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セカンド・カップ はてな店 - 面舵一杯
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2005-12-30 面舵一杯

光陰矢の如し、とサラで打ったら変換された。へぇ

なんにせよ、冬至もすぎたのであとは夏に向かうだけと自分に言い聞かせながら寒さをしのぐ今日この頃。とはいえ今年の年末トロントは基本的にはかなり暖かい部類のようで、現在気温2度。体感でマイナス2度ぐらいの模様。2週間ぐらい前にマイナス15度レンジの時節があったので、それにあわせた身体の作りをしている人々(私もだが)にとっては、急に何だか温くなって何を着たらいいのか困る期間となった。ここで油断をすると風邪をひく。


なんども書いているように、マイナス10度以下になると菌も死ぬから風邪も糞もないのに対して0度近辺になると、じめじめして風邪をひく、というのがここのコンセンサス。最初はそんなのってありかぁ?と思ったものだが、次第に、それってホントかもと思うようになった。ただし、マイナス10度以下の極寒レンジ風邪(というか、体調を崩すとというべきか)をひくと、直るに直せなくなるというリスクもあるけど。


と、それはともかく、月日の流れは速いもので、そうかここから1年なのかなどふいに思い出したのは、去年の終わりの記事。


2004-11-24 TIMESアジア版:アジア奇妙なカップル

http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20041124


2005年の大きな話題の1つはチャイナの「反日」もので、その具体的な、ある種の検証みたいなものはこの春のいわゆる暴動騒ぎによってもたらされた格好になったが、それを遡ること約半年前に、TIMESのアジア版が日本チャイナの関係についての結構大きな記事を出し、この中に、チャイナにおける反日教育が取り上げられていた。反日教育をしているとは以前から言われていたものの、日本国内を含むチャイナ以外世界ではあまり信じられてはいなかったか、あまり話題になっていなかったかそのどちらかだったかと思うが、このあたり(この記事がきっかけだったとは言わないが)をきっかけとして、そうか、そうなのかとなっていったかと思う。


対外的には、これ以降、あるいはその反日騒ぎがあったおかげで(そして靖国が続く限りにおいて)、日本過去チャイナという大陸において芳しからぬことをやった、しかしそれっきりってことはなくて、つまり謝罪を含む反応をしており、さらに、極めて大きな資金を出して経済復興なりを助けているという話が何度も語られた。(むしろ、日本では語られていないといってもいいかもしれないぐらいかも)


それから一年


扶桑社教科書の不採択運動 中核派、深く関与

http://www.sankei.co.jp/news/051227/sha024.htm

警察庁は、扶桑社教科書採択阻止について、中核派が(1)イラク問題(2)「日の丸君が代」問題(3)東京都議選−の「三大闘争」と同等に重視したと分析。「『つくる会教科書採択に反対する杉並親の会』と共闘して、市民運動を装いながら、杉並区役所の包囲行動、同区教育委員会への抗議・申し入れ、傍聴等に取り組んだ」と記述した。


公安警察がどう言っているかはともかく、ある特定の人々がこれらの問題を常に「リード」しているようだというのは、ある程度普通に感じられ、あるいは推論されてきたことだっただろうと思う。だからある意味で、今さら書くことでもないような気さえしてしまうし、公安警察に言われないとわからないことでもなかっただろうよなど言いたいものもある(こういう組織に過度に従順になる態勢は私にはない。付かず離れず)。それが、まぁ、そういうことだったんだなと落ちて行ったというのは、この1年の国内的な整理か。



上海総領事館員が昨年自殺、「中国が機密強要」と遺書

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051227i401.htm


で、外務省が抗議をしたよ、というのが明らかになったところで、

外務省ウィーン条約に違反と中国を批判…館員自殺

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051228i114.htm


AP伝。

China Slams Japan Over Suicide Allegations

http://www.forbes.com/business/businesstech/feeds/ap/2005/12/29/ap2418747.html


China accused Japan on Thursday of "vile behavior" for blaming the suicide of a Japanese diplomat on Chinese agents, setting off a new round of tensions between the Asian rivals


そういう嫌疑をかけるのは不道徳だとチャイナ様が怒っているというところで2005年は終了となるのだろうが、来年は大変な年になるんじゃまいかと思わずにいられるネタはほぼない。


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で、そのチャイナ動向で最も気になったのはこれ。


中国農民、2600年ぶり“年貢”から解放

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20051225i112.htm

北京藤野彰】中国で1958年以降約半世紀にわたって施行されてきた「農業税条例」が、9億農民の経済負担を軽減するため、来月1日から全面的に廃止される見通しとなった。


記事からは詳細がわからないのだが(私には、だが)、これはつまり別に農民がタックス・フリーになったという話じゃなくて、地租に対しての税金じゃなくて個人の収入に対するお金になりましたという意味だろうか? でもって、それは地方税からチャージされる、など思ってみたりもするんだが。あくまでこの件に関する私の知識は限られているのでなんともいえないのだが、なんというか、これってあのそので、農民が現金収入を得るしかない状況にさらに拍車がかかる、移動を推進する、しかし都市部を中心とした社会組織は農民分をカウントしてません、さあどうしましょうかになる、とこういうことか?


そのチャイナの農民に関しては、昨年禁書になったとかいうふれこみの「中国農民事情」という本があちこちのブログで言及されているのを見た。


中国農民調査


欧米圏は、今年は毛沢東本でおなか一杯だろうが、これと組み合わさった時、人々のチャイナに対するイメージはどういうものになるのかなと、ひとごととはいえ恐ろしいものがあったりはする。欧米人にとってチャイナとはマーケットであってそれ以上でもそれ以下でもあった時はないと言って言い方と思われるんだが、されここから抜け出す人はいるのか、それともこれだけはこのままなのか、そのへんも2006年の注目だなと思う。


それはともかく、あらと思ったのは、

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上



この本のカバーはずいぶんとおとなしい。ユン・チアンの本の(つまり下の)インパクトがない。

私がそこらの本屋で見る、つまり欧米人にとっての「知られざるマオ」とは、この形だ。どうしてこのカバーではいけなかったのだろうか。 

また、なんで「マオ」なの? 日本語だったら、毛沢東で決まりではないのか? 遠慮? 誰に?

Mao: The Unknown Story



<参考>

農業税撤廃についての記事。

(1) ロサンゼルスタイムス発信ベース

Rural residents long have complained about a system that requires them to pay the tax no matter how much they earn from farming, or even whether they are tilling their land. The tax is determined by how much land a family is allotted, regardless of how productive it is. Rural residents who move to the cities but still have farmland also must pay.


Urban residents receive better education and medical services. The health-care system in the country is near collapse. On average, farmers die five years sooner than urbanites.

http://seattletimes.nwsource.com/html/nationworld/2002711273_china30.html


(2)APベース

The lack of security prevents farm families from using their land as collateral for bank loans. And it makes many reluctant to invest much in land that could be seized at any time by local officials keen to sell the land use rights.

http://abcnews.go.com/Business/wireStory?id=1451528&page=2


<参考2>

Mao: The Unknown Story のイギリス版(だと思う)。

表紙を見比べてみよー。

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/0224071262/203-8697414-7932711


このページを見ていたら、Maoを買った人はこんな本も買ってますの欄に、

Generalissimo: Chiang Kai-shek and the China He Lost?

というのがあった。蒋介石と彼が失ったチャイナ、と。いい組み合わせだ。ちなみにこの本もイギリス版は下の表紙(これははまぞうから取った)とは違うようだ。

Chiang Kai Shek: China's Generalissimo And The Nation He Lost

Chiang Kai Shek: China's Generalissimo And The Nation He Lost

# kaikaji 『こんにちは。中国の農業税についてはわかりにくいのももっともかと思いますので、大づかみに説明します。例えば先進国では農民も他の産業従事者と同じく所得税や流通段階でかかる付加価値税などを支払っており、農業特有の税金は存在しません。それに対し中国では、農民は基本的に所得税などが免除される代わり、土地ごとの平均的な生産物にかかる3%の税金(農業税)を負担する、という仕組みになっていました。問題はこの農業税に控除の仕組みがなく非常に逆進性が高いものであったこと、中央が定めた税率に上乗せして地方が恣意的な付加税を課すなどさまざまな税以外の負担金を徴収する傾向があったことです。このため都市住民よりも農民の実質的な税負担ははるかに高いものでした。それに対し、数年前に第一段階の改革として地方の恣意的な負担金徴収が廃止され、今回第二段階として農業税の撤廃が行われるわけです。将来的には農民も都市住民と同じく所得税を支払うことになるのでしょうが、現段階では所得が基礎控除以下の農民がほとんどであり、しばらくは大部分の農民が実質上税フリーになるのではないかと思います(この点はちょっとはっきりしません)。問題はもともと農業税への依存度が高かった地方の財源をどうするかということです。基本的に補助金でまかなうと言っていますが、そのための代替的な収入を本当に確保できるのか、もう少し様子を見ないとなんともいえません。』

# kaikaji 『それから、『マオ』のアメリカ版の表紙は確かにインパクトが強くナイスですが、最初に出たUK版の表紙はそれよりずっと地味なものでした。日本語版が出たのはアメリカ版が出てから1ヵ月後くらいですので、アメリカ版が出たときおそらく表紙のデザインはすでに決まっていたのではないかと思います。』

# Soreda
梶先生、こんにちは。ご説明ありがとうございました。
「土地ごとの平均的な生産物にかかる3%の税金(農業税)を負担する」というのは、他の産業従事者と異なっているとおっしゃる通り、現実の生産高ベース(つまり収入ベース)ではなくて土地ごとに定められた平均(とかなんとか)に対してということなわけですね。上で参考にあげた(1)の記事ではそれを、不耕作でも払うと表現していましたが、私はこの記事の正しさを知らないわけですが2600年ぶりの年貢が終わるということはまんざら誇張とかでもないのかななど思って読みました。驚いても仕方がないことですが驚きましたし、ここからほんとに大変だなと改めて思いました。
 また、先生ご指摘のような、地方の恣意的な徴収というのも相当問題みたいですね。中央が農民に対して実質タックスフリーにしてその間に教育や社会保障の農民版を整えようという意図があったとしても、地方ごとの権力主体というのかなんというのかという人々の動向はかなり懸念されるもののように思えます。地方の財源とはつまり地方のエライ衆の財源でもありそうですから、なおさらシビアな問題になるのではないのかと・・・。』

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