安易に謝るな! [2005年7月]
安易に謝るな!
子供が凶悪化する中、治安を守るべき警察が権威を失いかねない気になるニュースです。誤りを認めるのはともかく、安易な謝罪がことの本質を覆い隠すという事例です。読売オンラインから。
埼玉県警の男性巡査が5月、職務質問の際、中学2年の男子生徒(13)に顔を殴るなどの暴行を加え、訓戒処分を受けていたことが5日、わかった。
県警監察官室によると、巡査は5月5日午前、交番に爆竹を投げるなどのいたずらを以前から繰り返していた男子生徒ら数人が路上にいるのを見つけた。自転車で逃走した生徒らをバイクで追跡し、路上で転んだ生徒に職務質問する際、顔を拳で2回殴り、腹を1回けり顔に軽傷を負わせた。
生徒は同日、警察に被害を申し出て、病院で受診した。県警はその後、生徒の家族に事情を説明して謝罪した。最終的に生徒側が被害届を出さず、県警は巡査の暴行を立件しなかった。
巡査は「生徒が反抗的な口をきいたので、暴力を振るってしまった」と言い、反省しているという。
新井孝司・監察官室次席は「どんな理由があっても暴力は許されない。再発防止を徹底したい」と話している。
何ともやり切れませんね。
>埼玉県警の男性巡査が5月、職務質問の際、中学2年の男子生徒(13)に顔を殴るなどの暴行を加え、訓戒処分を受けていた
>自転車で逃走した生徒らをバイクで追跡し、路上で転んだ生徒に職務質問する際、顔を拳で2回殴り、腹を1回けり顔に軽傷を負わせた。
確かに、職質で暴力を振るうというのは、中学生が相手でなくとも行き過ぎの感は否めません。それについては、
>「どんな理由があっても暴力は許されない。再発防止を徹底したい」
と監察官が言うことが正しいと思います。ですから、
>巡査は「生徒が反抗的な口をきいたので、暴力を振るってしまった」と言い、反省している
というのは、認められないことでしょう。日頃の悪戯に対して思うところがあろうとも、私怨のような形で警察官が暴力を振るうべきではないでしょう。
職質で問題があるのならば、然るべき手段を持って拘束すべきであり、そういう段階を飛ばすだけの理由は、この巡査の言い分にはないと言えます。
だから、この巡査に同情することはできません。が、同情したい気持ちを完全に払拭できない自分がいることも確かです。
というのは、この巡査の暴力と、この中学生の行いとは別次元の問題だからです。
>交番に爆竹を投げるなどのいたずらを以前から繰り返していた男子生徒ら数人が路上にいるのを見つけた。
これは大人であれ、子供であれ、器物損壊、それで巡査等が負傷すれば傷害罪になります。騒乱罪というのもありえる話です。物的な損失が出ているならば民事でも争うことができます。
13歳という年齢を考えれば、その保護者もその責任を問われる問題です。
>生徒は同日、警察に被害を申し出て、病院で受診した。県警はその後、生徒の家族に事情を説明して謝罪した。最終的に生徒側が被害届を出さず、県警は巡査の暴行を立件しなかった。
この13歳の子供は、即日被害届けを警察に出していますが、大した面の皮を持っているものです。病院での受診にしても、子供の判断のみでそこまでできるものでしょうか?
もちろん、不当な暴力に黙せとは言いませんが、こういう手順は身近な大人、察するに保護者が指示したのだろうと思います。警察官の暴力は暴力として糾すのはいいのですが、その際にその原因を作ったこの子供の不行状を保護者としてキチンを躾けたのでしょうか?
器物損壊、騒乱的な犯罪を犯しておきながら、職質にちゃんと応えないような馬鹿なガキが権利とばかりに訴えるなんて吐き気さえします。
殴った警察官は警察官で許されるものでは、ありませんがその原因を作ったのはこの子供で、そういう馬鹿なガキになったのはその親の躾です。
警察官の私情による暴力は決して許されません(公務であっても所定の手続きを踏まない示威行為は許されませんが)。
しかし、治安を乱したこの子供の行為も同じように許されるものではありません。
自分達を守ってくれる存在を貶めれば、それはいつか自分達に返ってくるということを理解できない中学生ってなんなんでしょうか。
中学生にすら馬鹿にされる警察にもその責任はありますが(連続する不祥事などによる信頼の失墜)、警察が機能する以前の問題としてやっていいこと、悪いことの区別すら知らない子供がいること、それを叱らないであろう親がいることこそ、この問題では考えさせられました。
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Where there is much desire to learn, there of necessity will be much arguing, much writing, many opinions; for opinions in good men is but know...[続く]
17歳の時だった。日本デザイナー学院で知り合った長谷山君(現プロデューサー)と、学校の帰りの夜道で職務質問を受けた事がある。「おいっそこの自転車の二人乗り、止まりなさい」後ろからエンジン音を消したパトカーが忍び寄って来た。女の子の話で盛り上がっていたから、全く気がつかなかった。「えー...[続く]
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