Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
Matzにっき(2005-04-18)
[go: Go Back, main page]

«前の日記(2005-04-17) 最新 次の日記(2005-04-19)» 編集

Matzにっき

<< 2005/04/ 1 1. 『ルビま!』休刊のお知らせ
2. emerald 0.1
2 1. エイプリルフール種明かし
2. Stricter Whitespace Enforcement
3. オープンソースで育て! 日本のソフト開発力
4. マツダがリコール MPV・プレマシーなど6万台
5. Javaのメモリ消費問題の解決を目指すSunのプロジェクト「MVM」
6. UNIX USER 6月号
7. 散髪
3 1. 松江
4 1. セミナリー
2. Progenyの改革:FOSS企業がいかにしてドットコム崩壊を生き延びたか
3. 捻挫に...
4. 論文
5 1. A Poll
2. Trails
6 1. サンのJ・シュワルツ、オープンソースライセンスのGPLを批判
2. Objectクラスの上
7 1. 花粉
2. 続、Objectの上
8 1. No More Free BitKeeper
2. 桜
3. 日経Linux
4. OSI、オープンソースライセンスの分類に乗り出す
9 1. 桜と総大会
10 1. 桜と総大会(その2)
11 1. 入学式
2. 高橋メソッド
12 1. 日経Linux 6月号
2. バールのようなもの
13 1. 特許における「発明」とは何か
2. マイクロソフトのOOoに対する姿勢は新手のFUDか?
3. Objectの上(その3)
4. U-20プログラミングコンテスト実行委員会
14 1. 誕生日
2. 献血
3. ヒゲ
15 1. SCIgen - An Automatic CS Paper Generator
2. OSCJ.net、オープンソフトOSS開発支援プロジェクトが発足
16 1. ドラマに見る「緊急対応」に対する一般的イメージ
2. バプテスマ会
17 1. 米子
18 1. TCPフロー制御アルゴリズムは人のマネージメントへ応用できるか
19 1. Rails Day
20 1. Dynamic Languages Symposium 2005
2. ある「ハッカー」の顛末
21 1. L・トーバルズ、新しいLinux開発管理システムに「Git」を選択
22 1. Why Smart People Have Bad Ideas
2. 新GC
23 1. 「1週間コンピュータなしで暮らそう」--米で『無使用週間』実施へ
2. 買い物・食事
3. アクセス
24 1. 倉吉支部大会
25 1. 自転車運搬
2. 新GC
26 1. Lightweight Language Day and Night(通称:LLDN)
2. YARV?
27 1. Ruby is the "Most Loved" programming language
2. 訃報x2
3. スクリプト言語人気に思う,動的型付け言語の可能性
4. プロポーショナル? 固定ピッチ?
28 1. PEP #340 Anonymous Block Statements
2. 論文
29 1. 宍道ふるさと森林公園
30 1. 論文書き
>>
Dr.Web 予測するアンチウイルス 持ち込み PC 対策でお悩みの方にオススメです。
ウイルス・スパイウェア検査・駆除 用ツール Dr.WEB CureIt! を無償配布中!

2005-04-18 [長年日記]

_ TCPフロー制御アルゴリズムは人のマネージメントへ応用できるか

タイトル通り、TCPフロー制御アルゴリズムを(人間の)マネージメントに応用した場合、 どのような原則が得られるか、ということを示したエッセイ。

あげられているのは以下のような原則。

  • 完全に終わったという報告しか信用しない(選択的あるいは否定的な確認応答を返せない)
  • 余力があるかどうかを、部下にしょっちゅう自己申告させる(スライディング・ウィンドウ)
  • 余力があると言った奴でも、実績の無い奴は信用しない。しかし、可能な限り速く、能力一杯までタスクアサインする(スロースタート)
  • 部下の仕事の速さを測定して、状況再確認のタイミングに生かす(RTTの測定とタイムアウトの計算)
  • 納期に遅れた(タスクを落とした)奴の信用度は一気に落とす。しかし、タスクを落とさない、ぎりぎりの能力を速やかに見つける(輻輳回避アルゴリズム)

ここから引き出すことのできるマネージメントルールは以下の通り。

  • 終わったという報告以外は信用しない
  • 「順調です」や「予定通りです」、などの調子の良い途中経過は無視する
  • 何も報告が無いのは、できていないと判断する
  • 余力があるかどうかを、部下にしょっちゅう自己申告させる
  • 余力があるという言葉は、半信半疑で聞く
  • 余力が無いという言葉は、信用する
  • 余力があると言う部下でも、実績の無い相手は信用しない
  • 徐々にタスクアサインを増やして様子を見る(能力を見極める)
  • のんびりしてはいられないので、タスクアサインの量は倍々で増やして、能力一杯を素早く見極める
  • 見積りのために、仕事の速さを測定して、平均値と偏差を常に荷重補正して知っておく
  • 嘘っぽくても、正規分布を描いて、平均値を中心に平均偏差の4倍の範囲に99%以上が収まることを示して、それを越えて報告が無い場合、遅れていると見なすと宣言する
  • 納期に遅れた(タスクを落とした)部下の信用度は一気に落とす
  • 以前できていた1/2ぐらいのところまではできると仮定してタスクアサインする
  • それ以上に負荷をかけるとまた裏切られる可能性があるので、徐々にアサインを増やして様子を見る

面白い。すごくドライな気がしないでもないが、 パフォーマンスのためにアルゴリズムにかけるのと同じくらいの設計努力で、 マネージメントルールもきちんと検討することも重要なのかもしれない。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
_ maeda (2005-04-20 18:32)

面白いですが、人間に与えるタスクの量は、精度も可変幅もそれほど大きくないところが問題ですかね。あとは、納期ミスのペナルティが大きいような仕事で、一挙に2倍の仕事を与えて大丈夫かとか。
2のべき乗でなく、もっと小さな底を使うと良いかも。

お名前:
E-mail:
コメント:
本日のリンク元
アンテナ
検索

«前の日記(2005-04-17) 最新 次の日記(2005-04-19)» 編集

RSS feed meter for http://www.rubyist.net/~matz/ Creative Commons License This work is licensed under a Creative Commons License.