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ringo's weblog (2004)


(2004年12月26日日曜日)
読書の記録
私はここ3ヶ月の間、読んだ本をすべて記録している。
blog、マンガ、雑誌、ムック、新聞などではない、2〜300ページぐらいの
まとまった内容の本に限ると、だいたい週に2冊ぐらいを読むことになる。
ということは、大体年に100冊程度ということになる。
5年間で500冊、死ぬまでに5000冊だ。これは少ない。
今の生活パターンを変えたり、速読を覚えたりしても、
この冊数は1〜2万ぐらいにはなっても5万とかにはなりそうにない。
なぜならば、たとえば「生成文法の企て」とか、「ものが壊れるわけ」
とか、ある程度以上深い内容の本は、読んでから完全に消化されるまでに、
2、3日が必要だからだ。速読を覚えたとしても、
概念理解がそれほど早まるとは思えない(と速読経験者は語っている)。

読書速度も測った。だいたい100ページあたり1時間である。
難解な本だと、その半分ぐらいになる。だから、私はおよそ一週間に、
4〜6時間程度を読書に使っていることになる。少ない!!
ちなみにきのうの夜モーニングを読んだときは、20分かかった。
100ページ分ぐらいを読んだので、本の3倍速ということになる。意外と遅い。
遅い理由は、カバチタレが含まれてるからかもしれない。
(子供時代、ヒマをもてあましているときに、週に5冊ぐらい読んでおけば、
小学校〜大学で3000冊も読むことができる。こういう風に数字にすれば、
学生時代にたくさんの本を読んでおくことの価値を説明できるなあ・・・)


さて、私は、いろいろな分野を総合するような仕事をしたいと考えているが、
分野の数は5000よりも多いから、それぞれの分野を深く掘り下げるような本を
ひとつひとつ読んでいくわけにはいかない。
だから、総合的な知識を得るためには、

* 読書時間を増やす
* 読書速度を向上する
* ほかの人に読んでもらって教わる
* 飛ばし読みをする
* できるだけいろいろな分野をまたぐような、総合的な内容の本を選ぶ
* できるだけ多くの分野の基礎になるような、根本的な内容の本を選ぶ

といったことをやっていく必要がある。
私は、書く作業や考える作業に多くの時間を当てたいので、
自分の読書時間は週に10時間以下で良いと考えている。
また、あたらしい言葉や概念が出てくる本は速読できない、
という速読経験者の談から、「本をいかに選ぶか」が最重要になってくると考えた。
だから現時点では、新しい言葉や概念がたくさん出てくる、より総合的で、
より根本的な内容の本を厳選することによって、読書効率を最大化するのが
良いということになる。しかしまだ問題がある。
これから死ぬまでに読むほとんどの本は、現時点ではまだ書かれていないのだ。
だから、すでにある本のライブラリから厳選することを誰かに頼むこともできない。

ということで、面白い本を将来選んでくれそうな友達を増やすことや、
面白い本を将来自分で選べるようになるための情報を貯めておくことが必要だ。
しかしここでもまた問題がある。ふつうに友達に頼むと、近くて重複している
分野の本に偏りがちなのだ。総合的な勉強をするには、適度に離れている人に
頼んだほうが良いはずだ。
適度に離れている人が注目していることを知るには、友達の友達が注目している
ことに注目してみるのが良いかもしれない。
友達の友達に対して、最近面白いと思った本について、
意識的に聞いてみる実験をしてみよう。


(2004年12月25日土曜日)
gumonji日記
私は、gumonji のデータベースを調べていた。
データベースの中には、約5600の日記と、約900のコメントと、約12000の写真があり、
テキストの合計量は2MBであった。
この量を単行本に換算すると、約4冊に相当する。
私は、これは読める量だと思った。
テキストを読みやすくするためのツールを作り、
合計10時間ぐらいを使って、すべての日記を読んだ。

日記の内容は、私が想像していたものよりもはるかに濃いものだった。
今回は5600個の日記を読むのに10時間かかったが、
それほど複雑でないツールを使ってうまく日記を選べば、
300個ぐらいに絞りこむことができそうだ。
すべてを読む中で、いくつかの事を考えたので、ここに書いておく。

1) 人数が増えても、日記に含まれる情報量は、
日記を書いている人数に比例して増えることはない。
それはおそらく log(人数)に比例する。

2) 日記に含まれる重要な単語を検索してスコアをつけることによって、
かなり効率よく絞りこめるかもしれない。

3) 日記を書く人が、自分で自分の指向性をあらかじめ設定しておくのも良いかもしれない。
たとえば、今回日記を読んだ限りでは、以下のような類型ができたが、
日記を書く人が、以下の情報を、自分のプロフィールに設定できるようにする。

N/R = Natural / Roleplay = 90% / 10%
F/L = Follower / Leader = 80% / 20%
I/O = Inside system / Outside system = 70% / 30%
C/A = Conservative / Progressive = 60% / 40%

以上の情報を使って絞りこみを最適化する。


4) 日記を書くときのヒントを豊富にすると良いかもしれない。
たとえば以下のようなものを組みあわせる。
* 日記のタイトルに絵文字を選ぶ。
* 2chのAAのようなものにテキストを埋めこむ。
* 空欄を含むテンプレートの文章を使う。
* 日記の種類を選択できるようにする(アイデア、不満、要望、報告、お知らせ など)。


5)頻度や回数などの情報も、もちろん使える。


開発チームが、すべての日記に実質的に目を通し続けることは、
それほど不可能なことではないのかもしれない。

最後に、私は、今回の記事をniftyの自動翻訳の結果がほぼ完璧
になるように調整しながら書いた。
いかがだっただろうか?



----- 以下は、自動翻訳の出力。  -----

I was investigating the database of gumonji.
About 12000 photograph was in the database with about 5600 diary and about 900 comment,
and the amount of sum totals of a text was 2MB.
When this quantity is converted into a book, it is equivalent to about four volumes.
I thought that this was the quantity which can be read.
The tool for making a text easy to read was made,
about a total of 10 hours was used, and all the diaries were read.
A tool is here.
The contents of a diary were far deeper than what I was imagining.

Although it took 10 hours to read 5600 diaries this time,
if a diary is well chosen using the tool which is not so complicated,
it narrows down to about 300 pieces.
Since some things were considered while reading all, it writes here.

1) Even if the number increases, the amount of information included
in a diary does not increase in proportion to the number which is
writing the diary. it -- probably -- It is proportional to log (number).

2) By searching the important word contained in a diary and
attaching a score, it may extract quite efficiently and may put.

3) It may also be good that those who write a diary set up
their directivity beforehand personally.
For example, although the following types were made as long as
the diary was read this time, those who write a diary enable it to
set it as their profile.

N/R = Natural / Roleplay = 90% / 10%
F/L = Follower / Leader = 80% / 20%
I/O = Inside system / Outside system = 70% / 30%
C/A = Conservative / Progressive = 60% / 40%

It optimizes narrowing down using the above information.

4) It may be good to enrich the hint when writing a diary.
For example, the following is combined.

* Choose a pictorial symbol as the title of a diary.
* Embed a text at a thing like AA of 2ch.
* Use the text of the template containing a blank.
* Enable it to choose the kind of diary
(idea, dissatisfaction, request, report, and information etc.).

5), of course, information, such as frequency and
the number of times, can also be used.


It may not be so impossible for a development team to continue
looking over all diaries substantially.

I wrote to the last, adjusting this report so that the
result of the automatic translation of nifty may become nearly perfect.

How was it?

----- The following is the output of automatic translation. -----


(2004年12月11日土曜日)
someone keeps stealing my letters
毎度のことだが、TerraNovaで、こんなFlashのページを見つけた:
Someone keeps stealing my letters(Safariだとうまく動かないので注意)

いろんな意味で仮想世界の設計に示唆を与える面白いページだ。
この仮想空間には、限られた矩形の空間と、約200個のアルファベットがあるだけだ。
それぞれのアルファベットの位置を、誰でも任意に変更でき、
それがリアルタイムに反映され、その変更がずっと後まで残る。

ユーザーは、フィールドの端にある文字を集めたり、
文字をならべて単語を作ったり、おなじ色の文字をあつめたり、
思いのままに自己表現をする。あるルールにもとづいて動く仮想空間に対して
操作を加えていく自分の基本的な構造はgumonjiと同じだ。
たまたま数十人が意気投合して、すべての文字を一箇所に集めてしまうときもあるし、
荒らし問題も規模は小さいがよく起きる。
ネーミングもまた絶妙だ。

このサイトでは、文字の数を変えたり、フィールドのサイズを変えたり
いろいろ実験がおこなわれていて、
それによってどう動きが変わるのかを考えているようだ。
たとえば文字が少ないときは荒らし問題が起きやすくなるし、
フィールドが狭すぎると、自己表現の余地が少なすぎて面白くないだろう。

マルチユーザー仮想空間を単純化し、その制約条件を
いろいろ変えていくとどうなるか、考えをめぐらせると面白い。

このFlashとgumonjiとは、
* アバター表示があるかどうか
* 世界の物理的サイズ
* 世界の多様性
* 一度に見える範囲の比率(gumonjiは1000分の1程度)
* ほかの通信手段(チャットなど)の有無

などの点でかなり異なるが、ここでの実験の結果が、
gumonji のテロ対策の方法を考えるときに、
何か参考になる情報を与えてくれるかもしれない。

(2004年11月26日金曜日)
ゲーム開発者の生活の質
私は IGDA というグループに参加しているが、
たまに Open Mail という書簡が届く。
最近届いたのは、 "Quality of Life Issues are Holding Back the Game Industry"
というタイトルで、ゲーム開発者の生活の質が悪いと業界が衰退してしまう
という話だ。これには反論の余地はなく、開発会社の経営者の共通の課題として、
経営者同士で会うときには、かならず話に登る。

今日はこれについて考えた。

たとえばオンラインゲームの開発と運営において、
24時間運営で土日祭日はちゃんと交代制とし、ユーザーからのメール返信を48時間以内に返し、
かつゲーム内容もちゃんと発展させていきたい場合、1日8時間労働で
夜間・休日勤務の手当てなどを文字通りまじめに実行すると、
まずそれが可能な企業は日本に数社しかない(年商100億円以上のゲーム企業)。
それらの大企業においても、ゲーム開発者、メンテナの労働時間は、
朝10時から終電、泊まりこみはあたりまえなので、もしかすると「正しい労働環境」
を文字通り実現できる会社は存在しないのかもしれない。

ゲームに限らず、すべての職場において仕事ができる人のところに仕事が集まる
のは当然なので、仕事ができる人が不足している業界では、
仕事ができる人が終電で帰るのは、仕方のないことかもしれない。

今後は、「プレイヤーの時間を大量に奪うゲーム」からの脱脚ばかりではなく、
「開発者の時間を大量に奪うゲーム」からの脱脚にも挑戦しないといけないが、
実は、プレイヤーの時間を大量に奪うゲーム内容が、開発者の時間を大量に奪う
原因になっているように思う。
こう考えればよい。つまり、プレイヤーのいちばん大事な財産である「時間」を「お金」と
言いかえる。さらに、ゲーム運営会社を「銀行」と置きかえる。
ゲームをプレイすることは、銀行にお金を預けることに等しい。
プレイヤーがたくさんのお金を銀行に預けるほど、銀行は、高レベルな
サービスを提供する必要が出てくるのは当然のことだ。
巨大な資金を受けいれる会社は体力が必要なのだ。

こういう事から、小さな会社ほど、「1日10分だけやるゲーム」みたいな
方向性を目指すべきだということになる。
小さな開発会社と大きなパブリッシャーが組んで販売する場合でも、
コア部分の改善作業を小さな会社が担当している限り、
仕事ができる人に仕事が集まるので、やはり、1日10分モデルにすべきである。

もちろん、短かい時間でもたくさん楽しめる内容が必要だが。

まだまだ課題が山積みだ。


(2004年11月18日木曜日)
ボトルネックの解消法
コミュニティエンジンでは自分の処理能力がボトルネックになっていることは明白なので、
何とかしてそれを解決しなければならない。
その考えのもとに、自分の仕事をどういう風に最適化するか、ずっと考えていた。
まず、自分の仕事を、内容で分類しようとした。
たとえば、取引先と打ち合わせをする、プログラミングする、技術指導をする、仕様を書く、
契約書の内容を確認する、予算計画をたてる・・・・
しかし、「仕事の種類」で分類しようとしても、いまいち、解決策は見えてこなかった。
そこで、今度は仕事を、内容(横)ではなく時間の方向(縦)に切ってみた。
すると、多くの仕事、特に問題解決型の仕事については、
以下のような段階に分けることができた。

1)問題発見
2)問題について情報収集
3)解決方法について、選択肢を作る
4)選択
5)選択結果を、関係者に説明、共有
6)実行/行動→次の問題発生、1へ

良い選択肢のセットがあれば、4)の選択は非常に高速にできる。
段階2)と3)は、かなり時間がかかるので、その部分をうまく
自分の外に出すことができたら効率は向上するはずだ。
私の部下にあたる人や、グループが2)と3)をやることになるが、
2)と3)を絶妙に調整しておけば、私がする4)の判断を、
かなりの程度にまでコントロールできる。つまり、
間接的に意思決定に参加していることになる。
こういう参加方法は、とても効率が良いと思うし、健康だとも思う。
私の役割は、自分で2)や3)をやるのではなく、
部下が2)や3)をうまくできるように誘導することだ。

そうやって選択肢を作るのが上手くなってきたら、
4)も自分でできるようになるだろう。
当面はこの方式で最適化してみたい。

この話を友達にしたら、「ホリエモンのやりかたみたいだね。」
と言われたが、そうなのかな?
極限に忙しいと、自然にそうなってしまうのかも。。

(2004年11月04日木曜日)
大統領選挙
ブッシュ大統領が再選された。

今回の大統領選挙を見て、代議制が有効なのかどうか、
ということに疑問を抱く人は多いはずだ。
人間の数がまだ少なく、人間が使うコミュニケーションツールの性能や、
センサー(観測機器)の性能、計算能力も低い時代にできた
代議制のしくみは、限界に来ているのではないか?

最近はそういうことを考えていくためのツールがだんだん揃ってきているので、
ひとつづつ、明らかになっていくことだろう。楽しみだ。


(2004年10月30日土曜日)
GNE が中止

そろそろサービスが始まっているかと思って、久しぶりに Game Neverending のサイトを見て驚いた。
Ludicorp は、Flickrが忙しいというのが理由で、GNEを止めるのだと。
しかも、止まる前にログインしようと思ったのになぜかつながらない。
Flickrが一段落したら復活するのかもしれないが。。うーむ。
楽しみなことがひとつ減ってしまった。



==

今日は雨だし、体力を回復させるために本を読もうと考えた。
「生成文法の企て」 を読みはじめたら、面白すぎて午後をつぶして読んでしまった。
脳に生まれたときからなぜか計算機能がそなわっていて、
それが数を扱う能力と言語能力の獲得に直結しているという発想について、
こんなにものすごく考えてる人がいるとは知らなかった。
無知とは、もったいない事だ!

ひとり喫茶店で、雨と風の音を聞きながら本を読んでいると、
すくすくと体力が回復していくのがわかる。
何となく、読書中に、心拍数をはかってみた。たぶん70ぐらいだった。
楽しさのわりに、心拍数が低いと思った。
心拍数が高いとストレスも強いと言うが、読書をして知識を得るのは、
ほかの人と会話をして知識を得るよりも、心拍数が低い状態が長く続く分、
体力が回復するのかもしれない。
単純に、雨の日だからかもしれないけど。
子供のときから、よく晴れた日は、すこし恐かった。
このまま晴れが続いたら、すべてがパサパサに乾燥して食べるものがなくなり、死ぬ。
といつも考えていた。雨が降ってると、すぐ死ぬことはない、と思える。
日本では、(人間が)死ぬほど雨風は降るけど、(人間が)死ぬほど晴れることは、
もうないのだろうな。

==

いまは、自分のやるべきことのほとんどが、
ほかの人や組織とのコミュニケーションだ。
それは平日の昼間に進む。
はやく月曜日が来て、はやくコミュニケーションをして、はやくものごとを進めたい。
そういうことをかんがえると心拍数が上がる。

ほかにも、大統領選挙はどうなるんだ、とかんがえても、やっぱり心拍数が上がる。

このあいだ、ろうそくの炎を見ているときに、何となく心拍数をはかると、
すごく遅かった。。。む、これはヒントになるかも(ちょっと心拍数上がる)

==

特殊なキーボードがあれば、ドキュメントやメールを書いているときに常時
心拍数をはかって、どういう作業が苦手なのかとか、わかるかもしれないな。
何が心拍数を上げているのかがわかるだけで、心拍数は上がりにくくなるはずだ。

(2004年10月28日木曜日)
MMOG登録者数曲線と、寝る前の空想
ものすごい労作を発見した。ぜひ原文にあるグラフも見てほしい。

元データは、企業の発表データと、開発者からの裏データに基いている。
台湾と中国のゲームが含まれてないが、似たような曲線を描くだろう。

このグラフの内容はともかく、これにもとづく分析がおもしろい。
まず分析では、3つの時代に分け、グラフの縦線で区切っている。

1)黄金時代(1997- 2001年4月)
多くのタイトルが伸びざかり!

2)競争時代(2001年5月〜2002年5月)
ここでファンタジーMMORPGの市場は飽和してしまった。
2001年5月はUO2の中止のとき。

3)不確実性の時代(2002年6月〜現在)
多くのMMOGが中止に追いこまれるなど、市場の奪いあいがおこって先行き暗し。


このグラフをビジネスマンがぱっと見たら、
「ああ、MMOGには未来はない。投資するのやめた」
となりそうだ。作者の分析でも、現状については悲観的な雰囲気が漂っている。

しかし注意が必要だ。

この分析では、グラフを描く対象を「10000ユーザー以上のMMOG」に限っている。
そのため、市場がより細分化され、小さなMMOGが増え、
そっちにユーザーが流れたら、市場が小さくなったように見えてしまう。
実際には世界中で、数千人規模のユーザーがいるMMOGが、数百から数千タイトルあり、
しかも中には着々と、少しだが利益を出しつづけているものもある。

だからこの分析の読みかたとしては、3つめの時代は、
「不確実性の時代」ではなくて、「巨大MMOG解体、市場細分化の時代」
という感じにすべきかもしれない。
現在のMMOGをやるような人はほぼすべて、新しもの好きだろうから、
本当にユーザー数がすでに飽和してしまっている可能性ももちろん高いけど。

さて、今後数年で、世界に5個のビッグタイトルがあり、
それが全体の80%のユーザーを獲得し、
のこり20%をほかの小さなタイトルが取りあうという、
自動車業界のような状態になる可能性は高い。

そういう状況では、普通に考えると

1)「多品種少量生産」
→独自性の高い小さなタイトルをたくさん持つ

2)「もっと入りぐちを大きく!!」
→携帯、コンシューマゲームユーザー、webユーザー取りこみ

の方向に特化する、というようなことになるだろう。
それはそれで有意義なので傍らでやりながらも、
飽和気味の競争から抜け出すために何ができるのか、考えつづけなければならない。

私は、情報技術をつかって仮想空間を作ることには、
まだまだ無尽蔵の可能性があると感じている。
たった数年間の市場のゆらぎによってその可能性を断じることは、
絶対にしてはならない。
現在のMMOGは、PlayByMail(1つ目)、テキストMUD(2つ目)の次に出てきた
3つ目の仮想空間の表現形式にすぎず、
それがたまたまそれ以前の2種類よりも成功し、
それが転機を迎えつつあるというだけだ。
今後は4つめの形式、5つめの形式をもとめて探索を開始すれば良いのだ。
gumonji は3つ目のビジネスモデルの上で4つめを試そうとして困難に
陥っているが、最近はそれをようやく自覚できたから、次の一手について、
以前とは違った風に考えることができるようになった。

いまのところ私が考える「4つ目」は、たぶん、
ずっとPCの前に座ってることを要求しない何かになるだろう。

==

「仮想世界を成り立たせているのは現実世界なのであって」
というgumonji日記の書きこみがあった。一生忘れない一文だ。
あたりまえすぎるようなことでも、いざ言語化されると、
頭の中で急激に像がでてきて、ちがう思考を重ねることができるようになる。

「現実世界を成り立たせているのは仮想世界なのであって」
逆さにしてみてもいくらか意味が理解可能だ。
たとえば現実世界の貨幣システムは仮想世界そのものだ。
いやもっといえば、科学理論とか数学、宗教とかだってそうだ。

人間は仮想の世界と現実の世界をあまり区別していないのかもしれない。
頭のなかにたくさん仮想世界があるからこそ、現実世界でなんとか
やっていけるのかもしれない。

話を元に戻すと、仮想世界を成りたたせているのは、お金やユーザーの時間のことだ。
必要なお金が極限に少なく、必要な時間が極限に少なければ、
「仮想世界を成り立たせているのは現実世界なのであって」
ということに対して正面から挑戦できるかもしれない。
仮想空間を作るために必要なお金と時間がある臨界点より小さくなったら、
質的な変化が訪れるような気がする。
そしてそれは一方通行の変化のような気がする。

それではおやすみなさい。

(2004年10月11日月曜日)
検索エンジンにたちはだかる壁?
最近、検索エンジンの検索結果に満足いかないときが増えたと感じる。
とくに、重箱の隅をつつくような細かい調べものをするときにそうなのだ。
これはリスクではないか? と思ったのですこし調べた。

まず、重箱の隅をつつくようなキーワードがあるとする。たとえば、
vce_text_split_index_get_int という、VCEに含まれているAPIを例にとる。
これは、世界で100人以下の開発者によってオンラインゲーム開発のために使われている、
もともとは私が書いたC言語用の関数である。使っている人が数十人はいるので、
重箱の隅とはいえど、捨てるべきではないだろう。
Googleがこれをみつけてくれることによって、数十人の人が年間数分づつ、
計2〜3時間節約できるはずだ。それぐらいの価値の情報だ。
実際、年間合計で数百回、顧客と思われる組織からアクセスが来ている。
さらに、実際にGoogleで英語版がひっかかって、直後に日本語版に移動して
内容を見るという動きも見られた。はっきりと、
顧客の時間が無駄になっていることがわかる。

このAPIには、日本語ドキュメントと英語ドキュメントがあって、
以下の2個所で約3年間公開している。webサーバーのログを見ると、
月に数回以上はgoogleからロボットがきていることもわかっている。

VCE API reference
VCE APIリファレンス

この単語を各種の検索エンジンで検索すると、

A9 :   英語だけ
google : 英語だけ
altavista : 日本語だけ
teoma : 英語だけ
vivisimo :  日本語、英語両方

という検索結果が出る。
それぞれ、書かれた言語が異なるので、内容が同様だからといって
検索結果を少なくする理由にはならないはずだ。
また、vivisimoは一見情報量が多いようだが、ほかの単語では一般に弱い。

ここ3、4年ほどはgoogleの保有ページ数は30〜50億の水準で、それほど増えてはいない。
しかしweb上にある情報の量はblogなどの流行、ネットユーザーの世界各地での増加の影響で、
指数関数的な増えかたをまだまだ続けているはずだ。ドメイン数自体も増え続けている。

てことは、検索エンジン屋は、ますますたくさんの情報を捨ててることになる。
googleは「多くの人にとってほんとうに必要な情報だけを見せればよい」
という編集哲学をもっているように思えるが、それは、
「情報を探しだす」という基本機能がしっかり機能した上でのことでなければならないはずだ。
そうでなければただの金もうけ主義だ。

検索エンジンに、現場のエンジニアにしかわからない、何らかの技術的障壁が
立ちはだかってるのだろうか?
それとも単に金もうけ主義に走っているだけなのか。

とにかく現状の検索エンジンには不満だ。


(2004年9月20日月曜日)
Scratchware
  次の時代のゲームをあらわすためのあたらしい単語を探している中で、
「スクラッチウェア」 という単語を発見。「はした金ソフト」という意味だ。
アメリカ人にも同じようなことを考えてる人がいるという感動と、
単純に内容がすばらしいということと、前のエントリで設定した
禁止語リストにひっかからないということで、勢いで適当訳をまたもややってみた。
雑でごめんなさい。


スクラッチウェアは、いまの日本のゲーム業界がかかえる、
「一日中、ゲーム作りのごく一部の部分だけをやっていたい人」
についての問題は解決しないことに注意。

で、このマニフェストでいちばん重要なのはスクラッチウェアの定義の内容だ。
定義は以下。

* 独自の内容をもっていて、良い感じのゲームプレイができる
* マルチスキルの、3人以内のスタッフで作られている
* 何度も何度も遊べる
* 25ドル〜10ドルぐらいで、全体を手に入れることができる(必然的にネット)
* プロ級の見た目をもつ
* バグが少ない

課題認識も明確で、配布+課金のしくみを作ることだとしている。
そのサイトは、陳列、スポットライト、レビューの機能を持つべきだともしている。
私はされにそれに、「数人の、目利きができる人」
「作り手と遊び手の融合をめざしたネットワーキング機能」「課金回収機能」も加えたい。

ここまで具体化できていれば、すぐにでも行動開始できるだろう。
日本には携帯という市場もできている。まさにスクラッチウェア配布
のためにあるような市場だ。規制も強いけど。
やってやるという方がいれば、惜しみなく支援しますので連絡ください。
一定期間なければ、自分でやってしまいそう。

ところで、「はした金ソフト」では、安っぽすぎるのと、
内容について言及しなさすぎな感じがする。良い表現ないかなあ。

来年のCEDECのネタになるかな?

Taisei氏がいう、「21世紀のゲーム産業をささえる生態系」の姿は、
スクラッチウェアのような概念をベースにして、もうちょっとでかい燃料タンクと、
もうちょっと固い装甲とを装備して、もうちょっとでかい弾をうてる
何かになるのだろう。
もちろん、「一日中、ゲーム作りのごく一部の部分だけをやってお金をもらいたい人」
の部分を軽量化しなければならないが。。。

ここの軽量化をスムーズに進める方法さえ思いつけば、実現はがぜん加速するだろうな。
"user created contents" の一環で何とかならないかなあ。


(2004年9月8日水曜日)
ゲーム業界の今後
CEDEC にて。
今回は時間がないので、ふたつのラウンドテーブルと一つのセッションだけに参加した。


で、つねづね「業界を変えろ」とか言ってる割には自分の行動が足りない
と感じていたので、事務局の人と話をして、
来年はCEDECの企画の段階から事務局の人間として参加することになった。

たぶん、業界をもっと面白く変えていくには、
CEDEC に来ないような人にメッセージを伝える必要がある。
来年はそういう人たちが来たくなるような企画をたててみようと思う。
CEDEC に来ない人はどういう人たちがいるだろうか。

* CEDECを知らない人
* CEDEC を知っているが面白くなさそうなので来ない人
* 情報共有に興味がない人
* 単に参加費用が高いので来れない人
* 遠いので来れない人
* ...


ゲーム業界は、腐りかけの肉と言われても、まだまだ面白く変えられるはずだ。
コンピューターを使って遊びをつくることの可能性は、まだまだあると信じる。
それに、ゲーム業界とその周辺にはすばらしい人材がたくさんいるし、
うまく人材が活用されたら、すごく面白いものが作られるにちがいない。


まずは、「企画する側と見る側の境目を限りなくなくす」という方向で
何か考えてみたい。そして、ゲーム業界内外の人間を集結させて、
「ゲーム」ではない、自分がやりたいことをあらわす言葉を考えるのだ。
それを考えついた瞬間、壁を突破できるに違いない。

いまのところ、その新しい言葉に含まれてはならない言葉は、

* ゲーム
* コンピューター
* エンターテインメント
* アミューズメント
* インタラクティブ
* オンライン
* ネットワーク
* コミュニケーション
* コミュニティ
* ソーシャル
* サイバー
* バーチャル
* デジタル

とかがあるかな?
どんどん消していった先には何があるのか。




(2004年9月1日水曜日)
ZBrush

shi3z さんのblog にて紹介されてた ZBrush
というツールのデモを見ていて考えた。

まず、良くできたグラフィックツールの操作記録をとっておく。
その一連の操作記録に対して操作を加えることで、
グラフィック自動生成ツールのひとつとして使えるのかもしれない。

操作記録に対してできそうなことは、

* 変化量を変更する(20度曲げるところを30度曲げるなど)
* 繰りかえし回数を増やす(0回にするのも含む)
* 操作順番を入れかえる
* 選択するテンプレート(ZBrushでいうと円形のペンなど)を変える
* 操作の種類を変更する

とかがあるだろうか。
これらの変化を遺伝的アルゴリズムを使って。。。となるとSF的過ぎるが、
変化方法の情報源を人間にすれば、結構おもしろいことになるんではなかろうか。

最近は、こんな風な人間とシステムがもっと深く混じった感じで
何かを作っていくプロセスにとても興味がある。
テキストの世界から造形の世界に移行するまでには途方もなく高い壁が、
まだあるだろうけど。

ちなみに、ZBrush Version2 でぜひ追加してほしい機能。

1) まずポリゴンじゃなくてボクセルで空間を管理するようにしてもらう。
2) 造形中のモデルに「材質」が設定できるようにする。
3) そのモデルに対して、「水にひたす」「炎であぶる」
「宇宙空間に1億年放置する」といった操作が加えられるようにする。

ZBrushは現在の重みつきポリゴンモデルに強く依存してるみたいだから無理か。


(2004年8月26日木曜日)
裾野の広がり?

cyber girlfriend

香港において、3G携帯向けに、
人工知能を応用した仮想恋愛ゲームの開発が進行しているらしい。
このゲームが、通常の恋愛ゲームと違うのは、
リアルの金(香港ドルかな?)を払って花やプレゼントなどを買い与えるほど、
ゲームが進行するということだ。金を払わないとゲームが進まない。
あるblog等では「仮想空間の売春婦」と表現されていた。ちなみに男性キャラ
バージョンもリリースされるらしい。

この記事を見て二つのことを思った。

ひとつ目は、ビジネスモデルの進化。ゲームを1000円で買ってから
100円を50回払うのと、最初に6000円払って買う普通のものとどう違うのかを考えると、
たとえば携帯電話のように常時接続している環境だと、前者のほうが、
プレイヤーの嗜好を細かく分析しながら内容をネットワーク越しに
追加していくことができるという点で有利だ。

二つ目は、3D表示技術の開発においても、やはりエロ周辺に資源が
集中投下されて、飛躍的な進歩を遂げそうだということ。
優秀な人間描画ミドルウェアのようなものが、エロ周辺企業から出てくる
のは間違いないだろう。この種のミドルウェアは、リアルタイムに
描画する必要があるという点で、映画業界で使われてるものともまた
違ったデザインになるに違いない。描画エンジン以外にも、
「理想的な性格」を人工的に作る技術への投資も積極化しそうだ。
これは、面白い性格を必要としない恋愛ゲームからまず応用が始まるだろう。
常時接続を活用すれば、潤沢な資源をもつサーバーと接続することで
学習の範囲などを広げ、自然な性格を持たせることがより容易に
なるかもしれない。人工知能+優秀な人間描画エンジンの組みあわせは、
ひとつの、キラーアプリへの道になるだろう。



ところで、昨日、大学の尊敬する先輩が仕事場に遊びにきた。
彼と飯を食いながら話しをしてたのだが、彼が力説するには
「やった後の、無駄なことしてしまったなぁ感」があるゲームは
もうやらん、「やって何かが賢くなった感」があるのじゃないと駄目だと。
爽快感とかが売りのゲームという時点でもう駄目だと。

強く同意しつつ、決意を新たにした日だった。



(2004年8月18日水曜日)
ことばを鍛えるということ
自分も含め、プログラマなどの、
ものをつくる技を売りにする人たちの弱点は、
ことばを鍛えるのを怠ってしまうことだ。
ついつい、自分が作ったものに、
自分のことばを代弁させようとしすぎるのだ。
あるいは、言葉を鍛えるのを避けて通りたいから、その道を選ぶのか。
言葉を鍛えないことで、最終的には自分が損をする気がした。

関係ないが、gumonji のマップに "ringo come!"
という文字絵が描いてあるのを発見した。
いろいろなことを思う。

(2004年8月5日木曜日)
webからgumonji
オペレーションに手をとられ、妄想をする時間が足りない。
そういう毎日だが、ちょっと思いついたことをメモしておく。
ちょうど SecondLife がやっているように、
gumonji でもwebのAPIを通して世界情報にアクセスできるようにすれば、
面白いことができるようになるかもしれない。
gumonji の場合は、何かをするためにセルロミンなどが必要なので
まずキャラでゾーンにログインし、そのゾーンに対してwebから
操作を加え、その場合はキャラのエネルギーを消費するか、
あるいはロボットに自分の缶を預けておくかする。
webのインターフェイスを使うための道具はすでにたくさんあるので、
gumonji 内にスクリプトを独自に作って車輪の再発明をするよりも、
賢い方法かもしれない。
 Ruby でスクリプトを書いて、
gumonji のロボットを動かすというのは、きっと楽しいに違いない。
誰かが携帯からgumonjiを遊べるようにいつの間にか
してくれるかもしれないし(他力本願)、はてなアンテナで畑の状態を
管理したりも簡単だ。

もっとも、この機能が強力になりすぎると、異常に強力な
警察権力が作れてしまうかもしれないが。。。

webとgumonjiの接続は、どんな風に始めるのがいいのだろうか。


(2004年7月29日木曜日)
一生の宝
gumonji日記に蓄積されていく、プレイヤーからの鋭い突っ込みは、一生の宝だ。
ほんとうにすごい人達が、一時的にではあっても、
興味をもってくれていることがわかる。

それに、応えなければ・・・!!

(2004年7月19日月曜日)
同じ思考パターンばかり使う
  最近は、仕事内容の9割が問題解決の仕事だ。
問題解決のための思考パターンというのは厳然とあって、
確かにそれを使うと問題が早く解決していくし、気持ちがいい。
しかしこれを続けると、脳の中の、問題自体を作りだす部分が
衰退していくような感じを覚える。
あるいは、ただ単に、同じような思考パターンばかり使うことの
危険性を感じてるだけかもしれない。

商品の発売直前というのは、問題が一気に噴出する時期だから一時的には
仕方がないが、これをずっと続けるとやばそうだ。

ちなみにこの weblog は、「自分用の備忘録」タイプだな。

(2004年7月11日日曜日)
自分のマネジメント
  いまさらながら、あたりまえだけども重要なことに気付いた。
組織のマネジメントの第一歩は、自分自身のマネジメントだ。
自分のマネジメントができない奴に組織のマネジメントができるわけがないのだ。
いや、もしかすると、自分のマネジメントができるようになれば、
自動的に組織のマネジメントができているのかもしれない。

自分のマネジメントができるようになるために、一つやろうと思ったことは、
心の中の違和感を、たとえ小さな違和感でも絶対に次の日に持ちこさない
という実践を続けることだ。違和感を解決するか、
少なくとも言語化してから次の日をむかえるようにするのだ。

違和感を言語化できていないのに寝なければならない時間が来るような日が
続くなら、それは時間が物理的に足りないということだ。その状態が続くと確実に
組織が破綻する。

この破綻サインが見えたら、権限をほかに委譲するか、仕事の絶対量を減らして
対処しなければならない。しかし、破綻サインが出てるような時は、
多くの場合、破綻サインを知りながらそれを言語化せずに寝てしまうことになる。
それが続くようなら、リーダーを担当するのは無理なので、リーダーを降りるか
プロジェクトをやめることを考えたほうが良いだろう。

「言語化されてない違和感をもったまま寝るな」

という実践を2年以内に完璧にマスターできるだろうか?



(2004年6月27日日曜日)
設計者スールダッタ
  宮沢賢治の詩で、すごく好きなのがある(「龍と詩人」から引用)。
私の頭の中にいつもあって、最終的に表現したい景色は、
この詩から起こってくる景色に非常に近い。
しかし、どうしてこんなにすごい言葉を思いつけるんだろうか。。。
何度読んでも驚嘆するばかりだ。「驚嘆するばかり」なんていう
言葉しか思いつかないことにまたもやがっかりするが。

じっくり考えながらweblogを書く時間がほしい!

(2004年6月26日土曜日)
FDL

先日参加したlangsmith の参加者が30人を越えている。
その中に、プログラミング言語ではない人工言語に興味をもつ人も
数人はいるのだが、その中に FDL という言語を提案している人がいた。
Folktale Description Language のページ, FDLによる「浦島太郎」 

プログラミング言語よりも、こういう特殊な目的(入り口が特殊)
の言語のほうが、やり残しの部分が莫大にあるように感じる。

FDLみたいなものは、以前話してた「ネット用の新しい国語」
へのひとつの道筋かもしれない。


(2004年6月23日水曜日)
Brain Area Network
  脳で動かすゲーム より。

  
そうだ。結局のところ、脳と脳をどうつなぐかが問題なのだ。
現在、脳と脳は絶望的に離れている。
離れたところにある脳同士を密に接続して、最終的に一つの脳を
作ることができたときに、どんな世界が来るのか、あらゆる作家が夢を描いてきた。


ここまで考えて、ひとつ思いついた。


脳の中の神経細胞が隣りの神経細胞を刺激するためには、
ミリ秒単位の遅れが生じる。つまり、ものすごく遅い。光の速さにくらべると、
実に数万倍から、数億倍の遅さになる。

脳という広大な宇宙の中では、このような遅い通信が、莫大な件数、
非同期的に、同時多発的におこなわれていることになる。

さて、私の脳の右側と左側の離れた位置にある脳細胞に電極を取りつけ、
その間を光ファイバーあるいは無線でつないだら、それらの細胞たちにとっては、
通常よりもはるかに速い通信手段を得たことになる。

これは結局、脳という宇宙の中にワームホールを発生させたことに
なるんじゃないか。よく、脳の本を読んでると、相対論的制約の話がでてくるが、
きっとそれと関係ある気がする。

すべての脳を神経接続するという野望の前に、ひとつの脳の中で通信速度を
向上させたら脳がどんな風に変化するのかを見るというのも、
面白いのかもしれない。


Personal Area Network よりも狭い、 Brain Area Network だな、
とおもって"brain area network" で検索すると1件ヒットした。


しかし、こんなのはどうやって実験するんだろうか。。。



(2004年6月19日土曜日)
Matzによる新言語ML

Matz氏はきっと未踏関係の講演の準備を通して思いついたのだろう、 日本で新しい言語を作る活動のML(langsmith) を作るとのこと。 さっそく、登録を希望した。 どんなMLになるかな? 名前がちょっとダサいのが問題かも。


(2004年6月9日水曜日)
MMOGの面白さ曲線
  きのう、オンラインゲームのマーケティング専門会社の人と会った。
gumonji のマーケティングについて話しはじめた途端、
その会社の社長さん(K氏)はこんな質問をした。

K氏 : 「gumonji の面白さは、何人で最大になりますか?」
ここで私は衝撃を覚えた!
私  : 「2〜3千人以上です。数百人いればぎりぎりまわりますが。」
K氏 : 「なるほど。それはちょうど良い感じですね。」

エッセンシャルな質問はいつも、新しい視点を与えてくれる。
自分でオンラインゲームのマーケティングをちゃんとやれてない
ことを露呈してしまってるようで恥ずかしいが、
複数のオンラインゲームのマーケティングを実際にやっている会社ならではの、
洗練されたとらえ方があるものだ、と感動した。まさにコンサルの仕事。

ここでの衝撃は、右軸に人数を、上軸に面白さをとったときに
どのような曲線を描くべきなのか、自分の中でデザインができていず、
「だいたい何人のときに面白くあるべき」
みたいな条件づけしかできてなかったことだ。まだまだ修行がたりない。

たとえば、gumonji 世界に50人しかいないときと、1000人いるときとでは、
まったく世界の見えかたが違った。ある面は人数が多いほうが面白いが、
ある面は面白くなくなった。
おなじことが、5000人でも、1万人でも、10万人でも、
もっと過激に起こっていくに違いない。

このデザインの方針がはっきりしていると、
たとえば5000人で最大の面白さになる空間を作ったとすれば、
ユーザー数が2万になったときには世界を無理やり一つにせず、
4個に分割しておいたほうが良いといった判断ができるようになる。
これは、どんな技術を選択するか、どんな投資パターンにするか、
といったことに密接に連結している。もちろん、人数が多くても少なくても、
右肩上がりで面白くなっていくような曲線をデザインできるに
越したことはないのだが、そこも選択の対象となる。

これまで私は、「世界は、できるだけ一つであるほうがよい。」とか、
「世界にいる人数は多いほうがよい。」という風に単純に考えていたが、
「人数と面白さの関係」という視点を持つことによって、
さらに深く考えることができるようになる。今日はこんな質問を自分に課した:

* gumonji にとって、どういう人数ー面白さ曲線の形を描くのが良いか考える
* 内容のどの部分が、人数のファクターによってどういう影響を与えるように
なるか考える


まだまだ気付いていない重要なことが山のようにあると考えると、
やはり夜も寝られなくなる。

PS.
  地球にいる人間の数は、何人のときがいちばん面白いのだろうか。
PS.2.
  SNS の面白さも同様の考えができそうだ。


(2004年5月26日水曜日)
Virtual Worlds Update Japan
  今日 TerraNova を見ていたら、Virtual Worlds Update Japan
という weblog が始まっているのを知った。
米国のweblogを見て、日本のweblogの開設を知る。

このweblogは、いろんな仮想空間系のニュースを訳したり、
コメントをつける感じの weblog のようだが、TerraNova の部分訳が多く、
やはりコメントまでは訳しきれないようだ。無理もない。

  ということで、独自の情報はいまのところ少ないようだ。
ライターも増えていくみたいだし、今後の発展に期待!!
近い将来きっと友達になることでしょう。

(2004年5月19日水曜日)
中国の情報規制
  中国にいると激しい情報規制のせいで情報飢餓状態になる。
私のアンテナのうち、Terra Novaをふくむ、5つ以上のよく見るサイトが、
規制にひっかかって、webブラウザからだと閲覧することができない。
ちなみに GoogleCache も見ることができない。
80番ポートに直接telnetすると見ることができるので、
すべてのトラフィックをルーターがチェックしていることがわかる。
統制の方法は、おそらく人力でつくったIPアドレスのデータベースと、
ページの内容そのものの両方だ。内容も見るということで、
プロクシを通してもダメだということになる。

  IPアドレスだけではないとわかったのは、
terra nova のページを www.ce-lab.net にコピーして閲覧してもおなじように
規制にひっかかるからだ。まだ、どの単語がダメなのかは特定できてないが、
ファイルの内容を半分ぐらい削除すると閲覧できるようになる。
もちろんwww.ce-lab.net は規制にひっかからない。

以上のことから、パスワードから何から何まで、ぜんぶ中国政府の管理する
ルーターによって盗聴されているということになる。
たとえば、私が使っているYahooカレンダーはhttpsでないので、
すでにパスワードを中国政府は見てしまっている。

こんなのはネットとは言えない。

  幸い、いまのところSoftEther を使って情報規制を回避することができそうだ。
しかし、SoftEther のアクセスパターンもある程度はプログラムで探しだすことが
できて、かつ、「仮想ハブ」がひとつのIPアドレスになるのでブロック可能だ。
SoftEther をさらに改良して、ハブをp2pネットワーク上に構築した
「p2p-hub soft ether」を作ればよい。
これは中国に進出している外資系企業にかなり売れるかもしれない。

(2004年5月13日木曜日)
ToDo
  最近、思いついたことや起こったことを、
できるだけ細かくメモに取ることにしている。
これによって発言と行動の一貫性を長い視点で保つことが、
以前よりはできるようになりそうだ。

  思いついたことを限りなくメモするということよって、
絶望感を味わうようにもなった。

  ひとつの事について考えたり、処理すると、
3つぐらいの事を思いついてしまうが、
それをメモするのを繰りかえすと、
ToDoが目に見えて絶望的に指数関数的に増えていくのだ。


  次に必要なのは、絶望的に多いToDo の優先順位と、
賞味期限切れに対する嗅覚を鋭くすることだな。

(2004年5月02日日曜日)
Gmail

北京にいる Nathan から Gmail への invitation があった。 Gmailはあいかわらず「あたりまえのことを完璧に」やっていて使いやすい。 Gmail へは、登録してから2週間あたり2人しか invite できないらしい。 このルールは面白い。単にユーザー数の増加速度を制御できるだけではなくて、 「inviteする順番」は、まさに rating そのものだからだ。 誰でも優先度の高い人から invite していくのは想像に難くない。 最初から世界一になることが半分わかっているサービスだからこそ、 この作戦を使えるのかもしれないなあ。

検索エンジンでもwebメールでも、 企業のデータベースに自分の痕跡をずっと残し続けるのは、 常に嫌悪感がある。Google 社が集めることになる、メールの signature の量は、 半端ではないだろう。 メールの signature があれば、 世界中の組織の内部構造を知ることだってできてしまう。

知らない誰かが管理しているデータベースに自分の一部を委ねながら 生きていく時代というのは、人のどんな気質につながっていくのだろうか? 次は、「連帯責任」という単語からいろいろ考えてみよう。。。


(2004年4月30日金曜日)
itembank

あだちんからメッセージ。 http://www.itembank.jp/ がプレオープンしたらしい。 おお、ついに 2ndroom みたいなのが出たか!?と思ったら、 オンラインゲームのアイテムトレードサイトだった。 このサイトは「IBマネー」という、リアルに戻せないお金をつかって、 取り引きをするのがふつうのオークションなどとはちょっとちがう。 じつはこういうのは、 オンラインゲームのプロモーション手段に使えるかもしれない。 日本の市場はとても小さいだろうが、ぜひうまくいってほしいもんだ。 さっそく話を聞きにいってみよう。


(2004年4月28日水曜日)
未踏面接

今日は、アルコタワーと学士会館に未踏の面接にいった。 あしたはお台場。 学士会館は石田PMの面接のために行ったが、いろいろ面白い建物だった。 まず学士会館の地下には7つの小部屋があって、それぞれ、 7つの国立大学の用事に使えるようになっていて、 「九州大学」とかカンバンが掲げてあり、 それぞれの小部屋でなんだかヒソヒソはなしごえがきこえてくる。 まるでゲームのダンジョンのようだ。 ほかにも、サロンがいつでも開いていて本とか雑誌が読めたり、ステキな場所だった。 なにより昔風の建物というのがよい。 そしてそこにいるのはじいちゃんばっかりだった。


(2004年4月21日水曜日)
Google spoiler

今日の mojix.org の話で、「Microsoft のように、Google も、四方八方から、 オープン技術による挑戦を受けるという構図」 は、成立するのだろうか? なんか直感できなかったので、 その原因は何だろうと考えた。が、あまり面白いことを思いつかなかった。 そこでといっては何だが、 「Googleへの挑戦」関係でまったくちがう方面からの思いつき。

以前、コミュニティエンジンのスタッフが、 Amazon の "Search inside book" の中身を自動的にぜんぶ取りだす、 pirahna というツールを作った。これは違法だ。 Amazon の利用規約の中に、DBを reproduce することは禁止すると明言されている。 Googleも同様だ。実際にアクセス制限もある。 以前、一晩で100万回ほどGoogleにアクセスしたら、 Googleはその回数を記録していて、そのIPアドレスからは、 しばらくの間 access forbidden になった。 どうやら、一日で数十万回ぐらいおなじIPからアクセスすると止められるらしい。 Googleのサーバーが2万台あるとして、 全部のサーバーに対して、検索語をうまく工夫して 1万回づつアクセスしたら、20億ページ分ぐらいの page rank を盗める。 これをうまくやれば、Googleがもつレントを削りとることができる。 こういう "Google spoiler" みたいなウイルスって出回ってないのだろうか。 コンピューターウイルスを作るのがすきなハッカーには、 激しくおもしろいネタだと思うのだが。 反対に、サービスを提供する側にたつと、恐怖を覚える。おそろしや。。


(2004年4月17日土曜日)
中国と日本でXM

今日のXM会議はいい感じに実行できた。 成功パターンを忘れないように記録しておく。

  • HTMLをwebで共有し、議長がemacsで直接編集するのはいける。 web ベースの wiki のようなもので充分そうだ。
  • 東京と北京で会話した。時差は1時間。 XMの画面背景をどっちかの風景写真(時間帯つき)にあわせたりすると、 雰囲気を共有できるかも。
  • オフラインの紙資料はなし。
  • 会議用電話(広角マイク+スピーカー)を使って会話できた。
  • XMでは、参加者がプロジェクタやノートPCのほうをみて話すので、 会議用電話のマイク性能が必要。よく「聞こえません」になった。
  • チャットツールの併用は必須。参考URLを送る。
  • トピックは、「Xというツールの最終リリースに必要なToDoの洗いだし」 こういうのはXMに向いている。
  • Agendaは、情報が80%網羅できた状態のものを用意した。
  • 参加者は3人.3人中2人はXMに慣れていて、一人は概念自体を初めて知る。
  • 議長はXMに慣れている。これ重要。
  • 会議中に別の開発ドキュメントを参照するのに多少時間がかかった。
  • 会議時間40分。
  • 会議中、テキストを変更したのべ回数はおそらく200回程度。 今後キータイプ数を計測してみよう。

XMにあらゆる情報ツールを統合していくことで、 本当に紙を使わない仕事が可能になっていくように感じる。 テキストベースXMの弊害として「絵や図をかかなくなる」という問題があるので、 「ホワイトボードにプロジェクタで映し、 議事録の空き領域にペンでラクガキし、そのラクガキが自動的にデジタル化されて ドキュメントに取りこまれる」機能が欲しい。 これが実装できれば、XMの普及のための強力な推進力になるだろう。


(2004年4月17日土曜日)
MMOGアイテムトレーダーの給料

今日のTerraNova より。 プロMMOGゲーマー(アイテムトレーダー)の収入が、 ほかの職業に比肩できるぐらい良くなってきてるという話。 以前、EverQuestの一人当りGDPがセネガルより高い という話があったが、それがもっと進行したらしい。 以下のリストで、 Trader Dibbel というのがその人。 大事なのは、多くの人がアイテムトレーディングに参入したときに、 相場がどう変化するかだ。

 GDP per capita in both China and India: Below $700
 Average earnings of short-order cooks: $17,000
 US poverty line for a family of 4: $18,400
 Average earnings of dancers: $27,000
 Average earnings of drug abuse counselors: $32,000
 Average earnings of firefighters: $38,000
 Average earnings of museum curators: $40,000
 Average earnings of secondary school teachers: $46,000
 Trader Dibbell: $47,000
 Average earnings of insurance salesmen: $54,000
 Average earnings of computer programmers: $63,000
 Average earnings of economists: $76,000
 Average earnings of lawyers: $108,000

(2004年4月16日金曜日)
kenmogi bbs
>言葉というものが、コミュニケーションの道具
>と言われながら、その言葉を理解しない人に
>対しては、かえってコミュニケーションを
>閉ざしてしまう、ということがここのところ
>気になっていて

今日の クオリア日記 のエントリからの引用。 最近仕事を通して学んだことをずばり、言いあらわしている。


(2004年4月14日水曜日)
XM practice

eXtreme Meeting の形式(議事録ベース)を何度も実践 しているうちに、形式だけでは本当に効率のいい会議が できないことがわかってきた。 まず、ある程度の情報や案を網羅したAgendaを作っておかないと、 完全にからっぽの議事録の状態から会議を開始しても、 網羅するために時間がかかりすぎ、効率が悪いことがわかった。 たとえばこれは、「八分目までAgendaを練ってから会議せよ。」 みたいなプラクティスになっていくのだろうか。 それから、プロジェクタを使って画面を共有する場合は、 「どこドア」みたいなツールをつかってキーボードを共有しないと、 書記の権限が強すぎるとか、書記のパフォーマンスに会議のパフォーマンス が左右されすぎる という問題が生じる。 どこドアはwindowsにしか対応していないが (プロトコルが公開されてるかは未確認) そういったキーボード共有ツールがあるとXMはかなり良くなるだろう。 単純に、XMを補助するために使えるアプリ集、 といったものだけでも有用かもしれない。


(2004年4月10日土曜日)
News Game

NewsGames.com というサイトを発見した。 これは時事ネタを瞬時にミニゲーム化してネタがあるごとに提供するという、 強烈に ハイセンス+高スキル な人材を必要とするビジネスだ。 いやー、まだまだゲームビジネスのアイデアはあるもんだ。 米国はフトコロが深い。 日本で同様の路線でいくならどんなのがいいかな?

  • 内戦状態のイラクで自衛隊がテロにやられないように逃げまくる逃げゲー
  • 高速回転する回転ドアに体をはさまれないように通るゲーム
  • 北朝鮮にいる家族を強引に救いだすゲーム
  • 絶対に阪神が勝つ野球ゲーム

この路線は、携帯電話でうまく展開すれば、 立派にビジネスになると思うが、どうか? 「週間ニュースゲーム」。ゲームニュースじゃなくてニュースゲーム。 プレイヤーと作り手が渾然一体となったコミュニティが作れそうだ。 もち肌将軍様、いっしょにやりませんか?


(2004年4月10日土曜日)
gumonji beta1終了

今日は gumonji beta1 を終了した。 サーバーを止め、ログを全部保存した。 月曜日からは、ベータ2の内容をどうするかの計画会議をはじめる。 来週1週間は、私はコードを書かず、仕様を書くだけの週となる。 これまでにした失敗からどれだけ学べるかだ。


(2004年4月09日金曜日)
water,sugar,o2

NASA によると人は1日に 水:3077g 食料:618g 酸素:836g を必要とする そうだ。 水の必要量が多い。私の場合水分はぜんぶお茶のかたちで入る。 gumonji の生物たちも水を必要とするようにしたほうがいいかもしれない。 しなくてもいいかもしれない。


(2004年4月08日木曜日)
GFS

radium software で、Google File System についてのエントリ。 動いている状態のGFS総体の価値のうち、99%は、 ハードウェアへの投資であるような気がする。 こういうのを「ファイルシステム技術」という文脈から考えるのは好きじゃない。

GFSのような分散ファイルシステムを、 小さな企業が構築して使うことについて考えてみた。 つい先日、 gumonji のバックエンドサーバーのログがあふれて調子が悪くなってしまった ことがあったが、これは小さなディスクが散在していることによって起こる 典型的な問題だ。 こういう問題から(ほぼ)解放されるというのは、 たしかにシステムのメンテナンスコストを減らしそうだ。 しかし、小さな企業は、それほど多くの数のディスクを持っているわけではない。 ディスクの数が100程度しかないのに分散ファイルシステムを作っても、 あまり得ではないかもしれない。 HDDのサイト数が1000を越えるような見通しになってから、考えればいいかな。


(2004年4月07日水曜日)
GMAIL

GMAIL の最大のポイントは、名前がダサいことだ。 Google がダサい名前のものを出すということに、時代の流れを感じる。 つまり、検索の世界では、ダサい名前のものでもよい時代がきた、 あるいは必要な時代がきたということだ。 Google がさっそうと登場したころを知る人間にとってみると、 これはとてもカナシイことだ。 最近ホンダがファミリーカーにばっかり投資してるのを昔からのファンが 嘆くようなもんだろうか。 それでもホンダ・スピリットが死んだわけではないのだが。

GMAIL が示唆するのは、検索技術はもうコモディティ化して、 ダサくてあたりまえで完璧なものが支配する時代になったということだ。 IT技術者は将来設計を前倒しする必要があるだろう。 カッコイイものをもとめてIT業界にいくのは間違っている。 (米国とかではもう何年も前からそんな感じなのかもしれんけど)


(2004年4月02日金曜日)
eXtreme Meeting

今日はミーティング2件。 extreme meeting についてと、 picsy gridについて。 extreme meeting とは究極に効率のいい会議をするための会議態度のことで、 会議態度ばかりでなく情報ツールや組織なども含めて総合的に効率のいい会議を目指す。 効率のいい会議は効率のいい合意生成システムだ。 それは日頃の仕事の効率を高めるばかりでなく、 オンラインゲームやオープンソースソフトウェア開発などのコミュニティにおける合意形成に直接的に 役立つにちがいない。 そういう文脈で、extreme meeting に特化した情報ツールについてアイデアを出して、 その実装作業にもかかわりたいと思う。良いアイデア出るかな?


(2004年3月29日月曜日)
2PB

小松空港から羽田を経て帰る。飛行機にのるときいつも思うのは、 いまの景色は地球表面の何%の部分をみてるのか、という事だ。 適当に計算すると、完全に晴れてる場合は、 高度1万mの飛行機からは地表の2万分の1程度が見えているみたいだ。 飛行機から見える景色を立体的に表現するには 100GBぐらいのデータが 必要な感じがしたが、2万分の1ということは、20K*100GB=2PBぐらいの データがあれば地球全体を同じ細かさで表現できることになるのか。 1TBのディスクが15万円だから2PBのディスクは3億円以上か。。。


(2004年3月27日土曜日)
進化経済学会

kenさんのつてで、私は経済の専門家ではないのだが 進化経済学会 でオンラインゲームと経済の関連について少し話をする機会を得た(日曜日)。 ほかの分野を専門的にやっている人に対して自分を紹介することは、 自分のことを知るという点でもものすごく有意義なことだ。 当日用にポジション・ペーパーを用意して聞く人が僕自身を効率よく知れるようにしよう。

と思って「ポジション・ペーパー」をしらべると、 どうも個人だけでなくて組織やプロジェクトがポジションペーパーを web他に掲載していることが多いことがわかった。 なるほどこれは使い道がある。 「哲学」とか「マニフェスト」というよりも 「ポジションペーパー」と言うほうが、 より現実に則した文脈で自分のことを紹介できるのだ。 文書のタイトルというのは本当に大事だ。

さっそく書いてみた


(2004年3月22日月曜日)
距離感

自分が作ったものと、 自分との距離のたもちかたをうまく見つけだすことが、いまの課題だ。 これができないと自分が作ったものの扱いを誤る。 これまでは馬鹿みたいに「近いほうがいいのだ」 とばかり思ってたのだが、それが間違ってるということをようやく認識できた。 いくつも作品を作ってきた人ならば「そんなの初歩の初歩だよ」 と言いそうだが。いやほんと初歩なことだと思う。 どれぐらい離れていればいいのか、どれぐらい近いのがいいのか、 まだひとことで言えるようには整理されていないが、 いま急速に自分の中で整理が進んでいる感じがする。 整理がついた瞬間、一気にどっと視界が広がりそうだ。 その瞬間が楽しみだ。


(2004年3月19日金曜日)
土地にこだわることと生産性のはなし

gumonji ばなしばっかりだが gumonji ではいろいろ理解に時間がかかることが起こるのでしばらく続けたい。 現在 gumonji では「土地が足りない」という問題が発生している。 が、そもそも「土地が足りない」とは、いったいどういう意味なんだろうか。

人はどういうときに土地が足りない、と思うのだろうか。 現在日本で世界で「土地が足りない」と思ってる人はどういう人で、 いつ、そういうことを思うのだろうか。

私は生まれたときは「土地が足りない」と思っていなかった(多分)。 中学のときも思ってなかった。大学になっても思っていなかった。 今は、思っている。だから火星探索には興味がある。

B.フラーは富を 「現状以上の物理的環境を維持できる残り日数のことである」と定義したが、 この現状以上というのが大事だ。 全員が毎日とうもろこしのおかゆを食えば地球の人口は400億人までOKだが、 実際にはその多くを効率20分の1の家畜に食わせるのでそれよりはるかに 少ない人数しか維持できない。 そして土地が足りないから火星を探索せよとなる(それだけが理由ではないが)。 私は肉やマグロを食って死にたいので、 火星でも何でも探索して土地を増やし、ずっと肉を食える生活を続けれれば幸せだ。

では、 gumonji のような仮想の世界で土地が足りないと叫ぶ人は、 どういう心境になっているのだろうか? そもそも gumonji の中でのキャラクターは食べなくても死なない。 なぜだろう!?!?

2年ほど前、Ultima Online の日米比較を コアUOプレイヤーから聞いたことがある。 日本のシャード(空間)がリリースされるときは、一秒をあらそって、 土地の争奪戦が始まるらしいが、米国のサーバーのときは、 むしろ土地が余り気味になるらしい。 土地は、その土地が必要なときに使えばいいのであって、 「とりあえず確保する」ものではないのだ。 そんなことをしていたら全体の生産性が下がる。 gumonji で当初から初心者の当面の目標を設定しようとおもって 「砂漠の緑化に協力してください。」 と言いつづけてきたが、 ほとんどのプレイヤーは砂漠の緑化ではなく土地を自分の私有地化する作業に没頭している。

もうしばらくすれば、「とりあえず土地を確保しよう」という状態から、 「必要なときに土地を使おう」という状態に推移していきそうだ。 みんながうまくそういう状態になれるように、誘導することができるだろうか? そして、それをやりつつビジネスとして成功させることができるだろうか? まだまだでかい仕事が山積している。

ひとつ思いつき。NPCが日本語を話すゾーンと、 NPCが英語をはなすゾーンとで、GZP(Gross Zone Product)を比較したら、 どんな風になるのかな? 見てみたいな。


(2004年3月17日水曜日)
gumonjiキャラのアスキーアート

今日から、仕事時間を 16時から28時ぐらいにずらすことにした。 2chをのぞいてたら、gumonjiキャラのアスキーアートを発見した。 たぶん、いちばん最初のだろうな。 それにしても www.gumonji.net のトップページが腐ってかっこわるい。 原因は何なのかな。


(2004年3月10日水曜日)
gumonji beta

www.gumonji.net をごく近しい人にだけ教えて少しづつテストを始めた。 現在のところfriendだけだが、だんだん friend of a friend が増えてきている。 そのおかげでちょうどいいかんじで負荷テストができている。 きのうは同時接続5人、きょうは10人だった。 来週あたりからはおおきなメディアにリリースをしていくので人数もまた 全然違うことになる予定だ。 それまでにバランス取りに関する基本的なところを固めておきたい。

しかし本当に、バグだらけのものを根気よくテストし続け、 報告してくれるベータテスタの皆さんには感謝してもし尽くせない。


(2004年3月3日水曜日)
terragen

terragen という地形生成ツールがあったのでいろいろ試してみた。 写真のいちばん左が terragen で、まん中が富士山の実写で、 右端が猪苗代湖の実写。 terragenと富士にくらべて、猪苗代湖の写真は圧倒的に説得力がある。 富士山の写真は、terragenよりもリアリティがないかもしれない。 そこに自然の法則が感じられないからだろうか?

terragen は、雲と水と山を別々に生成している。 つまりそれぞれは物理的に関係がない。動かしたときに人間がまず気付きそうなのが、 この、物理的に関係がないことによる不整合なのかもしれない。 たとえば、水が流れ出る場所がないとか、 雲が山のてっぺん付近じゃないところにかかってるとか、 空の感じがこんなときは水面の波はこんな感じじゃない、とか。 人間は、自然のリアリティをどのあたりから感じるようになっているんだろうか?

「ぐりぐり動かす」という機能を捨てた瞬間、 逆にものすごくリアリティのある表現が可能になるのかもしれない。


(2004年3月1日月曜日)
国家設立請負会社

Terra Nova での 書きこみ の紹介と、そこからの着想。

MMOGの中で起こっている経済自体を楽しむための 上位の遊びの仕組み(証券取引所など)をはやく整備すべきだとの論。

1) 開発者が経済の異常に速やかに対応できる
2) あたらしい遊びがプレイヤー層を広げる
3) 経済がゲームの一部になるのでRPGerがeBayerに反感を持つのを減らせる
4) 開発会社の新たな収益源

というような可能性があるのではないかとの書きこみ。 今日は4)について考えた。

たとえば、Gaming Open Market では、オンラインゲーム内の通貨をドルやその他の通貨と交換できる。 上の絵は、Second Life の通貨のドルに変換するときのレートの推移だ。 レートはそのへんのIT企業の株価のようなハチャメチャな曲線ではなく、 充分機能する通貨だと言っていい。
だから、オンラインゲーム企業が、オンラインゲーム内の通貨で儲けて それをドル(外貨)に変換し、自社の収益とすることは、ほぼ可能になったと言える。 あとは、ちゃんと計算をしてみればよい。
ここで確認すべきは、外貨を獲得する必要がある理由は、 米国人のエンジニアには米ドルで支払う必要があるということだ。 もし SecondLifeDollar で働くエンジニアがいれば外貨を獲得する必要さえなくなる。
こんなビジネスモデルでオンラインゲームを運営してるゲーム会社はまだないが、 Second Life のLinden Labs 社はゲーム内の土地を投機対象にするなど、 それを確実に見据えた動きをしている(と思う)。 ゲーム内の財を取り引きするための市場をゲーム内の情報と完全にリンクさせた かたちで実装し、それの利用手数料をゲーム内通貨あるいは外貨あるいは両方で取り、 それを運営費用にあてるという方法は、 プレイヤーがある人数よりも多い(おそらく20〜30万uniq ID以上)場合は、 本当に現実味を帯びた数字になるだろう。

こんな風に近いうちに、オンラインゲームの運営は、 国家の運営と同じスキルを(程度は異なれど)必要とされることになる。 つまり、 ほかの経済共同体に対する相対的な強さを維持するための外交活動とか、 富の配分方法、治安、教育、あらゆることが、 国民であるプレヤーの満足度につながっているということだ。 これは、 いまいるゲームデザイナーの力量をはるかに越えている。 もちろん私の能力も越えている。どうしたらいいのか。

悲観することはない。
オンラインゲームの開発会社は、なにも国家運営のすべての部分を 引きうける必要はない。有志のプレイヤーたちが、政治や経済の仕組みを うまく引きられるためのインターフェイス作りを正しく手伝えばよいだけだ。
政治を実際にやるのはプレイヤーであり、 開発会社は、出来のいい議場と、コミュニケーションのための設備を整えればよい。
結局のところ、開発会社は「国家のインフラ整備会社」になるのだ。
さらにもっと行きつくところまでいくと、インフラ整備会社も内部から調達できて、 オンラインゲームの開発会社自体が必要なくなってしまうのかもしれない。
もしかすると、オンラインゲーム開発会社は、 国家設立を補助するための「仮想国家設立請負人」でしかないのかもしれない。 現実世界(あるいはほかの仮想世界)からやってきて、 国家の立ち上げに協力し、国家ができあがったら去っていく集団。 多くのネット企業のやりたいこと(私も含む)のやりたいことは、まさにこれだ。

最後に, 参考までに、こういうのがある: MMOG re-united。 これは、いろんなMMOGをやってる人が、メインのゲームを変更したときに友達を失わないように、 IDや名前の関連づけ情報を保管しておくサイトだ。 こういうのは通貨がより安定するために有効だから、自然に発生するんだろう。 まだMMOGの情報を RSS フィードしている例はないみたいだが、 gumonji ではそれをやってみるのもいいかもしれない。 そうすれば、こういうサイトとの連結がやりやすくなるはずだ。


(2004年2月26日土曜日)
gumonji beta test

開始のための最終調整が進む。まだまだやるべきことは無限にあるが、 gumonji以外の仕事も容赦なく発生する。 しかも花粉で集中力低下ときた。weblog更新も滞る。 いつも、初春は、こんな感じだ。疲れがたまらないように気をつけなければ。


(2004年2月22日日曜日)
synthetic world

Virtual world とか、 persistent world game とか、 仮想空間を意味する単語はいくらもあるが、 どれにも満足いってなかった。 しかし、最近 "synthetic world" という語を知り、 完璧にやりたいことを言いあらわしていると感じた。 今後は、mirror world と区別するためにも、 自分のやりたいことはコレだ、と言うようにしようと思う。 "synthetic space" のほうがもっとカッコつけてて良いかも。

思い返せば、私は、小さいときから、楽器のシンセサイザーが好きだった。 シンセの中でもとくに、ドラムマシンと、シンセベースが好きで、 学生時代に貯金をはたいて20万の nord lead を買ったりもしていた(いまは妹が使っている)。 私が買ったシンセはすべて、サンプリング音源を使わないものだが、 私のシンセサイザーの好みと、 synthetic world を作りたい、 という欲求は同じところに根をもっているようだ。

シンセサイザーはたくさんあるが、 シンセのの価値には2つの方向性があると思う。 ひとつは、一人でオーケストラを所有できるというコストダウンの価値。 もうひとつには、シンセでしか出せない音の価値。 私が重視するのはもちろん後者のほうだ。 アナログシンセや、アナログをデジタルで真似するシンセには、 後者の魅力が溢れている。

私がアナログ(エミュ)シンセを使っていていちばん楽しい瞬間は、 ある仮説に基いて操作した結果、意外な音が出て驚く瞬間だ。 たとえば、「ピアノの音を鳴らしたい。」と思うとする。 ピアノの音はとても複雑なので、 アナログシンセでピアノの音を出すのは相当に難しい。 そこで、まずピアノを観察する。 で、 「ピアノのドの音は3本の弦が震えていて、それぞれ数ミリづつ 長さが違うから、0.1%ぐらい周波数をずらした音を3つ重ねたらいいに違いない。」 ということがわかる。 その結果に基いて実際に音を出してみると最悪に気持ち悪い音になったりする。 で、また別の仮説を立てて繰りかえす。

このように、試行錯誤のプロセスを使う側に要求するのが、 私の好きな道具(おもちゃ)全般に言えることのようだ。 押すだけで全部解決!みたいな道具には燃えられない。 試行錯誤のプロセスを通して何か知らなかったことを発見できるかどうか、 それが私の最優先の価値基準なのだろう。 このような性向を、「少しでもいいから知りたい病」とでも名付けたら良いかな?

ちなみに、 ハッカーになる方法(山形浩生訳) では、少なくともひとつの楽器をやり込め、とある。 「試行錯誤が好き = ハッカー」なのかもね。


(2004年2月21日土曜日)
360度スクリーンショット

SOEのStar Wars Galaxies のサイトで見かけた、 360度まわせるスクリーンショットの手法が素敵。 やってることは、 DRAGRI とほとんど同じだが。 仮想空間のデモには最適。 下手なムービーより良いかも。

こういうスクリーンショットをサーバー側で動的に生成する技を使って、 ゲームなどが作れるぞ。


(2004年2月20日金曜日)
太陽光発電

ここまで太陽光発電が 進化 しているとは思わなかった。 水素経済が実現するのは、思ったよりも速いのだろうか。


(2004年2月19日木曜日)
トランクにマージされないコードを書くのは萎える

MMOG大手のThere.com が US army と契約して地球サイズのMMOGを作るらしい。 実際の地球の地形データなども国家の協力で入力できるという事だ。 Thereの戦略部長interview 地球を使った軍隊の訓練用ツールという発想からスタートしているらしい。

実際の世界のデータを反映させるタイプの情報ツールは、 究極的には mirror worlds を目指すことになる。 オンラインゲームプログラムが、 現実の問題を解決するための mirror worldsツールを作るためにも使えるということを、 There.com は実証してくれるのかもしれない。 もしそうなれば、コミュニティエンジンの仕事も増えそうだ。嬉しいなあ。 There.com がんばれ!

ところで、私は、 mirror worlds タイプの仮想空間には、それほど燃えられない。 なぜ燃えないのか文章にしたことがなかったので書いておく。 まず私が重視するのは、「プレイヤーが思いついたことを自由にやってみて、 それが仮想空間の歴史に記録され、ほかのみんなに影響を与え続ける」 ということだ。これは絶対に譲れないポイントだ。

mirror wolrds タイプの仮想空間の場合は、 現実と同じ初期状態から始まっても、 手を加えるにつれてどんどん現実から乖離していき、 その結果いちばん最初の「現実と似ている」という価値が損なわれてしまう。 ちょっと想像してみてほしいのだが、 現実の世界地図のデータを少しでも変更した瞬間、 その地図はある問題を解決はするが、 その後はそれ以外の事にはまったく使えなくなってしまうことがわかるだろう。 だから、 mirror worlds タイプの仮想空間の良い利用方法は、 完全に現実と同期した「初期状態」を保ち続けて、 やりたい実験が出てきたら、その初期状態からブランチさせて、 実験をスタートし、ある時間それを行ない、 実験が終わったら結果を保存して終了させることだ。 絵にすると次のようになるかな。

ゲーム的仮想空間

仮想-----------------------------------------------------------> t


mirror worlds的仮想空間

         仮想+---------*          仮想+-----------------------
             |                        |
現実---------+------+-----------------+---------------------> t
                    |
                仮想+----------------------*

それぞれ、得意不得意がある。環境問題について考察+実験したり、 軍事的ミッションの訓練に使うなら mirror worlds 的手法がいいし、 まったく仮想の世界で「もうひとつの歴史」を楽しむなら、 ゲーム的仮想空間のほうがいい。

結局、私が mirror worls 法に燃えられないのは、 「自分がやった事」があくまでブランチ上にしか乗らないからかもしれない。 これは、プログラム開発における、 トランク(本流)にマージされないコードを書くことが 燃えられないのと同じ、だろうきっと。 ブランチだけでも確かに仕事は果たせるし、それはそれで良いのだが、 何故か私は、トランクにマージされないコードは書けないのだ。 まさに、私がビジネスマンに向いてないといつも言われる所以である。


(2004年2月18日水曜日)
Econophysics

はてな が、半年に1回ぐらい更新される読みものサイトで、 Econophysics の紹介が更新されているのを見つけだした。 考えかたの一例として「地球全体をひとつの電気回路と見なし、 電気回路の上を流れる電気がお金であると見なす。 そして実際の電気回路を安定させるための各種の物理学的方法を 経済の安定化にも使えないか考える」ということがあるらしい。 wikipedia にまだ登録されてないので荒唐無稽あるいはトンデモかと思ったが、 少し調べてみると一定の市民権は得てるみたい。

かなりお金の側面が強調されていて、お金を使って何をするか、 というところまでは踏みこまないことにしているようだ。 経済はそれと切りはなすことはできないように思うのだが。。。 ゲームとか仮想空間を作る場合には、 荒唐無稽な考えでもどんどん参考にして応用できるので楽しいことこの上ない。 荒唐無稽大歓迎だ。


(2004年2月17日火曜日)
picsy on gumonji

今日はpicsy のKenさんと、picsy on gumonji についての打ち合わせをした。 いままではアイデアが足りないせいで picsy on gumonji が本当に 面白くなるのかよくわからなかったが、 かなり面白くできそうなアイデアがやっと出た。 今日のアイデアを今後のために記録しておく。

まず、作りかたの方針。 picsy on gumonji では、picsyの理念を前面に押しだすのではなく、 プレイヤーが直接的な体験を通して面白さが理解できるように することを目指すこと。 丁度orkutみたいなツールで「友達の友達」の数が毎日増えていくのが楽しい、 という基本的な体験を通して、その面白さが理解できるような感じで。

その体験とは、 自分と過去に取り引きをした人が起こした事(主に取り引き)に関する情報を、 プッシュ式でプレイヤーに送るという事だ。 たとえば、 「以前俺が売ったバイクを買った人が、 すごい絵を描いて高く売った。その結果、自分の貢献度が0.2上昇して、 購買力も2100増えた。」 というようなニュースがどんどん来るようにするのだ。 通常のお金の仕組みは取り引きの情報を捨ててしまうので、 この機能は普通のお金の仕組みだけではできない。 貨幣という基本的な仕組みに取り引きをトレースする機能を組みこむことによって どんな取り引きでもトレース可能になるが、 そのpicsyに特異な部分を特別に強調して楽しむ。 どんどんプッシュされてくる情報をぼーっと見ながら、 自分と関係のある人達がやってる活動を眺める(トップサイト)というのは、 すごく楽しいに違いない。

それから、 picsyの貢献度の可視化についてだが、 「貢献度が 1.0 の場合、一人の参加者を養っていることに対応する。」 ということから、そのプレイヤーが何人の人を養っているのかを、 人型のアイコンの数でわかるようにする。 つまり、ちょうど 2.0 の貢献度の人の場合は、アイコンが2個あり、 0.4の人の場合は、人型が半分弱ぐらい表示されるということ。 最後に、今後gumonjiに安全なアイテムの取り引きインターフェイスを実装するときは、 決済貨幣と伝播貨幣と物々交換の3種類から決済方法を自由に選べるようにする。 もちろん、決済貨幣と同じように、何でも取り引きすることができる。

まとめると、「リンクをたどってプッシュ式ニュース」 「貢献度=人型のアイコンの数」 「取り引きインターフェイス」 というのが、 picsy on gumonji の核となる。

gumonji内には通常の決済貨幣も実装するが、 それとPICSYの実装は同じ時期にできるかもしれない。


(2004年2月16日月曜日)
地中生命の驚異

地中生命の驚異 を読んだ。 数ヶ月に1回の衝撃的に面白い本だった。 こういう面白い本は、「驚異」とかいう名前をつけると、 うまいラーメンに「うまいラーメン」という名前をつけるみたいに損すると思う。 かといって、いい名前をすぐには思いつかんけど。

最初の生命は、40億年前に稲妻が走る海(原始のスープ)の中で生まれた、 といまだに思っている人は、この本を読んでみると驚きがあると思う。 本書を単に極限状態でも生きられる細菌類を紹介する本と思うなかれ。 たぶん、次の一部分「ある種の粘土の結晶構造は、遺伝し、突然変異し、 自己複製機能があり、より速い成長速度を求めて生存競争を繰りひろげる。」 という事実について知れば、だいたい言いたいことがわかるかもしれない。 ある種の粘土は、成長をより加速するために粘度以外の資源、 たとえばアミノ酸をも利用し始めたという。 最近の科学ではこういうことが常識になりつつあるということを知らなかった。 この見地にたつことによって、ほかの惑星に生命がある可能性も飛躍的に高まるのだ。 たとえば火星には、液体の水や花崗岩があるので、おそらく粘土も莫大にある。 つまり今の瞬間も、火星では、花崗岩の粘土が進化を続けているかもしれないのだ。

しかし、本書の中で生命の起源に関する研究よりも考えさせられた部分は、 「環境の変化が激しい場所であればあるほど、 そこに住む生物は食うか食われるかの関係よりも、 共存共栄関係を築くようになる。そして、自然界の大部分の場所は、 そのような場所である」ということだ。 これはいつも感じる生活の法則(つぶしあいは長期的にみて損)と完全に一致する。 そして、共存共栄関係の基本にあるのは、 あらゆるものをあらゆる方法で接続するコミュニケーション手段の確立であって、 生命の歴史というのはコミュニケーションの方法を多様化し 効率化する歴史そのものだ。 生命(人間も)が生みだしうるコミュニケーションの多様性は、 まだまだ限界に達してないぞ。


(2004年2月14日土曜日)
somafm.com

フリーのいいラジオ局 を教えてもらった。 electronicaが充実してるので素敵。 それにしても、まったく知らんアーティストばっかり。


(2004年2月14日土曜日)
Ludology

Terra Nova で紹介された記事。 Academics get serious about video games 学問の分野において、 "Ludology" という新しい分野が生まれつつあるとの事。 技術的側面にとらわれず、文学的、芸術的、政治的、教育的、 そのほかあらゆる側面から、ゲームの文化を考察する学問だ。 Ludology という単語は、ラテン語の game という意味の語からきている。 ちなみに、 game neverendingをやってる会社は Ludicorp という名前だった。

こんな風に、単にプログラミングとかゲームの分類を越えた、 ほかの分野の専門をやったことがある人がゲームについて考えはじめることで、 ゲーム作りに今までと違った風が吹き、あたらしい内容が茅生えるかもしれない。 ものすごい希望的観測だが。 3月のGDC(コミュニティエンジンからは二人行く)で、 Ludologyについて言及はあるのかな?

仮想空間を作る国家的プロジェクトをどっかの政府が始めるのは近いのかもしれない。 すでにデジタルシティ みたいなゲームじゃない奴だったらあるが。


(2004年2月12日木曜日)
オンラインゲームの利用方法

仮想空間内で 2ndroomを実験して、うまくいくようなら 実際にやるというのはどうかな? オンラインゲーム内における 2ndroom は、 たとえばアイテムを預かるNPCがいて、そのNPCとアイテムをやりとりするのには ある量のコストや時間がかかり、 どんなアイテムがあるのか一覧できる仕組みがあればいいだけだ。

オンラインゲームを、ビジネスや政治の実験場としてじっさいに使えないか、 というこころみはたくさんある。 たとえば、Game Neverending とか。 これは "politic machine" という単語で自分たちのことを呼び、 その社会的機能を強調している。 はやくベータテスト再開されないかなあ。


(2004年2月8日日曜日)
ようやく

いま作っている gumonji が、 ようやく自分が徹夜できるほど楽しくなってきた。 やりすぎで腱鞘炎が再発しかけた。 これでようやく第1段階はクリアできそうだ。 あとすこし、あとすこし。

非シナリオ型なゲームを作るいいところの一つは、 自分でも楽しめるところかな。


(2004年2月7日土曜日)
イノベーションへの解

今日は、 「イノベーションへの解」 と、「成長の限界」と、「時間の分子生物学」を読んだ。 今日もいろんなことを考えさせられた。 本は、楽しいなあ。でも、もっとたくさん読む時間が欲しい。 orkut.com に、「読んだ本」もネットワーク化する機能があったら、楽しいのにな。 さっそくfeedback@orkut.com に, 所有しているAmazonの本のURLを登録できて、 その本を読んでる人同士が自動的にコミュニティ化される案をメールでリクエストしてみた。 音楽でもなんでも同じ感じでコミュニティ作りできるはずだ。 orkut.com に「持ってるもの」を登録できるようにするのは、すごくアツいことだ。

「イノベーションへの解」は企業経営の本だが、 なぜかすこし空しい気持ちになった。 読んだあと空しい気持ちになる企業経営の本は多いが、 それは多分、その本で提案している変革が、地球全体にとってどういうプラスになるのかについて、 言及していないからかもしれない。 あるいは、私が「イノベーションへの解」を成立させている枠組み自体に疑問を持っているから、 その枠組みの中の人向けの本に興味を持つことができないだけなのか。

30年前にくらべて、地球は圧倒的に小さくなったし、人間も圧倒的に近くなった。 利害関係のありかたも変化しているはずだ。 既存の枠組みの中にいる人にむけて、枠組みの変化を教えるという本もあるのかな?


(2004年2月7日土曜日)
orkut privacy policy JP

orkut.com を紹介するときはかならずプライバシー危機の話になるので、 友達を呼びやすくなるかな?と思って、 プライバシーポリシーを訳 してみた。 内容はあまり面白くなく、普通だった。ま、記念ということで。


(2004年2月6日金曜日)
orkut.com

きのう、 DaiyaさんからInvitationが来たのがきっかけで、 Googleのいちエンジニアが片手間に始めたという orkut.com で何人か友人、知人を登録して遊んでいる。 orkutでは、「あたりまえのことを完璧にやる」というGoogle流が貫かれている。 さらに、こういうサービスは「どのブランドがやるか」 ですべてが決まってしまうようなところがあるので、 orkutの勝ちの可能性はかなり高いように思える。 たとえば、私は、「はてな」が同じことをやりはじめても、 Yahooがやりはじめても、 orkutを使いそうだ。 ちなみに、 Appleが iFriends とかをやりはじめたら、 すぐ乗りかえる。

個人情報をGoogleに握られる(databaseを直接には公開していない) のは嫌な気がするが、私のようにweb上ですでに多くの情報を公開してる 人間にとっては、これまでとそう大差ない。 写真も、本名も、住んでるところも、人種も、持ってるお金も、 どこで何してるかも、かなりネット上にある。 今後は、プライバシーを漠然と守るのではなく、 「どのプライバシーをどうやって守るか」を自分で考えて、 限られた場所に重点的に投資をする、という風になっていくのだろう。 守るつもりのないとこは完全公開。 orkutには、データベースを完全に公開して、 サービスの透明性を維持してほしいと願う。

orkut でひとつ楽しいのは、friendの誰かが友達を増やすと、 自分の友達も連鎖的に増えていき、 その数が数値で見れることだ。 現在私の友達は1段階目は10人になっているが、 その向こうをたどっていくと29563人いる。 このポイントを見ていて楽しいのは、それが増えていく一方だからだ。 (飽和してくると減ることもあるだろうが)

orkutを体験して、social networking のツールを応用したら 情報財の対価を支払うシステムとして使えるのではないか? という感じがした。 世の中にたくさん orkut みたいなのができたら、 メタ social networking ツールもでてくるのかな?


(2004年2月4日水曜日)
火星進出で RAID1

RedColony.com : Two worlds are better than one からの着想。 火星を Terraform して人類が移住できたら、 地球と火星で RAID Level 1 を構築でき、 システムの安定性を飛躍的に高めることができる。 つまり、片方が壊れることはあっても、 両方が同時に壊れる確率が限りなくゼロに近いので、 片方を直すあいだ、片方で時間を稼ぐことができる。

星が2個になったら、安定性は2倍じゃなくて、何百倍にも向上するということだ。 これは、やる意味がある。 RedColonyの記事の紹介サイトつくりたくなってきた。 当然、その時間はないが。


(2004年2月3日火曜日)
RedColony.com

RedColony.com SFではなく仮想空間でもなく、 実際の火星にコロニーを作ることについて真面目に情報を集めて、 議論をしている場所を発見した。 読みものだけでかなりの量がある。 しばらくは楽しめそうだ。


(2004年2月3日火曜日)
small things do matter

中国のスタッフにいろんなことを伝えていくときの合言葉を、 最近ずっと考えている。伝えたいことはいろいろあるけど、 とりあえずひとつの言葉に絞るとしたら、 「小さいことでも、それこそが重要だ。」ということかなあ。 中国のサービス産業などを見てるとまだまだ小さな違いへの気配りが乏しい気がする。 中国製のコンピューターとか、製造業ではすでにちゃんとした品質になっていて 日本人でも満足できる水準になっているが、 サービスの分野でも徹底的にやれば改善するんだろうか。


(2004年2月2日月曜日)
やってみるテスト

今日は カサンドラのジレンマと、 Googleキーワード2004 と、 手にとるように中国がわかる本 と、 ミラーワールド の4冊を読んだ。Googleキーワードの本は、 本全体がまさにスパムだった。検索エンジンの商業化と、 その弊害をひしひしと感じる。 ミラーワールドは、仮想空間の未来についての個人主義的予測。 ジョージ・ギルダーの論に通じるものがあった。

今日は、「カサンドラのジレンマ」を読んでふたつ知識が増えた。 まずひとつめは、 オランダにおいて進行している「分離政策」と、その背景にある哲学だ。 以前から、「経済成長と環境保護を両立させることができる」 ということがどうやったら達成できるのかについて、 ほかの人にうまく説明できる文脈を自分の中に持っていなかったのだが、 今回はオランダの、環境と経済の分離政策を知って話ができるようになった。 この考えは強力で面白い。gumonjiにも盛りこめるかもしれない。 GDPとEの分離とは、 「経済成長(GDP)は、物質の流量(質量あるいはエネルギーE) によって決まっているわけではない。それぞれは別の指数である。 GDPはやりとりの量であって、物質やエネルギーの絶対量を意味しない。 つまり、経済の中を流れるものの質や速度や頻度を高めれば、 Eの総量(環境の破壊度)とは関係なくGDPは上がる。」 まさにそのとおりだと思う。 すでに人間は、生物の勘で、速い通信回線を求め続けている。 生物というのは実は、本能的に 「共有地の悲劇」の解決方法を知っているのかもしれない。 実際に、肉食動物は、草食動物が絶滅しないように少しづつ食べることが 知られてるし。 人間については、それがいままでは一部の人間による プロパガンダによって知らないことに されていたのかもしれない。。。。恐ろしいことだ。

ふたつめは、この本の大事なメッセージである、 「計算してみよう。」という何とも愚直かつ強力なアイデアだ。 人間がずっと生きのびるためには、何も盲目的に、 環境保護運動に参加する必要はない。 手持ちのツールを使ってデータを取りよせて、さくっと計算してみればいい。 そしたら、自分が次にすればいい行動はすぐにわかる。 そのためのツールは昔よりは随分と揃ってきている。 単に、みんなに計算のためのツールを渡し、 自由に使えるようにすればいいだけだ。 ここで必要なのは、フリーな教育資源と、コンピューターと、データと、 データを増やすためのセンサーだ。 さらに実際にその計算にもとづいて行動をしてみたくなったら、 仮想空間でテストしてみて、よさげだったら本当にやればいい。 「言ってみるテスト」から「やってみるテスト」へ移行するのだ。 掲示板では言ってみるテストしかできないが、 仮想空間だったらやってみるテストもできる。

今日は、自分のおもな興味である仮想空間を作るということと、 自分のまわりで発生しているすべてのプロジェクトが、 「GDPとEの分離」と、「計算してみよ。」というふたつの言葉だけで 組みあわさってしまうことに驚いたのだった。 人間をバカに保とうとする勢力を駆逐する努力、 あるいは発信者と受信者が渾然一体となった場所を作る努力をすることは、 間違ってないとさらに確信した。


(2004年2月1日日曜日)
怠慢?

「作品を見るまで、質問は受けつけません。」 といって自分の仕事の説明を避けるクリエイターは、 怠慢なのか、傲慢なのか、どっちでもないのか。


(2004年1月30日金曜日)
青色LED訴訟

産経の記事で判決文の引用 を読んだ。 大企業の研究所みたいにほかの研究者の協力がふんだんに利用できたり、 会社が用意した強力な実験設備を使ったりといったことがないという 「特殊な事情」があるということを知らなかった。 日亜化学工業は控訴するとしているが、 勝てそうにないな。

組織の仮想化がまた少し、進みそう。


(2004年1月30日金曜日)
地雷を探知する花

Radium software development での 地雷の近くだと色が変化する花 の記事。素敵な話だなあ。 gumonjiの企画にあった「センサー・フラワー」だ。 故意に繁殖力をおさえて生態系に影響を与えないようにしてある というところもすごい。


(2004年1月28日水曜日)
分類することについて

最初は、自分が作っている物(gumonji)の賛同者を効率よく得るためには、 それがもつ価値観や雰囲気をうまく何かに分類してしまうことが必要だと思っていた。 しかし、それを止めることにした。 無理やり分類をしようとしたら、 価値観や雰囲気が死んでしまうことに気がついたからだ。

しかし、ただ止めただけでは、多くの人に考えを伝えることはできない。 どうしたら、分類をせずに、うまく伝えることができるだろうか?

gumonji の場合は、その独自性は、雰囲気や価値観に集中している。 雰囲気や価値観をうまく伝えたい場合、文字だけでは足りない。 デザインの力が圧倒的に必要だ。 文字2、デザイン8か、あるいはそれ以上だと思う。 情報が溢れれば溢れるほど、デザインの重要性は高まるだろう。

今からgumonjiのmanifestを書きなおすが、 かなり短かい文章と、 たったひとつの強いイラストの組みあわせでいくことにしよう。


(2004年1月23日金曜日)
The Value of Realism

昨日書いた Terra Nova での今日のエントリ。 The Value of Realism を紹介しておく。内容に即して標題を訳するとすれば、 「写実主義(を追求する)価値」といったところかな。

この記事を要約すると、 「現在、仮想空間をつくろうとがんばってる人たちは、 もっともらしさ(verisimilitude)ばかり目指している。 これは絵画における写実主義みたいな感じだ。 今後、さらに仮想空間の表現が発展していくと、 ピカソとかラスコーみたいな表現もでてくるのかな?」 面白い問いだ。

この記事で、現在の仮想空間表現において、何が簡単で、 何が難しいのかについての例示があったが、 それも面白かったので紹介しておく。 以下、簡単なこと

  • コイン
  • ブロック

以下、難しいこと。

  • 木琴
  • トランプのデッキ

分類方法がいまいちな気もするが、要は、 相互作用のパターンを限定しきれるかどうかが重要ということだ。 この問題を解決する方法については、ふたつのアプローチがある。 つまり、UNIX的解決方法と、Microsoft的解決方法だ。 どっちがいい、というよりは価値観の問題だ。

で、写実主義の話に戻るが、 記事のコメントにある 「むずかしいかどうかは、予算次第だよ。」 という端的なすばらしい突込みに拍手を送りたい。 ここでいう予算は、莫大なCPU能力か、莫大なデザイナー人件費のどちらか、 あるいは両方に費やされる。 たとえば、 「ピアノの音を、サンプリングせずに楽器の構造だけからsynthesis したときには、10GHz分のCPU能力が必要だった。」というコメントがついていた。 これに対して、ピアノの音をサンプリングする方式だと、 ギターの音を出したくなったら、またサンプリングしなければならず人件費がかかる。

「ピカソやラスコーの絵のような表現形式の仮想世界がありえるのか」 という問いに関しては、 マンガや映画では抽象的な表現は限りなく少ないが、 絵画や演劇においてはけっこう抽象的なのが多いということから、 それらのメディアのもつ歴史的背景、商業的背景を抜きにしては語れない、 というのが私の感想だった。 Terra Novaの書きこみはいろいろ考えさせられるのが多いから、 今後も紹介していくことにしよう。


(2004年1月22日木曜日)
Terra Nova

Terra Nova というサイトを見つけた。ネット上の仮想空間の構築に関して、 実装技術だけでなく、経済や政治に関しても興味範囲を広げ議論を展開する、 blogベースのコミュニティだ。persistent state game に限りなく偏った、 まさに、今から作ろうと準備していたページだ。 面白い議論を実際にやってるかどうか、しばらくチェックしてみよう。


(2004年1月21日水曜日)
老人とテクノロジー

今日は、午前中、 IPAX に行って、PICSYの展示を手伝った。 PICSYは、現在の貨幣の問題点を解決しようとする、 100年〜1000年先を見据えた、 誤解を恐れずに言えば女性がまったく興味を示さないタイプのプロジェクトだ。 で、その展示には100人以上いろんな世代の男性(わずかの女性と)がきた。 そこで人間観察をして思ったのは、 いま、いちばん頭が固いのは、30代の青年ではないのか? ということだ。

老人と話をしていて衝撃だったのは、彼らにとっては、 僕らが人生の大前提としている資本主義とか、民主主義とか、治安とか、 意思決定の基礎に置いてるものが当たりまえのものではない、ということだ。 だから、経済の根幹にかかわる大改造とか、 価値観を根本的に変える必要のある提案をしても、 30代の人なら「そんな無茶な。できるはずない。」 と言って終わりになるところが、 「へぇ、で、それはどんな風にやるの?」となる。 日本の政治、経済のしくみを作ってきた人たちと、 作られた後に産まれた人たちとの差は、あまりにも大きい。

ひとりの老人が、鋭くもこういう事を言っていた。 「同世代の人に説いてまわるより、子供に説いてまわるほうがいいよ。」 そうか、なるほど、うーむ、知恵とはこういう事をいうのだ。 彼はさらに、「子供用に、伝播投資貨幣を学べるゲームを作ればいいのでは。」 とも言っていた。 これを発展させると、たとえば中国とかで説いてまわるほうが、 日本でやるよりも効率よく広めることができるかもしれない。 経済の大前提みたいなものを、いままさに作っている最中の国だからだ。

今日、手伝いにいって得たものは、果てしなく大きい。


(2004年1月21日水曜日)
NINTENDO DSと立体視

2画面ゲームボーイ(?) を任天堂が出すらしい。文章を読んだだけでは、あまりぱっとしないが、 実は、任天堂は、2つの画面の同期を半分ずらし、 (特別なめがねは必要とするものの)本当に奥行きを感じることができる 立体表示を目指しているのに違いない (立体視の方式いろいろ)。 プレスリリースの内容を見ると、 いちばん大事なことを言えなくてうずうずしているのが感じられる。 (「上下2段」といいつつ、横にもなるに1票。)

しかし、ここで疑問になるのは、そんなに小さい端末に、 はたしてそれだけの(ゲームの3D処理+立体視用の変換処理) のための半導体をまともな消費電力で詰めこめるのか、ということだ。 任天堂のスーパーエンジニアたちがその問題を解決したのだとしたら、 これはもうまさに画期的なので、 私はその端末の能力を活かした仮想空間の開発を即座にスタートさせたい。 ゲームをやるときにめがねをかける、 というのが何とも気分を盛りあげそうだ。 そして、バーチャルボーイと異なり、複数人でその画面を見れる。 逆に、立体視がないとしたら、何のための2画面なんだ? と、問いつめたくなる。いや、ほんと問いつめる。

さて、本当の立体視が可能になったら、どんな遊びが作りたいだろうか? 私は、「何かを組みたてる系」の遊びをつくりたい。 いままでは、立体的表示と操作の困難さから、 複雑な立体構造をもつものを表現しにくかったが、 その障害から解放されるのだ。

現実的な応用としては、たとえば、LightWaveみたいなツールを使う デザイナーの開発補助ツールを作るというのも面白い。 こういうツールによって、より素敵なモデリングができるようになるかもしれない。

ああ、進歩するというのは、なんと楽しいこと。


(2004年1月20日火曜日)
Cマガ(仮想空間特集)

今月号のCマガ(2004年2月号) で仮想空間についての特集があった。 現状のネットゲーやシミュレーション業界について、 ゲーム開発者の視点から分類されている。 分類をするだけからもう1歩踏みこんで、 「仮想空間を作ることの意義」とか、 「どうやって作るのか?」とか「誰が作ってるのか?」 とかまで行けば面白かったのに。。。 連載じゃないからもう終わりなのかな? ここで終わるのはもったいない。


(2004年1月17日土曜日)
powers of ten (softdrink3)

今日はいつにない盛りあがりを見せた。 この会はまだネタ切れしないらしい。というか、 会のメンバーに情報が入ってくる速度がすごく速いので、 いつまでもネタ切れしないのかも。 次回のネタとして、 「中国進出してる数人の発表」 「みんながパトロンを連れてくる」が挙がった。 パトロン連れてくるのは、いったいどうなるのかまったく読めないが、 うまくいくとすばらしく面白くなりそうだ。 一応今日の個人的感想を記録しておく。

  • 私は最近おしゃれしなくなっていってるが、それはいかんいかん。
  • あまり説教しないようにしよう。

今日、話しているなかで、 powers of ten のお金版がでてきたので、 まとめてみた。これは縦横に成長させると面白そうだ。


(2004年1月15日木曜日)
進化速度を速めるためのしくみの開発

現在Googleは世界に2万台以上のサーバーを用意して、 世界中からの検索要求を処理している。 ひとつの企業がすべてのトラフィックを牛耳っていることは、 検索結果が商業的、政治的にねじ曲げられているかもしれないとか、 検索キーワードというものすごいプライバシー情報を含む情報が、 ぜんぶ記録されてるかもしれないとか、情報の安全面において、 根本的な嫌悪感がある。これは本能的なものだ。 Googleの時価総額が1兆円と言われるのも、 そういった商業的、政治的な価値があるからこそだ。 同じ精度の検索結果を出力できる分散的検索エンジンがあったとしても、 そのソフトウェアを作っている企業は時価総額は1兆円にはならないだろう。 せいぜい100億円程度ではないか。

反対に、ひとつの企業が全部の処理をする利点もある。 それは、人類全体にとっての利点だ。 たとえば、世界中の家庭に強力なホームサーバーがあって、 そこでGoogle相当のものが動いている場合、 そいつらがWebを Crawlingして自分でindexを作るか、 どっかで作ってるindexをときどきダウンロードするかしなければならない。 おそらくそのためには、1日一人あたり、数GB以上の通信が必要になるだろう。 そしてまた、各webサイトへは、怒涛のようなロボットからのアクセスが起こる。 それに対して、Google一社がぜんぶの処理をひきうける場合は、 だいたい、普通のユーザーだと1日あたり100回ぐらいだろうから、 1回の検索結果が10KBとしても、1日一人あたり 1MBしかない。 また、Google社がWebを巡回する場合は、ひとつのWebページに対するロボット からのアクセスは、高々一日数回だ。 つまり、人類全体にとってみると、何千倍もの通信量の差があるのだ。

ふたつの方式の資源効率は、工夫しなければ数万倍の開きがあるだろうが、 うまく両者の間をとる(一部分散、一部集中) と数十倍ぐらいにはできるかもしれない。 通信回線に数十倍の投資をすれば、通信内容の安全を買える、ということだ。 SSLとかセキュリティ製品も同様だ。安全を買うためにはコストがかかる。

人類の効率いい生存のために、 「完全な一極集中」でもなく「完全な分散」でもない、 分散具合をいつでも調節できるような検索エンジンがあれば、 世界の状況にあわせて、快適で、かつ安全な生活ができるようになるのだろう。

考えてみれば、「強い種が勝ちすぎると多様性がなくなって、 全体としては損失が起こる」という、それだけのことだ。 「多様性、進化速度を高めるための仕組みの開発」 は、生物にとっての永遠のテーマだな〜。


(2004年1月14日水曜日)
つまようじブリッジ

今度、仕事を一日休みにして、 つまようじで橋を作る遊び をチームをくんでやってみよう。 いままで Bridge Builder でやってたことだが。リアルのほうが何倍も面白そうだ。 橋も面白そうだがタワーも面白そうだ。


(2004年1月13日火曜日)
a beautiful mind

2001年にAcademy priseをとった a beautiful mind を見て感動した。映画にでてきたいろんな単語を知りたくなったので 久しぶりにゲーム理論関係のページをいろいろ調べていた。 ゲーム理論のページは無数にあるが、 今日はいままでになく良い 読みもの を発見した。いままでに見た入門の中でいちばんいいかも。 大國氏のページは全体的に質がいい。


(2004年1月12日月曜日)
はずれ展示会×2
  今日は起きてすぐICC の FUTURE CINEMAを見て、
その後、恵比寿の写真美術館にレベルXを見にいった。
どっちもはずれだった。

  FUTURE CINEMA のほうは、
「来たるべき時代の映像表現に向けて」
というものすごい大風呂敷に誘われて見にいったが、
中身は、どの作品もどこかでみたような
3次元投影や、ビデオ・クリップの類ばかりだった。
フラッシュで作った、webに落ちてそうな質の映像が多かった。
そういうのは、興覚めの原因だ。
残念。

レベルXは、「ファミコン20周年」という言葉に
ちょっと不安を覚えつつも、「テレビゲームの展覧会」
というメインの売り文句に期待して行ったが、
やはり中身は
「任天堂による、任天堂(ファン)のための、ファミコンのレトロソフト展」
だった。
とくにつらいのが、ファミコンが、それより前の
どういう歴史の上に成立しているのか、
またファミコンの後には何があるのか、
将来はテレビゲームがどうなっていくのか、
過去や未来に関するアンテナが一切ない、
なんとも残念な内容だったことだ。
年表、系譜図、技術解説といった、展示会の基本すらない。
ちなみに、私は、「テレビゲーム」という言葉は嫌いで、
「ビデオゲーム」とか、
「コンピューターゲーム」のほうが好きだ。

写真美術館の別の階では、
セバスチャン・サルガドの写真展をやっていた。
そっちのほうが100倍面白かった。
とくに、ルワンダの難民キャンプの高解像度写真と、
南米の金鉱の写真によって、
インスピレーションを得ることができた。
今日の収穫は、この写真展で
「働く人間たちを観察すると、何か思いつくかも」
という予感を得たことだ。

今日は文のスタイルを変えてみようと思ったが、
なかなかうまくいかないな。
世の中には、「たて書きできるweblogツール」
というものは、ないものか。

(2004年1月11日日曜日)
weblogとメール

t-b-d blogのJan7 で、 「weblogツールはいずれメールクライアントに吸収される」 「MSNやAOLなどのメッセージング支配者は、 いずれそのメッセージツールにweblogを吸収する」 というコメント。

あるアドレスにメールを送るとそれが weblog エントリに追加されるということばかりでなく、 weblogの読者との対話にも活用してしまおうという話。 読者との対話といっても、 たんに新しいエントリを書いたらそれが読者に送られるだけじゃない。 メールというのはコミュニケーションのおもな手段だから、 誰かに返信をするついでにblogに投げてしまえるとか、 blogの内容や頻度にも良い影響を与えるかもしれないということも重要だ。 この点についてはメールのインターフェイスがもっとも優れているだろう。 weblogのネタの多くは誰かから来たメールを読んだときに思いつくものだから。 メールと深く融合したweblogツールは、もうすぐ多くの企業から出てくるのだろうが、 メールを使ってweblogを操作することがあたりまえになったら、 メールの使いかたも変化することだろうな。


(2004年1月11日日曜日)
雲のレンダリング

3D仮想空間において雲をいい感じに表示するためのpaperを 公開 してる人がいた。低い計算コストである程度の出力を得るアプローチ。 仮想空間を作る場合はムービーとは異なり動的に生成できることが重要になるから、 またムービー屋さんとは違うノウハウが必要になってくる。

仮想空間を構築するための基礎知識や技術の実際について、 アカデミックじゃない方法で網羅的に扱ったページというのは、 意外にないようだ。自分の勉強のためにも作ってみるか。 ちょっと構想を練ってみよう。


(2004年1月10日土曜日)
vivisimo

クラスタ型検索エンジンvivisimo.com を教えてもらった。 googleより良いかもと思えたのは初めてだ。 たとえば "virtual world" という単語で vivisimo してみると、 google よりもだいぶん良い。 たとえば "kengo nakajima" で検索すると左端にちゃんと CommunityEngine というクラスタが出る。 楽しいなあ。 さらに、 "中嶋 謙互" だと、 まるで私自身のことを代わりに説明してくれてると言えるほどだ。 vivisimoを使ったあとにGoogleを使うと、ものすごく物足りなく感じる。 クラスタ型だと言語単位のクラスタを用意すればいいだけなので、 「日本語のページを検索」も必要ない。 たくさんの企業が追いつけ追いこせをやってるのは、素敵なことだな。


(2004年1月9日金曜日)
売れる本

人はなぜ、本を読まなくなったのか? を読んだ。 「かたい本」が売れなくなっているということへの危惧から、 出版の危機を論じ、それを越えていくにはどうしたらいいのか、という議論だ。 私自身は、かたい本をふくめて本を読む量が少しづつ増えているので、 本を読まなくなっているグループには入ってないようだが、、、

この論文集の中で面白いと思ったのが、 大学の出版局での「売れる論文」のジャンルだ。 自然科学論文書(例では、脳科学、原子物理、神経科学が挙げられてた) は超高額で取り引きされ、人文系論文書はまったく売れないらしい。 理系に強い大学は儲け、文系に強い大学は経営難に陥る。 ほかにも「小説」が売れないらしい。マンガも売れない。 それに対して「howto本」とか「情報本」は売れるらしい。 現在のhowto本や情報本は、科学的知識を編集し直したものと考えていいから、 結局おなじグループに入る。

本が売れないとかそういう個別のことが問題なのではなくて、 私は実は、「文系のかたい本」とか「小説」というのが、 ゆっくりとその役目を終えつつあるのだと思う。 こういう本たちは「神秘的な本」だ。 神秘的なものに興味をもつ人が神秘的な本を買う。 世界にはどれぐらい神秘的なものがあるのだろうか?

神秘的でないものの代表として科学の知識がある。 科学の知識は指数関数の勢いで世界に蓄積していくから、 世界の中の「わからないこと」は、大きなものから順になくなっていき、 なくなる速度は加速する一方だ。 最近のノーベル賞は小粒だと言われるが、 だんだん「大きな謎」が減っていってることのあらわれなのかもしれない。 こんな風にして世界の「神秘的な部分」というのは減っていく。 最初、世界の100%は神秘的だったので、 世界の100%の人は神秘的なものを信じて生きていた。 しかし、いまはそういう人は50%ぐらいしかいないのではないか。 そんなときに神秘的な本の売れゆきが伸びるはずもない。

もし、また次に「大きな謎」の領域が発見され、 神秘的な部分が一挙に拡大したら、 そのときはまた神秘的な本が売れるのかもしれない。 たとえば、身長500メートルの怪獣が東京湾から出てきて東京を破壊し、 都民の半分を食べて宇宙に帰っていくということを2004年に人類が観測できたら、 一気に「文系のかたい本」も売れるのではないかな?

だから神秘的な本の出版社が恨むべきは、 いまの科学の体系が繁栄している事そのものであり、 それをくつがえすのは、普通の人にはあまりにむずかしい。 はやく、次の職につくことを考えたほうがいい。 神秘的でない本は今後はがんがん売れるだろうし、 それらの本にも文化的価値は確実にある。

音楽を自動生成 する業界というのがあるが、 そこでも毎日「進歩」が続いている。 ここでも科学は神秘的なものを減らし続けている。


(2004年1月8日木曜日)
本の読みかた

リフキンの 水素エコノミー を読んだ。 メッセージとしては石油が足りない、アラブがキケン、 だから水素のエネルギー網を作ろう。その条件は揃いつつある。 という誰でもが思いつきそうな事だ。半年前の本。 本の前半90%は歴史の解説で、のこり10%が、 新しい(私にとってだが)アイデアが含まれている部分だ。 実際に具体的に「新しい」と思えたのは、 全部の発電所を燃料電池車で置きかえるという部分だけだ。 これも多分彼のオリジナルのアイデアではない。

本を書く人は、過去の情報を編集した部分と、 自分のオリジナル部分を明確に分けて、 「ここが、オリジナルなんじゃ〜!!」とか、 「この編集方法が、オリジナルなんじゃ〜!!」と明確に分けて言うようにしてほしい。 とここまで考えたのだが、この本はそもそも、 誰かの行動を変えるために書かれた政治的メッセージであり、 新しいアイデアを紹介するためのものではないことに気付いた。 おれの2時間はいったい何だったんだ。(がっくり) フラーの本が彼自身のアイデアで満ちあふれていることとは、対照的だ。

今後はこういうプロパガンダ本を読むときはもっと高速に読もう。 まだまだ本の読みかたが下手だなあ。


(2004年1月5日月曜日)
冷たい方程式

passion for the future で冷たい方程式についての記述に鳥肌がたつ。 「おもしろき こともなき世を おもしろく」 するためには、 冷たい方程式の支配に抵抗する方法を探し続ける努力が必要なのだ。 それを最初から放棄することは人間の進化を否定してるのと同じだ。

これまでずっと自然は、生物が進化速度を高めるための仕組みを編みだし続けてきた。 人間も、故意にしろたまたまにしろ、「なんかいい方法」をみつけて取りいれていく ことができるはずだ。どちらにせよ、いろいろ試してみるしかない。

現実社会でひとつ「なんかいいかもしれない方法」 を実験するためには100年単位の時間がかかる。 たとえば、「共産党宣言」で提案された「なんかいい方法」は、 それが、ちょっとうまくいかないかも、 とわかるまでに100年以上必要とした。 しかし、仮想空間の中なら時間の流れは制御できる。 この文脈でいまの仕事に大義名分を与えるとしたら、 「なんかいい方法」の探索活動に、 仮想空間を作ることで貢献することが、 いまの仕事の使命ということになるのかもしれない。


(2004年1月4日日曜日)
考えごとをする場所

今年の行動目標のうちのひとつ「考えごとをするための場所をつくる」について、 さっそく考えてみる。

考え事をする場所が必要だと思ったのは、何かを思いつきやすい場所は 意図的に作れると確信したからだ。そして、そのための投資は、 節約するべきでない。 何かを思いつきやすい場所は、こんな条件をみたす:

  • 身体的にくつろげる
  • 割りこみが少ない
  • 音楽
  • 景色がよい
  • 自然的なものがある
  • 本があふれてる
  • 広い

これはいわゆる、書斎というやつか。 いまの仕事場も、夜はけっこういいかんじだが、身体的な心地よさとか、 景色がないとか、完全にひとりになるわけじゃないとか、ぜんぜん完璧じゃない。 いますぐすごくいい感じの考えごとをするための部屋を作らないと、 後ですごく後悔しそうだから、今年は、そのために多目に投資をすることにする。 東京で上の条件を満たすところを探すとなると、かなり高くつきそうだが。 いまは節約するなと、からだの神経が言っている。

その部屋には、自分用以外の椅子を2個ぐらい、置いておこう。


(2004年1月4日日曜日)
new year's resolution

Matzにっきを読んで、「今年の抱負」を英語ではこう言うのだと知った。 あしたから仕事だし、今日は今年の抱負について、記録しておこう。 そういえば、このweblogが年を越えるのははじめてだ。

今年は、自分のペースを取りもどしたい。 去年は、いろんな外部要因にふりまわされて、 本来の自分のやりたいことから外れたり、時間を無駄にしてしまった。 2004年はそれを反省して、悩んだら自分のやりたいことを優先するようにしよう。 具体的な行動としては、仕事ではgumonjiを軌道にのせ、 gumonjiの次であるsimularium のプロジェクトを始動するための準備をする。 個人的には考え事をするための場所を作り、 ひとつ美しいNature Aquariumを作り、ひとつ高い山に登り、 本を100冊読む。


(2004年1月1日木曜日)
時間の流れる速度

自分の考えは、自分のいる場所によって強く影響される。 大津では時間がゆっくりすすんでいるので、 のんびり構えた感じの考えになりやすく、 東京では時間が早くすすむので、あせった感じになる。 いつもそう感じるのだが「ゆっくり流れる」というような感覚は、 具体的にはどういうことかについて、いつか考えようと思ってまだ考えてなかった。

時間がゆっくり流れているとは、情報の流速が遅いということだ。 たとえば、大津では、光ファイバーが通ってからまだ半年しかたってないし、 Vodafoneの電波も家の中では圏外になる。情報の流れる量が少ない。 こういうデジタルな情報の他にも、ローカルな情報の変化もおそい。 周囲の家の引越しはここ10年で2件ぐらいだし、 ここ20年間は、店ができたりつぶれたりしたこともない。 散歩してる顔ぶれもおなじ。空の飛行機の音も20年前と同じ。 公園の雑草の感じも同じ。工事中の場所もない。 人間は、自分に入ってきた情報を全部整理できないとイライラするので、 東京にいるとイライラ度が高まるのにちがいない。

世の中には中国の都市部みたいな変化の激しいとこもあれば、 スコットランドみたいに遅いところもある。 どっちがいいというのではなくて、いろんな変化速度のところに行って いろんな思考をしてみるのがいいのだ。 あるいは、いろんな変化速度のところにいる人が、 一緒になって仕事をするのがよいのだ。


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