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タロウの主人によると、別居している息子さんが飼っていたタロウの片割れが病弱なので、元気が余っているタロウとしばらく交代させることにしたのだという。タロウのことだから、どこでもタロウらしくやっているんじゃないかと思う。 明日から二週間、ヨーロッパへ行く。予定通りなら二月二十日に帰る。今回の旅にはパソコンは持って行かない。もどってからまとめて書く。 日記のかたちで文を綴り始めてから、四年と四ヶ月が過ぎようとしている。人に読んでもらうのに足りない筆力を補うのに、年のわりに稚拙な魂の歪のおかしみと、霧の中を彷徨う同朋たちの共感に縋っていたように思う。けれどもそれももう、難しい。 波の音をききに、夜の海へ行った。いい音だった。水平線のあたりに漁り火がゆれていた。砂浜はやわらかだった。 五十年書き続けるとしたら、まだ十分の一の時間も経っていない。仕上がった文章が佳いものだと納得させることができるのは自分しか有り得ない。年を重ねるほどにその目は厳しくなっていくので苦しいこともあるが、五十年もあれば、と思う。焦っても仕方がない。 なにか、見つけてきます。 それでは、また。
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