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Matzにっき(2003-09-19)
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Matzにっき

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2003-09-19 [長年日記]

_ 準備

ふたつめの原稿も無事しあげたが、完成したのが朝4時だったため、 午前中はまるまる寝てしまう。もったいない。

で、残るはJAOOのプレゼンの準備なのだが、 いっこうに進まない。まあ、まだもうちょっと時間があるのでなんとかなるかな。 なるんじゃないかな。なるといい..な。

_ [家族]姪

妹の子が泊まりに来る。異様に元気のいい子なのだが、ひとばん無事に過ごせるかしら。

_ [特許]ソフトウェア特許ML

高林くんが始めたソフトウェア特許MLに参加する。

なんか、自分が如何にいいかげんな知識しかないかを再確認する。 もうちょっと調べないといけないかなあ。

  • 特許の(本来の)目的とは。
  • 特許が保護するものはなにか。アイディアか、発明か。アイディアと発明は違うか。
  • 日本でソフトウェア特許が成立するのは、現状のほうに照らして合理的な理由があるのか、 それとも「運用でカバー」というものか。
  • 特許がないとどんなことで困るか。要らないんじゃないのか。
  • 特許があるとどんなことが嬉しいのか。

現時点での私の意見は「特許なんてない方が良い」なんだけど、現実的ではなさそう。

_ [特許]懸念の表明

読んだものの記録」において、 ソフトウェア特許の議論について懸念が 表明されている。

非常にまずい

今までのパターンどおり、ソフトウェア特許は悪です。period。で終わる可能性が高い。口上にきわめて問題がある。バランスが取れた議論が出来そうにない。

(中略)

ただ、これ(自分の発明はすべて公共なもの、という崇高な思想)を全面的にソフトウェアに適用したとき、あまり嬉しくない社会が待っているとしたらどうか? 少なくとも我々は資本主義の世界に生きていて、少なくとも特許という社会制度は社会制度は100年以上も有効な(ここでは実効性があると言う意味)システムとして機能して来たのだ。すくなくとも、特許がソフトウェアに対して、どのような取り扱いをしてきたのかぐらいの調査と、その資料は、口上に入れて欲しかった。その上で、ソフトウェアに対しての特許制度を否定するというのであるならば、よかったのであるが。

himiさんの懸念はある意味もっともだ。

しかし、口上にそれが必要とまでは思わない。 口上にそこまでの準備を要求するのなら、気軽に議論をはじめられないと思う。

それはともかく、 私としても「ソフトウェア特許は悪です。period」という単純な結論は希望しない。 現時点では、ほかの多くのフリーソフトウェア関係者と同様、特許、特にソフトウェア特許に関して否定的な印象を持っている(というか、特許が過去100年以上存続したのは厳然たる事実としても、その間ずっと有効であったかどうかということには疑問を持っているのだが)。

しかし、私の知識が足りないための思いこみや誤解の可能性は排除せずにいたいと思うのだ。

よって、「特許がソフトウェアに対して、どのような取り扱いをしてきたのか」という情報は常に大歓迎だ。

ところで、「自分が開発したソフトウェアでゲットリッチ」という希望に対して 特許は本当に有効に働くのだろうか。

あるいは「自分の発明でゲットリッチ」という希望に対してはどうだろうか。

_ [特許]himiさんの反応

上記のように気軽に書いたらご本人に反応していただいた。読まれてるって怖いわ。

私が、この話で、口上というか導入を気にするのは、プロパテント、アンチパテントの括りに入れられるのがとっても怖いということも、理由の一つに挙げられます。実際、高林さんの文章は、誰がどう見ても、アンチパテントの枠内に入れられてしまうと思います。

その意味でも、ここで何らかの有益な議論を起こしたいのならば、なおさら特許自身の事前調査が必要だと思います。

えーと、たぶん私とhimiさんでは「議論」という単語に期待しているレベルが違います。

himiさんの議論は、賛成側・反対側ともに十分な知識をもって、 どうあるべきか、今後どうしたらよいかを「議論する」というレベルだと思います。 実に実りあるレベルで最終的にはそうあるべきだと思います。

しかし、私が言ってる「議論」はそういう知識の収集や情報の提示も含めたやりとりを考えています。 だからきっかけになりさえすれば、口上そのものは中立である必要を感じてませんでした。 レベルが低くてすみません。

「そんなのは議論じゃない」、「先人の考察を無視する気か」というお叱りを受けそうですが、 この機会に人々の関心を集め、情報を集積したいと考えています。

というか、私自身が「そもそも特許とは」という知見を形成したいという魂胆が透けてみえてますね。

ちなみに、100年以上有効であったというのは、usefulの意味ではありません。 U.S.で特許法が成立したのは1790年にさかのぼり、その間、ずっとeffectiveであったことはそれほど疑わしい事実ではないと思います。もちろん、 usefulであったかどうかには疑義がたくさんあると思います。

あと、effectiveとusefulの対比については、私、英語が苦手で*1よくわからなかったのですが、usefulが「役立つ」だとすると、 「有益ではなかったかもしれないが、特許制度そのものは100年以上成立し続けてきた」という意味ですか?

ああ、「実効性」ってそういう意味でしたか。 いかん、日本語もちゃんと読解できないらしい。

こんなに効率が悪いのにもかかわらず、企業が特許取得に投資する理由はなんなのか? このことはよくよく考えてみる必要がある。

それが私の一番知りたいところなんです。これが理解できれば、私にも特許の意義が理解できると思います。

*1  なのに来週英語でプレゼンするんだから、まったく

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_ koichiro (2003-09-20 01:09)

himi日記へのリンクが間違ってるみたいです ^^;
http://ko.meadowy.net/~himi/diary/20030918.html

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