2005-06-28 チャイナ・オープン
CNOOCがユノカルを買うぞ買うぞ問題はまだまだ続く。金曜あたりから、これって日本の再来じゃないかぁあという声はあったのだが、今日もまた出ていた。ロイター、アジア班。でもって、ちょっとポリティカルに言ってみっか、みたいな。
China US asset buys not seen as replay of Japan's
日本とチャイナは違うよ、だって、日本はなんかあるとオレたちに適応しようって気があったんだよ、だってほらオレらって「核の傘」を提供してっからさ、でもチャイナはそうはいかないっぺよ、だそうだ。
"Japan was often ready to accommodate us when push came to shove, because we were providing them with a nuclear umbrella," he said. "We have to realize that the Chinese will have a different view of hardball American diplomacy," he said.
ま、当たらずとも遠からずではあるんだろうが、実際にはこの絵図は結構政治的な意図とお楽しみのようなものじゃないのか、など私は思ったりしている。
だって、なんてーか、結局は利益は株主のものなわけで、でもって資金源がどこだろうとそれは同じなわけで、でもって、フラッグシップがどこについていようと同じだ、という意味もあるわけだ。フラッグシップが日の丸だと絶対日本、ってのは日本に特徴的だったとさえいっていいかもしれなかったりもちょっとする。
そこらへんの事情がこの1文だろう。
hina, which is not now competing head to head with American industries, enjoys no such advantage in political circles, although China's relatively open economy gives it more sympathy among U.S. business leaders than the more closed Japan got.
http://news.goo.ne.jp/news/reuters/keizai/20050624/JAPAN-180415.html
いいことなんでしょうね、なんによらずオープンというのは、ええ、きっと。
つまりその、私たちが見ているのはロシアよりsophistcatedな何かなのかな、など思う。お金に旗たってる人と立ってない人の違い、みたいな感じ。
で、チャイナ国内ではおそらくこの話の枠組み内でアンチがいるんだろうなと思う。
...more to come, .....anything but sensational と思ったがとても面白かった。いいなこういうコラム。ブログみたい。
Yellow Peril Seeks Black Gold
http://www.forbes.com/home/energy/2005/06/24/unocal-cnooc-chevron-cx_da_0624topnews.html
■ 反グロ? 
そんなことを考えながらふと読んだ、梶ピエール先生のところの記事。梶先生を批判しているというのじゃないです、お読みになった論考についてまとめてらしたのでお借りしています。お気を悪くされることは必定っぽいことを書き出そうとしながらそんなことをいうのもなんですが、ごめんなさい。
http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20050623#p2
アメリカ型のグローバリズムに対抗する何かとしてチャイナを捉えるアプローチがあるらしいんですよ。驚いたことに(笑)。
これはきっとマニアのお楽しみアイテムなんじゃないか。だから余人がマジになってはいけない。マニアにしかわからないマニアの独立系で終わる何事かなんじゃないのかなど私はしみじみ考えてしまいますです。
皮肉はともかく政治的な意味、あるいは軍事的、派遣[覇権だってば]闘争的な意味でのライバルだ、アンチアメリカだ、反米だ、反中だ、というのならわかるけど、現在のチャイナとはストレートに考えれば単なるグロじゃないんでしょうか・・・。
しかも、プロフィッタブルなスキームを生み出している(たとえ体制がどうなってもいける)プロモーターみたいな感じがする昨今の動きを見れば、なんのかんのといっても足下の法律に引っぱりまわされるアメリカより、さらに自由でさえるかもしれない。だって、別に有権者の意見とかに左右されないし、なにより有権者の大多数はアメリカとの比較において、経済機構をよくわかってないようだし。
そしてその担保にown市場を差し出す、と。このバランスが、win-win関係ならいいんでしょうが、さてどうなることか、その時「人民」はどうするのか、みたいな話こそ、マニアでないチャイナ・ウォッチャーがすべき話であると、私が知る社会学的常識(そんなのないけどさ)は考えるわけだが、そういう方向性はとりあえず世界中のほとんどの国と地域に存在しない模様。
でもってその中を今日も不法移民が海を渡る、と。
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20050622D2M2200I22.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050624-00000012-san-int
米国労働総同盟産別会議(AFL・CIO)の貿易部長で中国専門学者のジェフリー・フィールダー氏も「中国政府は米国との覚書などで強制労働の生産品を輸出しないことを誓約したが、なおその輸出が続くだけでなく、外国企業が投資や技術供与で強制労働に関与することを奨励している。米国当局も米国内に大量に流通する中国の違法強制労働産品を真剣に取り締まっていない」と証言した。
まさしく反グローバリストが取り上げてきた話題だと思うんだが、違うんだろうか?
■ 中国経済革命最終章 
この本面白そう。
有名なかんべい氏の不規則発言から。
http://tameike.net/comments.htm#new
でもでも、チャイナを単なる市場とは思ってないっていうあたりが、よくも悪くも日本だなぁとか思う。で、そう考えながら、日本が「勃興」した時にはその市場、儲けの場さえあったりなかったりだったわけで(最終的に引き出したにせよ)、欧米の先発投資開発収奪機構組から見たら、なんだあいつら、みたいな感じはひとしおだっただろうなぁと思う。考えると面白くて仕方がない。
中国・大連 日本人学校の教材没収 「台湾」「尖閣」記述を問題視
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050628-00000000-san-int
中国大連市の大連日本人学校(那花国男校長、生徒数=小中学合わせ百五十九人)で、日本から取り寄せた社会科などの副教材十種百二十八点が、内容に問題があるとして大連税関に差し押さえられたことが二十七日分かった。
無茶苦茶なんですけど。
http://www.sankei.co.jp/news/050628/sei050.htm
大ばかもの。騒動を期待しているとしか思えない。do the right thing at the right time.
■ サイパンで両陛下が慰霊 
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050628i103.htm
不覚にも落涙してしまった。
yahoo(アメリカ)の写真コーナー。100枚ぐらいある。とても丁寧に追いかけてくれてうれしい。
今日は汚いことは言うまい。
# 地球市民 『このボーダレスの時代に国内の教育内容を決定できるのはその国の政府だけ、なんて考えてる中国は遅れてるなあ。これじゃ日本大使館のなかに学校設置するしかないのかもな。
日本の朝鮮学校対策(っていうのか?)がいかに先進的かって証明になる。』
# kaikaji 『拙ブログにご注目いただきありがとうございます。
>現在のチャイナとはストレートに考えれば単なるグロじゃないんでしょうか・・・。
おっしゃるとおりで、現在は政府も愛国青年もむしろ過剰なまでに中国のグローバル社会との一体化、およびその中での地位向上を希求しているといっていいと思います。その意味で「反日」=「反グロ」だといわれて一番迷惑するのは当の中国政府や愛国青年だと思うんですけどねえ。
関さんの本は、私からもオススメです。』
# Baatarism 『両陛下のサイパン訪問に関して、中国でこんな報道がされているようです。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20050628STXKC095728062005.html
中国は「一般の日本人民は戦争の被害者である」というこれまでの主張をかなぐり捨てようとしてるのでしょうか?少なくとも権力者の一部にそのような動きがないと、中国ではこんな記事は出ないでしょうから。』
# Soreda 『梶先生。コメントありがとうございます。チャイナ政府はともかく、愛国青年って日本の「反グロ」マニアの方たちが考えていることって、ほとんどまったく理解できないと思うんですけど・・・。理解できないけど結論が反日だからまぁいいかと。この極端な形がSコリアで既に水面をあがって見えちゃったみたいにも思いました。帰るべき北朝鮮がないと嘆く人に誘導されてどうすんのよ、と。テーマは違うのですがマニアが何かとんでもないことをしていると思ったりする今日この頃です。ご本は是非手に入れて読みたいと思います。またどうぞよろしくお願いします。』
# Soreda 『Baatarismさん。その記事夕べみたんですけど、でもほら、口汚いことはやめようと思った矢先だったので控えました。「一般の日本人民は戦争の被害者である」って、とっくの昔に消えてないですか? というかある種日本側の誤解だったのではないか(もしくは誘導かもしれないですが)という説があるようですが、まぁ当たらずとも遠からずだったのではないでしょうか。』
# Soreda 『地球市民さんというお名前からいけばそう認識されたくないでしょうが、ボーダーは常に一定に高いものと私は考えています。住んでいるいる国に対する礼を失わないためにも。』
# Baatarism 『まあ「悪いのは一部の軍国主義者で、一般の日本人民は戦争の被害者である」というのは中国にとっては建前でしかないんでしょうが、中国が靖国神社のA級戦犯分祀を求める理由として使われている理屈でもあるんですよね。中国がこの建前を否定してしまうと、A級戦犯を分祀しても首相は靖国に行くなと言うことになってしまい、日本の保守派の主張が正しいことを自ら証明してしまうことになるので、結構大きな対日政策の転換かなと思うんですよ。』
# Soreda 『ども、Baatarismさん。そういう理屈でいくなら、「愛国無罪」行動が容認された時点でアウトだと思うんですけど。つまり、過去の特定の人々ではなく、今生きている人、まぎれもなく一般の日本人を巻き込む行為を行ったということです。ついでにいえば、それ以前にも、既に個別の日本人(生きてる一般人)を、日本人であるがゆえに「糾弾」している、その傾向を推進した(愛国、反日教育によって)時点でもアウトかもしれませんが。』
# Baatarism 『Soredaさん。確かに「愛国無罪」行動との共通点はあるでしょうね。
結局、愛国反日教育を続けた結果、日本人は今も昔もみんな悪という認識が生まれてしまい、国交回復以来の建前を押し流しつつあるのが、今の状況なんでしょうね。』
# Baatarism 『ぺきん日記さんで、両陛下のサイパン訪問に関する中国側の報道が紹介されていました。
日経が伝えたような過激な報道だけではなく冷静な報道もあるそうなので、権力層内部でも意見が割れているのでしょう。
http://beijing.exblog.jp/3039214』
# Jonah 『俺が書いていいのかどうかわかりませんが、権力層内部っつーか、批判的な記事を載せてるのは大衆紙だけみたいです。「ぺきん日記」さんが紹介されてる冷静な報道はCCTV、新華社、国際先駆導報(新華社系列)の国営メディアと、外交部記者会見ですね。』