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2000-10-01
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日曜午後は母校で「あけてくれ」個人練習を黙々と行った。ピアノ室を借りるのに手間取った。1000円の証紙が必要で、たった一台しかない証紙の自動販売機は故障していた。仕方なく持っていた健康保険を人質にして部屋を借りる。基礎練は最低限に押さえ、ひたすら曲の練習。

NHK特集「ナチスの幹部たち」のビデオをM1号より借りる。ありがたきことです。アウシュビッツで面白半分に人体実験を行った医者がテーマ。白土三平の「赤目」実写版。想像力より現実が上回るとはこのことか。

夕方、国勢調査のおばさんが来る。とんとんと扉をたたくので、すかさず「国勢調査ですか?」と呼ぶとずばり正解だった。アパートの1Fに人が住んでいるかどうかを尋ねられた。少なくとも2世帯はいるはずなんだけど。

愛して止まない岸田森だが、当然のことながら一般への認知度は極めて低い。演技に対する情熱と技術は本当にすごいのに、彼ががんばればがんばるほど、特撮ファンしか反応しなくなってしまっていた。岸田森は、特撮ファンのリトマス試験紙として統計的に有意であり、試験される人が自覚的であるなしにかかわらず潜在的に特撮ファンであることすら検出できるほどだ。

彼が亡くなったとき、その知名度と裏腹に大物スターが続々と葬儀に詰め掛けて、思わずワイドショーで特集されたということもあったらしい。そんなことでもなければ彼を知ることもなかった人の方が圧倒的に多いのが自然だろう。演技についてはド素人のカネゴンだが、何と言うか、これほどの技術を持ってしても、絶対に一流になれない「何か」があったのだと思う。それだけに晩年の岸田森は痛ましい。

この人は、本当は半端でなく不器用だったのではないか。健さんの「不器用ですから」の比ではない、普通に生きるのにすら差し障りがあるほどの不器用さ。なぜか客の目を惹くが、芝居全体をぶち壊しかねない行動に出てしまうデンジャラスな存在という意味では、実は左 朴全に近かったのかもしれない。彼らは、したくてぶち壊すのではない、本当にそれしかできないのだ。

秋の夜長にふさわしく、ちょっとしんみりしてみました。