり、「分析的でありながら総合的」という視点が必要になるのが、いわゆる「社会問題」で、暴力犯罪はその典型になります。
精神科医が精神分裂病のどういう型が暴力犯罪を犯すか明らかにすること、脳神経学者が暴力犯罪者の脳の特徴を解明すること、といった「タテ」の構造の重要性が減少することはありません。しかし、「ヨコ」にする発想も新たに必要になるのです。それが「総合的発想」であり、当サイトの目的です。
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