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佐渡秀治:VA Linux Systems Japan株式会社マーケティング部の元部長。ずっとOSDN事業ユニット ユニット長を兼務という形だったが、07年4月からはOSDNのみ。

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ターボリナックスはどこへ行くのか?

2007年06月30日 06:47 PM - ファイナンス
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ターボリナックス、2007年6月中間期の業績予想を下方修正(OTP)

こんなインパクトが大きな数字でも、もはやOpen Tech Pressぐらいしか記事にしていないということで、いろいろ各所からターボリナックスの現状について聞かれるのだが、はっきり言って中のことは全然知らないし、事業的にもあまり関心もない。それでも私ぐらいしか話したり、書いたりしないだろということらしいので、私が知り得る範囲のことと、何となく推測できることを並べてみる。

今回の控えめなIRの発表は、6月締となる2007年中間決算の売上だけの下方修正の予測である。収益については、おそらく中間決算発表の直前にでも発表するロジックなのだろう。で、中身についてであるが、売上高予想を従来予想の6億3200万円から3億8500万円に39.1%下方修正したと発表したということである。これだけでもなかなかインパクトがある数字だが、実はこの連結ではなく単体の方が重要で、5億200万円から2億3400万円への53.4%減という予想の方が大きな意味を持っていると思う。連結分から差し引いた1億5000万円あまりは、子会社のZend JapanとLaser5の売上であり、つまりターボリナックス本体はturbolinux OS事業、PBX事業、Wizpy事業の3事業を合わせて、半期で2.34億円の売上しか出せなかったということである。Zend JapanとLaser5については小さな会社なのであまり影響がないが、本体の数字としてはあまりにも寂しいように思える。

また、ターボリナックスはその事業の軸足をOSからWizpyへ移そうとしているように見えるわけで、Wizpyの売上および販売本数が気になってくるが、そのような数字は公表されていないし、出荷本数もよく分からない。ということで、業績で判断することになるが、昨年06年度のターボの単体での四半期売上を並べると、Q1:2.09億円、中間:3.36億円、Q3:5.57億円、年間:6.86億円となる。つまり、四半期毎の単独での売上は、ライブドアショック以後も、06Q2で1.17億円、Q3で1.31億円、Q4で1.29億円あったということで、この 売上はほとんどturbolinux OS製品関連の売上ということになるだろう。製品としての大きなアップデートはなさそうなので、この売上は長期的なサポートか何かの固定的売上の比率が高いと思われるが、よって四半期毎に1.2億円前後の手堅い売上が存在していたのではないかと推測できる。

そこで、今年07年度の数字であるが、Q1の単独決算では売上が1.44億円であり、ここには2月に開始されたWizpy事業の数字が入っていることになる。さらに今回の修正予測では中間の単体で2.34億円だったわけだが、06年度のQ4までのOS事業の数字を当てはめて、OS事業だけで2.4億円の売上と予測すると、それだけで今回発表の数字を越えてしまうことになる。これだとWizpyは1円の売上もないことになってしまうので、OS事業については、3月末あたりでサポートが大幅に切れたとか、製品が古くなったことによって売上が減少した 等の要因を考慮し、OS事業では07Q1は1.2億円の80%になる0.96億円、Q2では60%となる0.72億円の売上にまで減少したと仮定してみる。 そうすると、合わせて1.68億円の中間での売上ということになり、2.34億円から差し引いた0.66億円、つまり6600万円がWizpy事業の売上と仮定できることになる。単価を3万円とすると、この売上の場合、2200台の販売ができたということになる。

まあ、これは単なる机上の計算であり、実際には今年の1-3月にものすごい勢いでビジネスモデルのチェンジがあり、ほとんどの売上がWizpyになっている可能性がないわけでもない(ただし、その逆もあるが)。ただ、それでも現実として売上がQ2では単独で1億円を切ってきているレベルにまで落ち込んでいる ことは事実であるし、1万台も売りに売って3億円の売上にしかならないWizpyでは少々険しい道が待っているように思える。

昨年12月末でターボリナックスは81名の連結従業員をかかえているとのことだが、直近の四半期の数字で売上原価が50%ほどの比率で、販管費は2億円を越えているようだ。これで組織を維持するための売上を考えると、15億円程度は年間売上が必要になるわけだが、現状ではその半分までも到達できるのか怪しくみえてしまう。この点からも厳しい道に見えてくるだろう。

今回発表の数字については、素人からの見方としてはこんなところだが、ターボリナックスについては、今年2月に突然摩訶不思議なタイミングでMSCB発行をやってみて、10億円を調達したという動きもあった。MSCBを引き受けた日興シティは、今も転換した株をちょいちょいと売り抜けているようである。当時は、Wizpy事業のためという説明があったが、今の現状からすると運転資金の性格が強いのかもしれない。ただ、2005年のIPOでターボ本体の財布に入ったキャッシュが枯渇しているようにはどうも思えないので、どうもそのへんはよく分からない。キャッシュが消えるわけじゃないのだから、外からは見えないMCSB発行の理由があるのかもしれない。

あとは、親会社のライブドアとターボリナックス双方ともにターボ株の第三者への譲渡へ昨年から前向きであることは周知だったわけであるが、わざわざ今年の2月にあらためてライブドア平松社長同席でターボリナックス株の譲渡プロセスを開始をアナウンスしたという動きも謎である。それでいて未だに何の発表すらないということは、2月の発表は株譲渡先募集の周知目的の性格が強かったということだろう。ただ、現在のターボリナックスの株価は8万円あたりで、時価総額は70億円を越えている。ライブドア保有分を時価で引き取るだけでも40億円程度となるが、その値段で買い取って、5年でのれん代を償却ということを考えると、年間に10億以上は利益を出せる構造にすぐ変える自信があるところでないと引き取れないだろう。これは非常に難しいとしか言えない。資本については、もうあまりいじりようがないというのが現実かもしれない。資金調達については、MSCBまでやってしまってるので、次はさすがに何ができるかは私には想像もつかない(そもそもMSCBすら想像つかなかった)。

ターボリナックスはどこに向かおうとしているのかよく分からないが、一時期、国策ディストロとして祭り上げようとしていた人々が今の現状を見て どう思っているのか、たまに聞いてみたいと思うときもある。そもそもあの手の手法でのディストロビジネスがうまくいく可能性は限りなく低いわけだが、 それでも米国本社倒産、ライブドアショックと悲惨な目にあってもまだ存続しているのはある意味すごいところではある。まあ、それでも上場会社は簡単には消えてなくならないものなので、今後は残っている社員次第なのだろう。

もじら組の除名騒動

2007年06月29日 12:00 PM - Mozilla
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もじら組を中心にあちこちで動き回っていたゆきち氏がもじら組を除名となったらしい。 ircでたまに話したかなぁ(いじってた?)という程度しか彼のことは知らないが、 何だか微妙に騒ぎになってるので思ったことを書いてみる。

Mozilla users mlの7573から7589あたりまで読めば大体の想像はつくし、 もじら組の組長さんが経緯の説明もしているので、何となく何が起きたのか 見えるわけだが、まあどっちが正しいとかそんな問題はおいといて、 組織のリーダーと思われる組長さんという方が、騒動にケリをつけようと努力 していることは評価できる。まあ、ボランタリーな組織を仕切るのってのは、 大変だからねぇ。除名だとかそーいった処分が重いとか、説明が具体的でないとか 声が出てくるかもしれないが、そりゃあ組織の勝手だし、 そもそもボランタリーなコミュニティは、動機が全く違っていても同じ方向は一緒に見ることが できるので集まるのであり、その方向へ向かうために都合が悪ければ単純に人が外れたり、 外されたりするということが普通だろう。そういった意味では、 (もじら組が何をしたいのかは知らないが、)前に進むために問題を解決したということなのだろう。 他のスタッフの士気に影響するということならそれも立派な理由だ。

ただ、まあ何というか、気になるのは2点あって、一つは ゆきち氏がどうやら率先していた拡張勉強会というセミナーが、ゆきち氏の告知後に もじら組によって保留されていること。そんなもん勝手にやらせればいいだけだろうに。 関わりたくないなら、スルーしとけばいいだけのことだし。

もう一つは、何だか発端がどこかのイベントで会場の入り口(の床?)で寝ていたことにあるらしいこと。 何というかねぇ...、まあ会場なり、お客に迷惑をかけたのなら悪いことだろう。それで除名にするなら するで特に問題にはならんと思うのだが、ここで白状しちゃえば、90年代からオープンソース!とか 言ってた連中は同じようにイベントとかでは死んでるようにそのへんのフロアに転がってた人も多いのだよな。 まあ私もそうだし、当時の日本人が行儀が突出して悪かったというわけでもなく、海外のLinuxイベントに いけばもっとひどくて、あちこちにハッカーがゴロゴロしていた。LinuxWorldに出ていたSlashdotのでかいブース はかなり衝撃的で、スペースにソファとクッションが置いてあってそこにSlashdotのクルーと あまりにも特色がある身なりの方々が適当に寝そべっているということすらあった。 まあ、Slashdotは行きすぎとしても、この10年でオープンソースの界隈というものが、 随分とお行儀がよい世界になっているのかもしれない。ということで、私も少しはお行儀よくすることにしますかね。

VA Linuxは世界に一つで十分だ

2007年05月30日 06:17 PM - VA Linux
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USの VA Software社がSourceForge社に社名変更した。取り立てて大したこととは思ってなかった ので、これについて喋る機会があったことすら驚きだったのだが、今日お会いした ITmediaの藤村会長からもそれに触れる話が出たので、経緯をちょいと書いてみる。

古き日のUSに存在していたVA Linux Systems社が、Linuxハードウェアビジネスというか オープンソースソフトウェアのビジネスからも撤退したのが2001年。その時に残った 事業は、Slashdot.org、Linux.com、ThinkGeek、SourceForge.netといったサイトを有する メディア事業とSourceForge.netのようなことをエンタープライズ向けに提供するために スクラッチから書き出したSourceForge Enterprise Editionというクローズドな ソフトウェア事業の二つである。メディア事業の方は子会社であり、その名前が Open Source Development Network社であり、数年前からOpen Source Technology Group社 と名乗っていた企業である。

ということで、2001年からはLinuxでもないオープンソースでもない企業(OSDNは子会社である) ということで、実態に合わせるためにVA Software社に社名変更していた。

で、日本においてであるが、住友商事、NTTコムウェアらと合弁で VA Linux Systems Japan株式会社が、2001年のVA Linux Systems社のLinuxビジネス撤退直前の 絶妙なタイミングで設立されてしまった。設立当時から日本の独自の事業を展開するという 意向が働いてはいたが、当然のようにVA Linux Systems社の日本法人的な役割を持たせる ということがあったわけで、設立したらいきなりその事業がUSから消えてしまったわけである。

しょうがないので、VA Linux Systems Japan社としては完全に独自な事業を開始せねばならない 立場になり、住友商事側もLinux/OSSビジネスはこれからやってくるのだからということで、 VA Linux Systems社側が持っていたVA Linux Systems Japan社の株式を引き取り、住友商事の 子会社となった。事業としては、Linuxカーネルを含め、その他OSの知識、技術を活かしたビジネス を開始することになり、その後うまく人材も集めることができたおかげで、 今も屋台骨となっているVA Questを中心としたLinuxカーネルビジネスに発展することになった。

このような経緯から、VA Linux Systems Japan社はほとんどの時間を日本企業として存在し、 さらに独自のLinuxカーネルを中心として低レイヤーのオープンソースビジネスを作りだして きたということになる。 これに対して、VA Software社はクローズドでWebベースのソフトウェアビジネスを展開し、 さらに資本のつながりも希薄であったので、この数年間は 世界には同じロゴを持つ二つのVAが奇妙な関係で存在していた。

そこでやっと現在の話にまでくるが、先月になってVA Software社はそのソフトウェア事業を CollabNet社に売却した。Open Source Technology Groupが展開するメディア事業の 方が、収益性、成長性共に断然によい状態が続いていたので、これは妥当な判断だと思っている。 ここで社名変更へとつながるのだが、当然VA Software社という名前がその時点で完全に 実態に合わない名前となってしまったわけで、メディア事業のブランドの中から一番の 有力なブランドであるSourceForgeという名前を選び、それを社名としたわけである。

当然、日本のVA Linux Systems Japanは経緯的なことを考えても 特段の関係があるわけではないし、Linuxカーネルを中心としているビジネスでうまくまわっている 今の現状を考えると、VA Linuxという名前を捨てる理由はない。古き日の一瞬だけUSで 輝いていた旧VA Linux Systems社の遺伝子を継いでいるとしたら、この日本の VA Linux Systems Japan社だけである。それを考えれば、VA Softwareというロゴを共有しつつも 全く違う会社が存在する状況がなくなったのは、余計な勘違いの元を断ち切ったことになるので VA Linux Systems Japan社にとっては良いことだろう。VA Linuxは世界に一つで十分である。

(と、ここまでVA Linux Systems Japan社のマーケティング的人間の立場で書いたが、現在の私は マーケティング部長を4月に退任し、今はそのUSのSourceForge社が運営するメデァアの 日本版となるSlashdot Japan, SourceForge.jp, Open Tech Pressを運営する事業のトップだけに 専念している。なので、USのSourceForge社(旧OSTG社)とは、それなりに密接な関係であることは 付け加えておく。)

今日の5年遅れている記事

2007年05月29日 07:46 PM - オープンソースとフリー文化
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ストールマンは正しかった (@it)

だそうだ。サイオステクノロジーの広告記事のようなものだが(それとも今までのサイオス社の取り組みが遅れていたという主張を込めての皮肉のつもり?)、それよりも何もここで書かれていることは5年遅れどころでは済まないぐらい遅れているとしか言いようがない。

ITproのオープンソースセクションでもこんなに時間軸が曲がった記事はないだろうに。

VA Linuxのマーケティング部長を退任

2007年04月01日 01:28 PM - 佐渡秀治
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一昨日には社内でも告示されましたが、4/1付でVA Linux社のマーケティング部 部長を退任いたしました。VA Linuxの設立からこれまでの長い期間、この職を務めてきましたのでそれなりの感慨もありますが、いずれこれまでの苦闘を振り返るとしてとりあえずご報告まで。

SourceForge.JP、Subversionを正式サポート

2007年03月19日 07:10 PM - 佐渡秀治
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SourceForge.JP、Subversionを正式サポート

ということで、今までは試験サポートということで存在に気付いた人しか 使えなかったSubversionが普通に使えるようになった。 それだけと言えば、それだけというリリース。

OSDN:新人一人の入社と今後の計画

2007年03月04日 08:03 PM - 佐渡秀治
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既に一週間経つのであるが、とうとうOSDNに新人が入社した。新人とは言っても私より年齢は上だと 思うが。IDGのLinuxWorld誌が休刊になって久しいが、その新人の森さんというのはLinuxWorldの副編集長を 務めていた方である。OTPをはじめとしてOSDNの細々とした編集まわりは私が無理やり時間を作って対応していた のだが、編集の本職がjoinしたことで今までよりは傍目にもマシな方向にいくのではないかと思う。 おかげで私のほうの負荷が下がる見込みがついてきて喜ばしい限りである。

ついでに宣言しておくと、当たり前だが今後OSDNでは各サイトの改良の予定があるわけだが、特にSourceForge.JPにはそれなりに 大きな改良を加えていきたいと思っている。そろそろSourceForge.JPは開始してから5年が経過するわけだが、 幾つかの機能追加、改良はあったものの、基本的には大きな変化はこれまでない。まあ、OSS開発に必要な ツールを提供するということであれば、これ以上やることがあまりないというのも事実なのではあるが、 それでも他にあったほうがいいと思うものもあるし、もっと改良できる部分はあるだろう。ということで、 sugi氏が今はいろいろと試行錯誤しており、夏までには出せるものがでてくるのではないかと思っている。

話は微妙に変わるが、さきほどsf.netのほうを見ていたら、どうやら彼らはコンパイルファームのサービスを 休止したようだ。Solaris, AIX, HP-UXあたりの環境を触れるいい仕組みだったのだが、まあ冷静に考えると 維持する膨大な手間ほどには大した需要はないかもしれない。SourceForge.JPではx86とAMD64 Linux、MacOS X、NetBSDで 細々とコンパイルファームを提供しているのだが、じゃあ今度は我々のほうが旧sf.net程度に環境を揃えるかなぁと 一瞬思ったが、あまりにも大変そうなので軽々しくは進められない。まあ、豪気なスポンサーがいれば別なのだが。

摩訶不思議なターボリナックスのMSCB

2007年02月27日 05:32 AM - ファイナンス
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先週、唐突に発表された ターボリナックスのMSCB発行。発表された時も頭をひねったが、今でも実によく分からないことばかりである。

ライブドアショック以来、ニッポン放送買収騒動時に発行したMSCBについてはいろいろ言われてきたわけだが、それを踏まえてか、日本証券業協会からそのターボのMSCB発行のIR発表と同日にMSCBに関する証券会社の自主ルールを策定するということがあった。MSCBに関しては転換価額の修正を狙った 空売りで既存株主を食い物にする傾向が目立っていたわけで、業界自主ルールをそれを押さえる役割を果たすものと思われる。で、今回のMSCBの流れ的には、この自主ルールの規制が開始される前の駆け込みのような形となっている。しかも、割当予定先は日興シティグループ証券。

ということで時期的にも実に微妙なタイミングでMSCBを発表したものだが、資金調達方法としてMSCBという方法が全くダメというわけではない。ということで、内容を見ていくと、社債総額は10億円、1口5000万円ということで20口の新株予約権になる。MSCBなので当然利子はないので、転換するのが前提。 当初の転換価額は、3月1日の株価終値に1.05を掛けたものとされているが、144,500円という下限があり、今のところMSCB発表を受けて既に 13万円台にまで下落しているので、144,500円に設定される可能性が高い。

で、お行儀が悪いMSCBの一般的な条件は転換価額修正の頻度が高く、下限が低く設定され、転換価額の算定に用いる期間が短いというものであるが、第一回目の修正は3月30日に行われ、それ以降は毎月第三金曜日となる。 つまり一ヶ月に一度の修正である。算定期間については、その修正日の直前5連続取引日となり、この5日間の終値の平均値の92%の価格に転換価格が修正される。転換価額の下限については、当初設定価格の50%である。これだけの条件をみると、なかなかスリリングな3点の条件が揃っており、信用取引が可能なターボ株なら空売り爆弾を受けそうに感じてしまう。仮に今の価格をもとに 144,500円で当初の転換価格が設定されたとすれば、下限は72,250円となり、この条件下で転換されたとすれば、発行株式に対して15%ほどの比率になり、なかなか大きなインパクトとなる。 一応、pdfの最後にこのMSCBには譲渡制限がある旨と日興シティが借株をしないという旨が書かれているが、はてさて、今後どうなることだろう。

それにしてもよく分からないのが、何でわざわざこの微妙な時期にMSCBなのだろうか?wizpy事業のためとか書いてあるが、そもそもあれにそんなに多額の在庫、部材がかかるとは思えないし、手持ちのキャッシュで何とかなりそうな ものである。キャッシュが必要にしても、単なる社債もあるし、今なら低金利で融資を受けても別に構わないだろう(というか普通は融資じゃないだろうか)。何故、株主から吸い上げるような手法を取るのか、いまいち理由がつかめない。

つい先日の2月8日にはターボの売却プロセス開始という、買い手がまだいないのに発表された謎のIRがあったが、発表のタイミング的にはこれとの関連性も気になってしまう。売却を考えるなら、やはりターボの高い株価はネックになるわけで、今の経営陣はわざわざ株価を下げたいのかなとか勘ぐるところもある。買収先からすれば、大きな損失を出している会社なのに純資産額と比べて異常に高い株価の企業を買うのはリスクがありすぎるが、手持ちのキャッシュと株価抑制ということで買い手を探したいのだろうかとか思ってしまうのである。まあ、それは勘ぐりすぎだろうか。あるいは、MBOのための布石?それならもっと大きくないといけない気がするのだが...。さすがに素人にはよく分からない。

(注意:ここに書いている内容は個人的な見解であって、しかも私は株式の世界では単なる素人さんです。)