とんだ天の声だね [2005年6月]
とんだ天の声だね
これまた1週間ぐらい前の記事ですが、天声人語の盗用疑惑についてエントリしたいと思います。これは珊瑚記念日と同じで記録に残す必要があると思いましたので。
asahi.com: 朝日新聞社の勝訴確定 「天声人語」訴訟 - 社会
朝日新聞のコラム「天声人語」に関する「週刊新潮」の虚偽の記事で信用と名誉を著しく傷つけられたとして、朝日新聞社が同誌を発行する新潮社に損害賠償などを求めた訴訟で24日、朝日新聞社の勝訴が確定した。最高裁第二小法廷(福田博裁判長)は同日、新潮社に500万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決に対する同社の上告を受理しない決定をした。
第二小法廷は「新潮社から上告受理の申し立てがあったが、上告審として受理すべきものとは認められない」と述べた。問題になったのは週刊新潮03年2月20日号の「インターネットから『盗用』していた 朝日の看板コラム『天声人語』」と題する記事。01年の2本の「天声人語」について、ネット上のコラムなどから盗用した、と書いた。
朝日新聞は5000万円の損害賠償などを求めて提訴。東京高裁は今年3月、「2本とも盗用ではなく、週刊新潮の記事は真実ではない。真実と信じた相当の理由もない」と判断。新潮社はこれを不服として上告受理を申し立てていた。
>朝日新聞のコラム「天声人語」に関する「週刊新潮」の虚偽の記事で信用と名誉を著しく傷つけられた
著しく傷つけられるほどの、信用や名誉が朝日新聞にあったとは意外ですが、
「国際女性法廷」に関する「朝日新聞」の虚偽の記事で政治家の信用と名誉を著しく傷つけたことは、スルーでしょうか?
そういやNHKを提訴するとか何とか、喚いていましたけど。あれ、どうなったんでしょうね。
他者に対しては昂然と批判し追求するが、自分達にそれを求められれば頬かむりして煙に巻こうとする。信用なんて言いますが、他者に傷つけられる前に自分達で貶めていることが理解できないんでしょうね。
>朝日新聞社の勝訴が確定
新潮の記事に対する訴訟には確かに勝つことができたのでしょう。一審の判断とは、高裁も最高裁も異なりましたが。
最高裁で認められたから、一切の嫌疑は晴れたと朝日は言うでしょう。最高裁でそういう判決が出たのですから当然です。私もそう思います。
ところで、朝日新聞やサヨクの人達は、判決も都合によって解釈を変えますよね。最高裁の決定に不服で、地裁の判決が好ましい場合などは地裁の判決をして良心的なんていいませんかね。
判決に直接関係ない傍証まで持ち出して自分達の主張の正当性を喧伝しませんかね。
彼らが日頃、使う手段を用いれば、本件も同じように言えます。
だって地裁では疑惑のコラム2本のうち1本については
「偶然に一致したとは思えないほど酷似しており、盗用と信じても無理がない」と指摘
として片方だけ名誉毀損としたのですから。
私が四の五の言うよりも本件について丁寧にまとめられたHPを見て頂くのがよいでしょう。
参考→検証、朝日新聞天声人語の盗用疑惑!
>新潮社に500万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決に対する同社の上告を受理しない決定
>朝日新聞は5000万円の損害賠償などを求めて提訴。
5000万円の損害賠償とは大きく出ましたね。武富士から貰った額と同じですね。5000万円というのは、朝日にとってはデフォなのかもしれませんね。
>週刊新潮03年2月20日号の「インターネットから『盗用』していた 朝日の看板コラム『天声人語』」と題する記事。01年の2本の「天声人語」について、ネット上のコラムなどから盗用した、と書いた。
上記参考HPを見ていただければ、偶然の一致とは考え難いことは明らかです。盗用でないとしても「無断借用」の謗りを免れることはできません。
「天声人語」とは、「天の声を人が語る」という意味でしょうか?
彼らは当該HPのコラムを見ないで、それと同じ構成の文章を作ることができるのでしょうか。
裁判に勝ったことをもっても、彼らにかけられた嫌疑は払拭できたとは言えません。むしろ、「盗人猛々しい」という感じを受けるのが普通ではないでしょうか?
卑しくも文筆行為を持って生計を立てているものであれば、酷似した内容のコラムを書いて盗用を疑われるということだけでも恥ずべきことではないのでしょうか。
盗用でないとしても「李下に冠」を正すようなことをして、その不明を恥じないのは、自ら筆を折るに等しい行為ではないかと思います。
新潮が指摘したことに行き過ぎがあったゆえの勝訴ということで、失った信用は回復できないと私は思います。失うだけの信用があればの話ですが。
>「2本とも盗用ではなく、週刊新潮の記事は真実ではない。真実と信じた相当の理由もない」
盗用でないと断じたこのくだりですが、欠けていると思える言葉を足すと次のようになります。
「2本とも盗用ではなく、週刊新潮が、その記事で天声人語が他のコラムを盗用したとするのは真実ではない。また、週刊新潮がそれを真実と信じるに足る相当の理由はない」
ってところでしょうか。
朝日新聞としては、この勝訴で盗用疑惑さえも払拭したかったのでしょうが、この判決で言われたのは疑惑を真実とするには足らないというだけで、その疑惑が完全に晴れたことを指すものではありません。
TBSで盗用事件があったときは、その編集長はその罪を認めて処分されました。朝日のそれに比べれば確かにあからさまで弁解の余地はなかったかもしれません。
が、朝日のそれとて、盗用と疑うには十分なほど酷似しています。それを盗用でないとシラをきり通し、文筆を生業とするものが、その疑惑を筆で払拭せず法廷に持ち込むことの見苦しさは報道機関として自らその命脈を絶ったと言うべきではないでしょうか。
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朝日新聞社が新潮社に名誉毀損で損害賠償等を求めた訴訟で、東京高裁判決は新潮社に500万円の支払いを命じた(2005年3月8日)。週刊新潮は朝日新聞のコラム「天声人語」で二件の盗用があったと報じていた(「インターネットから『盗用』していた朝日の看板コラム」週刊新...
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