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遠くない将来、こうした実験が1000種類ほど行われた後には、生まれ来る子供達にびっしりと適性テストが実施され、本当の自分とかを求める余裕もないぐらい「あなたは〇〇にしか向いていません。これ以外の職業には就かないでください」とドーンと適性を宣告されるようになったりするだろうか。これを数世代繰り返すうちに、生まれによらず適性だけに基づいた新型のカースト制度が生まれたりするだろうか。
問題は、適性とそれに見合った雇用の確保がまったく別であることで、アーティストとかが5割を占めたりしたら経済がマントルまで沈降してしまいそう。それを防ぐために、苦肉の策でテストの結果にかかわらず1000人のうち999人は「あなたは奴隷に向いています。これ以外の職業には就かないでください」というねつ造された結果を渡すはめになったりして【畑の肥料のおれカネゴン】。
そうこうしているうちに、職業に過剰に適応した結果隕石とか落ちてきたときに機転が利かなくなってしまいそう。
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多くの人がお世話になったと思われる学研のひみつシリーズで、カネゴンの場合以下の記述が印象的だった【いつまでたってもおれカネゴン】。
当時は「こういう考え方こそ科学の真骨頂」という気がしていたのだけど、よく考えたらこういうのは科学そのものとはもう少し別の何かではないかとたった今思えてきた。これを何と呼べばいいだろう【おそらくツッコミおれカネゴン】。
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まったく関係ないのだけど、先月の日経サイエンスに、赤道直下の海面に生分解性の油を広範囲に撒布し、海水の蒸散を抑制することによって生まれたての台風の進路を変更するという研究についての記事があった。台風(に限らずこの手のシミュレーション)は初期条件に極めて敏感に反応するので進路の予測が難しい分、「それならいっそ初期条件をちょいと引っ掻き回すだけで進路を簡単に変更できるのではないか」というのが研究の動機らしい。そこまで思いつかなかった。しかも実験もかなりうまくいったらしい。そのうち進路に当たる国々で台風の押し付け合いになり、しまいには競って油を撒きまくり、ますますどこに向かうかわからなくなり、ブックメーカーが新しい種目を成立させるかもしれない。
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電子粉流体実用化間近か。経験上「間近」は10年を指していそう。