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みうらじゅん氏はかつて上京した折、古本屋をまわり、昔、親に捨てられたエロ本を買い漁り、それで集中的にオナニーをしたことがあるという。名づけて「思い出オナニー」だそうだが、それに近いことを今の私もやっておる。現在のDVD新作ラッシュの中で懐かしの洋ピンも多数リリースされており、こういうものを見つけると「おっ」とか云って手に取って、レジに向かってしまうのである。
当時の流行は《エマニエル夫人》に肖った「性の冒険もの」、そして、《イルザ》シリーズや《毛皮のヴィーナス》に代表される「SMもの」であった。精通したばかりの私は、もちろん、どちらにも興味があったが、とりわけて両者の要素を兼ね備えた《O嬢の物語》が大のお気に入りだった。主演していたのがコリンヌ・クレリー。彼女に恋した私は、彼女の出ている映画は《ホテル》から《007ムーンレイカー》まですべて見た。(それから、リチャード・キールと共演した《ヒューマノイド》も)。
本作もまたコリンヌ・クレリーの代表作である。アル中の亭主=フランコ・ネロとキャンピング・カーの旅をするクレリーは気狂い男を拾ったばっかりに悲惨な眼に遭う、という邦題通りの物語。夫の前で妻が犯されるッ、というクライマックスのために1時間も引っ張る。登場人物がほぼ3人という、随分と安い映画だった。最後にどんでん返しあり。
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