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少年犯罪(2003)
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少年犯罪 (2003)

Juvenile Crime

 

 

 


 

ライオネル・テート(Lionel Tate:犯行当時12歳)は、6才の少女を殺害した。被害者は全身に30箇所の内出血があり、頭蓋骨が砕け、破裂した肝臓が肋骨の間から飛び出ていた。

被害者・加害者の年齢もあり、この事件は全米で注目を集め、裁判はテレビ中継された。

20013月、殺人で仮釈放無しの終身刑が確定。アムネスティインターナショナルなど人権団体から抗議声明が出ている。

 

子供の権利条約The UN Convention on the Rights of the Child国連加盟国で批准していないのはソマリアとアメリカだけ)37条には、18歳未満の場合には仮釈放無しの終身刑は禁止と書いてある。日本の場合、無期懲役になっても平均15年程度で出られるので、18歳未満の少年を無期懲役にしても条約には違反しない。

なお、この事件は物的証拠が揃っており、本人も犯行を認めているため、冤罪の可能性は無い。

 

被害者Tiffany Eunick(6)

Court TV

 

長崎の4歳児殺害事件では、「何故防げなかったのか?」という議論があった。ただ、この設問は、事件に法則性があることを前提にしていて、事件が個別に全く異なることを無視している。バルガー事件の犯人と今回の12歳の少年とは、成績や生活などの点で共通点は見当たらない。複数の事件に共通点(ひいては法則性)がないことは、防止策を取り様がないことを意味する。

また、こうした特殊な事件の犯人から一般的法則を導くことは、論理的に無理がある。12歳の少年は約120万人だが、この中の1人を根拠に社会一般に関して議論を行うことは前提自体が間違っている。1/120万というのは、宝くじを3枚買って2億円が当たるのと同じ確率で、宝くじを買った人は大金持ちだと言えないのと同じことである。
12歳少年の親が被害者の両親に対して賠償金を払うことは当然だが、「親は何をしていたのか」「最近の親は精神的に幼い」などと言っても実質的には全く意味がない。

「心の荒廃」「偏差値教育」「地域社会の崩壊」等の指摘にも意味が無いことは、別頁で指摘してあるので重ねては書かない。

歴史上、どんな社会であっても常に犯罪は起きてきたし、これからも起きるだろう。犯罪に対抗する最良かつ唯一の方法は、犯罪者を隔離して社会の安全を図ることである。風邪や切傷が放って置けば直るからといって、ガン細胞の摘出はためらうべきではない。

ただ、問題として残るのは、刑罰の適用可能年齢をどこまで下げるのかということだ。

右の表は刑罰の適用可能年齢を国際的に比較したものであり、日本の14歳というのは標準的な水準にあることが分かる。10歳、仏13歳、北欧15-16歳、スペイン・ポルトガル16歳、ルクセンブルグ18歳。アメリカは州によって違い、一番重いところは年齢制限なしとなっている。

意思能力・責任能力があって法を犯すと刑罰が課されるという現行法の原則から言えば、年齢制限をなくすこと自体は無理だ。ただ、何歳が妥当なのかは誰も決められないし、誰にも分からない。

日本国民が持っている意思の平均値が現行刑法の14歳であり、私もこの辺りが妥当だと思う。よって、14歳未満の場合には、重大な犯罪を犯しても事故の一種と考えることになる。たとえ刑罰が課されたとしても被害者が救済されることはないため、ここでは被害者の救済は別の問題である。

また、下記のグラフの通り少年犯罪は高齢化しており、特に犯罪が凶悪化しているわけでもないため、適用年齢を下げることに合理的な必然性があるようには思えない。実際に国会議員の中でも適用年齢引き下げの活発な動きはないため、よほど凶悪な事件が増加しない限りは、引き下げられることは当面ないだろう。

 

 

少年犯罪が低年齢化しているという指摘は、上記グラフを見れば、間違いであることが明らかになる。低年齢化という現象がニュースキャスターや新聞記者の頭の中にしか存在しない虚像であることは、すでに指摘した通りである(参照)

 

 

このデータでは検挙率の低下は考慮されていないが、「激増する凶悪な少年犯罪」という言い方は当てはまらないことが分かる。問題はむしろ成年の犯罪の方にあり、治安の悪化は明らかに成年犯罪の増加によるものである。

また、いじめ・校内暴力なども昨年は減少しており、秩序が完全に崩壊したように認識するのは明らかに間違いである。薬物や銃刀法関連の犯罪も減り続けている。

 

 

 

上記2枚のデータから言えることは、日本が安全であるにもかかわらず、日本人が不安を感じているということだ。いままで治安が良過ぎたために過剰に反応していると思われる。メディアの言うことを軽くあしらうだけのメディアリテラシーが欲しい。

 

 

再犯率が高いのはむしろ成年犯罪者であって、厳しく対処すべきなのはむしろ成年の方である。金銭を盗むために住居に侵入して気づいた家人を殺害したという場合、日本の場合10-15年程度だが、アメリカの場合、30年を下回る州はない。つまり、刑罰が1/2以下しかないことになる。刑罰が重過ぎるために刑務所が満員になっているのは事実だが社会の安全のために税金を投入するのは止むを得ないだろう(なお、アメリカの収監者数は200万人。日本は5万)

刑罰が短くても犯罪者の更生に役立っているならいいが、再犯率4割というのは失敗している言われても仕方がない。

いずれにせよ、一部の例外的事例に過剰反応することなく、冷静に対応するべきだろう。

 

 

 

 
 

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