「本当にオープン?」、米Sunの特許無償提供に民間団体が異議
米Sun Microsystemsが、同社のOS「Solaris 10」をCommon Development and Distribution License(CDDL)と呼ぶライセンスのもとでオープンソースOS「OpenSolaris」として提供すると発表したことについて、民間の特許監視団体PUBPAT(Public Patent Foundation)が「詳細が不明瞭だ」と異議を唱えている。PUBPATは、Sun社会長兼CEOのScott McNealy氏あてに意見書を送ったことを、米国時間1月28日に明らかにした。
Sun社はOpenSolarisの提供と、それに伴い関連特許1600件以上をCDDLに従って無償提供することを1月25日に発表したが、PUBPATは、「Sun社の発表は関連の法律書類と比べてあまりに広範囲だった。Sun社の特許に対して一般(開発者)がどういった権利を持ちえるのかという疑問が残る」と指摘する。「Sun社があとになって特許侵害を追求することができてしまうのかどうか、オープンソース・ソフトウエアの開発者にはっきりと説明するべきだ」(PUBPAT)
PUBPATは意見書で、「どのライセンスを適用すれば安全にSun社の特許を利用できるのか」「Sun社は第三者が記述したソフトウエアに対して特許権の主張を放棄するのか」などの質問を挙げたほか、同社と米Microsoftとの関係が特許やオープンソース・コミュニティに与える影響についても懸念を示した。
PUBPATは開発者に対し、「Sun社の言葉に惑わされないように注意するべきだ。実際に許可される以上のことをSun社が与えてくれていると勘違いしてはならない」と忠告している。
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