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2002.1.1 Tue.
『Orfeu』『Coffy』
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携帯の着信音で目覚めたら正午前だった。コートのポケットを探っている間に切れたけど、多分母が元旦朝のお屠蘇にも顔を見せない娘に業を煮やして掛けて来たのだろう。毎年のこととは言え、申し訳ない気がする。娘と外へ出るとお天気はやや薄曇りだが、寒くはない。初日の出は見られたのだろうか。
実家に戻るともう年賀状の仕分けが終わっていた。元々年始の挨拶を年内に書いて出すのに抵抗があった私は父を送って以来、届いた賀状にお返しするだけになったので年々数は減る一方だが、それでも何年も会ってない旧友からの年賀状を受け取ると、例え年に一度の社交儀礼でもとても嬉しく思う。自分からは出さないくせに、勝手なものだ。
とある社寺に行きたいと母が言うので渋々車を出す。そこは初詣ポイントなので車と人の混雑が予想されるので、ただでさえ混んだ所が嫌いな私は気が進まないのだが、年明け早々無下に断ることもできず、アッシー(死語)を引き受けた次第である。駐車場は勿論、周辺道路は渋滞していたけど懸念したほどではなかった。母を降ろしてそのへんを一周して戻ったら上手い具合に母をピックアップできたのでそのまま帰宅。出掛けに落ち始めた雨は上がったが、空気が冷たくなって来た。
娘と歩いて部屋に帰り、さすがに更新数の少ない日記に目を通し、CSN1の『愛と哀しみのボレロ』を見ながら日記を作成・更新して「帰れコール」が入ったので途中で断念して家に戻る。『ボレロ』は色んな人生が最後にパリで集約する一大タペストリーを描いた壮大なドラマ(実話らしい)が、私の大好きな作品のひとつである。あの曲を聞くと映画のラストシーンを思い出し、条件反射でウルウルしてしまうのだ。確か『テン』ではえちムードを盛り上げるBGMに使われたような気がするけど(アランフェスだったかも)、とにかく私には使えないことは確かである。
世界のトップアスリートを集めた超豪華な筋肉番付特番を見ながら夜ごはん。結局今年の元旦もお雑煮は食べず終いだった。毎年3が日で小餅1個食べるかどうかなのは日本人としてどうよ?と思うけれど、杵搗きのびょ〜んと伸びるお餅でなくなってから、お餅は好きでなくなったのだから仕方ない。私的にはぶつんと噛み切れるお餅はお餅じゃないのだ。それにしてもあのメンバーを集めるのに一体いくらかかったのだろう。プロ野球の0Bなぞどうでも良いが、室伏と南川の男前対決は良かった。
お風呂に入って自室に帰る頃にはかなり冷えて来た。強い西風に煽られて玄関ドアがガタガタうるさい。隙間風対策を考えねば。古い建物はこれだから困るんだよなぁ。ふと生まれた家を思い出してしまう。あの家も土壁で、とても風通しが良かったっけ。窓を閉めているのにカーテンがひらひらしてたなぁ。またそんな処に住むことになるとは思ってもみなかったが、娘と一緒に住める家があるだけでもヨシとして、もう少しマシな処に変われるよう、今後のことを真剣に考えて努力しよう。
【video:オルフェ】
リオの貧民街カリオカの丘に住むオルフェ(トニ・ガヒード)は音楽の才能に恵まれ、警察でさえなかなか手が出せない治外法権の"丘"のヒーローで、今年もカーニバル優勝を目指していた。カーニバルを数日後に控えたある日、母コンセイソン(ゼゼ・モッタ)は叔母カルメン(マリア・セイサ)を頼ってアクレ州から出て来たユリティス(パトリシア・フランサ)に声を掛け、グアナパラ湾を見下ろすベランダで作曲する自慢の息子オルフェを紹介する。そして彼は「夢で見た女性だ」と彼女に一目惚れしてしまう。
ところが"丘"の無法振りに失望したユリティスは何もしないオルフェを責め、彼は幼馴染みであり、丘の支配者でもあるルシーニョ(ムリロ・ベニーシオ)に"灰の水曜日"までに出て行くよう直談判する。それを機に二人は愛を深め合ったが、ルシーニョの部下はカーニバル当日にオルフェ抹殺を計画する。しかしTVで丘の住民たちのチームを率いる彼の姿を見て、ルシーニョは狙撃を中止させる。彼は彼なりに兄弟のように育ったオルフェを好きだったのだ。
ユリティスはオルフェとカーニバル終了後出て行くつもりだったが、丘に留まる決意をする。そこへルシーニョが現れ、過って彼女を撃ってしまう。「助けて」と懇願する彼女を見て一時は病院へ連れて行くことも考えたが、ルシーニョはユリティスの死体を丘から下へ投げ落とす。事実を知ったオルフェはルシーニョを射殺し、崖を下りてユリティスを探し、亡骸を抱えて丘に戻るが、悲しみで彼は既に正気を失っていた。
ルシーニョの名付け親であるパシェッコ巡査部長(ステパン・ネルセシアン)はオルフェを捕まえるために丘にやって来るが、オルフェは恋人ミラ(イザベル・フィラルディス)の手によってユリティスの元へ旅立っていた。広場にはカリオカ・チームのカーニバル3連覇をアナウンスするカリオカ放送が流れていた。
***** ギリシャ神話の竪琴の名手オルフェウスが毒蛇に噛まれて死んだ妻エウリュディケを黄泉の国から連れ帰る途中で「振り向いてはいけない」と言う冥界の王ハデスとの約束を破り、地上目前で振り返り、妻は冥界に引き戻されてしまうと言う悲劇を元に、現在のリオを舞台に再現された作品。『黒いオルフェ(1959年)』のリメイクらしいが、未見なので比較はできないけれど、二人の恋と背景の扱いが中途半端な気がした。
つまり丘の無法地帯振りはリオの現実問題なのだろうが、オルフェとルシーニョの確執があまり触れられていないのであるはずの深い友情や想いがはっきり見えず、二人の複雑な心境がいまいちわかりにくいのである。また運命の恋人ユリティスを失ったオルフェの悲嘆も薄っぺらな印象で、あのやや呆気無い幕切れでは感動の涙うるうるには至らない。尤もこれは私がハリウッドの過剰なまでのお涙頂戴脚本と演出に慣れているせいかも知れない。
オルフェを演じているのはレゲエ・バンドの現役ミュージシャンとかで、そこそこ神に愛されている"音楽の天使"っぽさはあるけれど、いっそのこと彼のビデオ・クリップに徹した方が良いような感じ。演技が軽過ぎるのかな。パトリシア・フランサは可愛かったけど。あの絵描き少年の役割もよくわからん。しかし圧巻は何と言ってもカーニバルのシーン。ねぶた祭りと仙台七夕飾りを取り合わせ、そこに竿灯祭りと花笠音頭が参入してもあのド迫力には適わないだろう。いや、いくら山車と集団ダンスとは言っても、比較対象にはならないのだが。 (1999年ブラジル映画112分)
【video:コフィー】
11歳の妹を麻薬で廃人にされた看護婦コフィー(パム・グリアー)は復讐のため末端の売人をショットガンで撃ち殺す。しかし需要のある限り密売人を始末しても無駄だと諭す幼馴染み警官カーター(ウィリアム・エリオット)が警察内部の買収工作絡みで暴漢に襲われたのを機に彼女の怒りは頂点に達し、麻薬ディーラーで売春組織のボスであるキング・ジョージ(ロバート・ドクィ)にジャマイカ出身の高級娼婦ミスティックと名乗って近付き、次いでラスベガスのマフィア幹部ヴィトローニ(アラン・アーバス)にも取り入るが、彼の部下に正体を見破られてしまう。
しかし驚いたことに、彼女の恋人で下院議員候補ハワード(ブルッカー・ブラッドショウ)も彼らの組織と癒着していたのである。コカインの過剰摂取で始末されそうになったコフィーは間一髪でその場を逃れて全員を血祭りにあげ、彼女を裏切った恋人の別荘に向かう。
***** 『ジャッキー・ブラウン』は見ていないのだけど、とにかく当時24歳のパム・グリアーのコスプレとダイナミック・ボディが何とも素敵な、タフな女を描いた痛快な作品である。何せ高級娼婦までこなし、ショットガンをぶっ放すナースが大活躍するのである。しかも見事なまでのその脱ぎっぷりには脱帽するしかない。ついでにオッパイがぼろぽろ出て来る徹底した観客サービスで、低予算ならではの娯楽性と言えよう。
でも背景にあるのはあくまでも白人優位社会の黒人問題で、そのあたりは本作製作からかなりの年月が経った現在でも未解決どころか、更に深刻化していると思われる。小薮がああまで中東情勢に躍起になるのは自国の利権の他にも有色人種蔑視が根底にあるような気がしてならない。米国にとって麻薬・人種問題はテロ以上に撲滅困難だろうが。
それにしてもアフロヘアにあんな使い方があるとは...迂闊に触れてはアブナイと言う教訓も含まれているのかも知れない。関係ないが、『グリーン・マイル』の「コフィー」もこのスペルだっけ。 (1973年アメリカ映画91分)
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大吉
運勢 今までにない大幸運期!財運にも恵まれ、人生の喜びを心ゆくまで味わえるであろう。
仕事 あたためていた計画を実行すべし。人脈広がる。
恋愛・結婚 運命の相手と、突然出会う可能性あり。
開運の鍵 ゴージャスなジュエリーや時計に身を包み、運をさらに上昇させるべし!
感想:元旦から初詣で見事「凶」を引き当てた方もいるようだが、こうもナイスな「大吉」が出ても何だか戸惑ってしまう私はよほど心配性、或いは疑り深いのだろうか。でも期待しておこう。信じる者は救われると言うから。
any comment please.
【you may say I'm a dreamer,but I'm not the only one】
遅ればせながら Shiroさんの"Island life"9/19より 世界の指導者たちへの請願 :The Petition (和訳)。 救援・援助ファンドは るなさん@"Lunar Magic" がリンクされています。 グローバル・ピース・キャンペーンも併せてご覧頂きたいと思います。
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