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Family Doctor(自宅に往診し患者の相談にのる。世間話をしたり、患者との人間関係が厚い)としての患者からの信頼は厚く、性格は温厚・良心的で働き者だった。開業医として3500人の患者を持っていた。しかし、その仮面の裏に麻薬中毒の殺人鬼の本性を隠していた。
殺害の後、明晰な頭脳を余すところなく使って証拠を残さないように異常なまでの努力を払っていた。司法解剖が行われれば、殺害が発覚するおそれがあったからだ。
1998年diamorphine (モルヒネの一種)の大量投与でKathleen
Grundy(81才:写真左)を殺害したが、彼女の娘が遺書改竄を疑い警察に連絡した事がきっかけで逮捕。
シップマンが殺害で金銭的利益を得たのはこの殺害のみで、被害額は38万ポンド(約6000万円)、この事件を起こさなかった場合、シップマンはいまだに連続殺人を続けていたかもしれない。
死亡当日に書き替えられた遺書は資産40万ポンド全てがシップマンに遺贈されると記載されていた。
警察は埋葬された遺体を掘り起こし遺体からモルヒネを検出、作成された遺言書がシップマンの診療所のタイプライターで作られたことを確認した。
Grundy婦人は、娘の証言によれば、死の直前まで8キロ歩いても息切れしないほど元気で、週末に保養地への旅行を計画していた。高齢者の支援活動にも積極的で募金活動も行っていた。「私たちより元気ね」と冗談をいいあったと娘は法廷で述べた。
98/6/24日シップマンはGrundy婦人の自宅に往診し血液を採取したが、その時モルヒネを注射したと見られている。またカルテの改竄も明らかになった。
動機が不明確で未だ憶測を読んでいるが、元同僚の医師によれば、人間の生命を操ること、つまり殺害自体を楽しんでいた、という説が有力である。金銭的利益を得ておらず、性的動機もないことから、この説が最も妥当だろう。
精神科医Richard Badcockがシップマンとの面接後、BBCのインタビューに答えたところでは、
単なる快楽のためにやったということは絶対あり得ない。彼の心の中にある何らかの「不安」を除去しようとしたのだろう。ただ、そのことに本人は気づいていない He
was very definitely not doing it for excitement, far from it.......He
was doing it mainly to try and resolve something within himself...to get
rid of an anxiety but an anxiety which he might not even have let
himself think about."
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