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精神障害
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・・僕は初めて世界のやさしい無関心に自分を開いた。世界を自分と非常に似た、いわば兄弟のようなものと悟ると、僕は幸福であったし、今でもそうだと感じた。すべてが完了し、僕の孤独をやわらげるために、僕はただ処刑される日に大勢見物人がいて、憎悪の叫びで迎えてくれることを望めばよい。

                   カミュ 異邦人

 

 

 


精神障害

Mental Disorder


 

テッド・バンディに長時間面接した法医学(心理学)の専門家、リード・メロイによれば、

猟奇殺人犯は、病的なほど極端に被害者を物体化する…………被害者は欲望を満足させるための単なる物体へとおとしめられるのだ

"They take the objectification of women to a pathological extreme…… She must be reduced to an object with no meaning except to gratify his desires."

研究が明らかにしたところによれば、サイコバスは人格の中心部に攻撃的ナルシシズムが存在し、それが人格の基礎をなしている。そうしたナルシシズムを除去できれば、サイコバスにはならない

"We know from the research that psychopaths have a core, aggressive narcissism that is fundamental to their personality. If you remove that narcissism, you don't have a psychopath."

 forensic psychologist J. Reid Meloy, The Psychopathic Mind. 

 

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Ted Bundy

 

 

精神分裂病が異常な猟奇殺人の原因となることは多いが、精神分裂病患者が犯罪を犯す確率は一般人のそれより遙かに低い。ただ、最高水準の精神医学でも患者の言うことを原則として全て事実としている点で、患者の危険度を測る客観的な尺度が現実には存在しない

(Ressler, Burgess, and Douglas in Sexual Homicide: Patterns and Motives

ramirez1.gif (29566 bytes)  

哺乳動物の脳の中では性欲・攻撃欲・食欲の中枢は、大脳辺縁系(感情反応を起こし制御する)・視床下部・間脳など脳の深い部分に接近して存在する。性ホルモンは中枢はその漏斗核にあり、性行動中枢はカハール核・視床下部中腹側核・灰白隆起にある。攻撃中枢は扁桃核にある。これらは相互作用を引き起こしやすく性衝動は攻撃欲動と結合しやすい。

 ただ人間は大脳皮質に「文化」が刷り込まれ抑制の仕組みが攻撃と性を分ける。文化には社会と家庭があるが、社会に抑制的な倫理観が希薄で、家族内に父性によるロールモデル(行動規範となる人物)と母性による愛が欠けている場合、抑制力は低下する。

 精神病であるという鑑定や犯人の責任能力を否定する仮釈放委員会の決定はしばしば悲劇的な結果を招く。

ルーカスの場合が典型的で、精神科医が正常という診断を下して仮釈放された後、10年にわたり殺人・強姦・強盗などありとあらゆる犯罪を犯した。精神科医の鑑定はほぼ全てが自己申告に基づいているため、Speckのように模範囚であって一見社会性を身につけ反省しているように見えると、安易に仮釈放されてしまうケースがしばしば見られる。ダグラスはこう言っている。

私の経験から言えば、こうした異常な犯罪者が治癒することはあり得ない                                (John Douglas, Mind Hunter)

 

心理的な抑鬱状態は副腎髄質ホルモンの濃度低下と密接的な関係があるとされる。

殺人者は社会の中で孤立しており、学生時代に親しい友人がいた者はほぼ皆無だ。

P.Mackayはヒトラーを全能の支配者として崇拝し、ナチスの制服を身につけていた。殺人とセックスは”支配”と結びついていた。

カトリックの司教を手斧で惨殺したのを始め、11人を殺害。脳に障害が認められた。

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Patrick Mackay

 

 人間の場合、食欲・性欲・攻撃欲の中枢が近い場所に集中している。遺伝学者アン・モア(犯罪に向かう脳:原書房)こういっている。

いらいらした少年達は、破壊的攻撃行動を起こしやすい。それはアンドロゲン分泌の量とかなり深い関係がある・・・・・脳内のレセプター部位に働きかけることができるアンドロゲンの量が攻撃性の尺度だ

男性がアンドロゲンを女性の20倍持っていることは、犯罪の85%程度を男性が占めるという全世界共通の現象をある程度説明できる。アンドロゲンは18歳をピークに次第に減少、ボディビルダーが使うアナボリックステロイドは、アンドロゲンより強力で、攻撃性・強い怒り・自殺衝動などが現れることがある。副作用は、ニキビ・睾丸の萎縮・脱毛、その他、声が低くなったり、12%は幻聴・幻想などの精神障害が起きることがある。

 

また、「セロトニン」という物質が人間の暴力的行動を説明するものとして学者の間で注目を浴びている。

感情主体で衝動的な大脳辺縁系を抑制するのは皮質の役割だが、セロトニンが減って両者の交流が妨げられると、人間の行動は感情的・衝動的になる。男性が犯罪を犯しやすいのは、健康で正常な人間の場合、男性のセロトニンは平均して女性の52%しかないからだろう。

奇跡の薬として有名なファイザーの抗鬱剤「プロザック」は、電気的接合作業を行うシナプスからニューロンがセロトニンを奪うのを阻害することで結果的にセロトニンの量が増える。

また、女性が妊娠した場合分泌されるプロゲステロンもセロトニンを増やす。なお、ピルはプロゲステロンとエストロゲンを混合したものであり、衝動抑制の効果がある。

また、アメリカで刑務所収容の代替策として使われているMPA(メドキシプロゲステロン・アセテート)は合成ステロイドの一種で、正常なセックスはできるが、勃起・オーガズムが抑えられたり、暴力的衝動を抑えるのに大きな効果がある。

一部で使用されている「クロムプラミン」もセロトニンがシナプスから除去されるのを防ぎ、活性セロトニンを増やす。

 

こうした脳内の化学物質以外に、脳自体の欠陥も暴力的性犯罪の原因として指摘されている。

大脳辺縁系や扁桃核に損傷がある場合、行動の抑制力は低下する。脳のMRI写真があれば87%の確率で暴力犯罪者の脳を識別できる。また、イギリスの脳神経学者エイドリアン・レイン教授がPETスキャン(ポジトロン放射断層撮影)で42人の死刑囚の脳を調査した結果によれば、前頭葉前部に機能障害があり実質的に活動していないことが明らかになった。元海兵隊狙撃手で13人を射殺したホイットマンの左側頭葉には腫瘍があった。

結論としては、危険な遺伝的性質、ホルモン異常、後天的な器質的障害に、外的ストレスや偶然が重なる場合、暴力的性犯罪者が出てくるということになるだろう。

なお、日本で現在、強制的に措置入院となっている精神障害者は、3500人程度だ。

 

 

 

放火癖(pyromaniaDSM-W:1994

1:二回以上の意図的で目的ある放火

2:その行為直前の緊張感・感情的興奮

3:火炎とそれによる状況に魅了、好奇心を持つ。

4:放火、火事の目撃、そこで起こった騒ぎへの参加によって、快感・満足・開放感を感じる

5:金銭的利益、イデオロギーの表現、犯罪の隠蔽、怒り・興奮の表現、生活環境の改善、判断の障害によるものではない

6:放火が、行為障害、躁病エピソード、反社会性人格障害で説明できない

 

 

境界性人格障害(ボーダーライン)DSM-W 301.831996

対人関係・自己イメージ・感情の不安定、著しい衝動性を特徴とし、成人期早期に発病、以下の内5つ以上に当てはまること

 1:現実・空想の中で見捨てられることを避けようとする気ちがいじみた努力

2:理想化・こき下ろしの両極端を揺れ動く、不安定な対人関係

3:同一性障害:持続的で不安定な自己イメージ

4:自傷の可能性がある衝動で、以下のうち2つ以上に当てはまる。浪費・性交・薬物乱用・無謀運転・無謀飲食

5:自殺の実行行為、そぶり、脅迫、自傷行為の繰り返し

6:感情の不安定(不快感・いらいら・不安が2-3時間継続)

7:慢性的空虚感

8:激しい怒り

9:一過性ストレスに関連する妄想的な解離性症状

 

 

精神分裂病

「世界保健機構(WHO)のICD10版(国際診断統計10版・1993)」


a. 自分の考えが声になって聞こえる、またはそれが他人に分かってしまう。自分の考えではない考えが頭に入ってくる。
b. 支配・影響される、あるいは抵抗できないという妄想が、現実に身体・四肢の運動・行動・感情に明らかに関連付けられているという妄想。または知覚妄想(直感的に非現実的意味付けを思いつく
c. 自分の事を話題にしている幻聴、または身体のある部分から発せられる幻聴がある
d. 宗教的・政治的身分、超人的能力といった不可能な妄想が持続している(例:天候を変えられる。宇宙人と交信している。)
e. 持続的幻覚が、種類を問わず、明らかな感情的内容を欠いた不動性妄想・部分的妄想・持続的支配観念を伴う。またはそれが数週間以上継続的に生じている。
f. 思考の流れに中断・挿入があるため、まとまりのない話し方をしたり、奇妙な新語を独創する
g. 興奮、常同姿勢・ろう屈症・拒絶症・昏迷(無動、無反応状態)などの緊張病性行動。
h. 著しい無気力・会話の貧困・情動的反応の鈍磨。
i. 関心喪失・目的欠如・無為・自分のことだけに没頭した態度、および社会的引きこもりのような顕著な変化

以下のうちどれかが当てはまる場合に分裂病と診断される
@ a-dに一ヶ月以上当てはまる
A a-dに近い症状が2つ以上あり、一ヶ月以上続く
e-iのうち、2つ以上が一ヶ月以上続く

 

 

 

精神分裂病

 

 

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