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Some Confusing or Loaded Words and Phrases that are Worth Avoiding
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避けた方が良い混乱を招く言葉と言い回し
避けた方が良い混乱を招く言葉と言い回し
by Free Software Foundation
<webmasters@www.gnu.org>

この文章は Free Software Foundation の Some Confusing or Loaded Words and Phrases that are Worth Avoiding を日本語訳したものです。 日本語訳における誤り,不明な点は yshiba@vesta.ocn.ne.jp まで。

日本語訳ここから


使うのを避けたほうがよい言葉や言い回しがたくさんあります。言葉や言い回しの定義が不明瞭であったり、それらが皆さんにもろてをあげて賛成して欲しくない考えを意味しているためです。

フリーソフトウェアの分類 (18k characters) 参照。


■ 無料で

あるプログラムをフリーソフトウエアであると記したい場合には、「無料で」使用できますという具合には書かないようお願いします。この「無料で」という言葉は特に「タダで」ということを意味しているからです。フリーソフトウエアであることは自由の問題であって価格の問題ではありません。

フリーソフトウエアの複製物はたいてい無料で入手可能です。例えば、FTP を介してダウンロードできます。しかしフリーソフトウエアの複製物はまた CD-ROM に含まれて有料で使用できる場合もあります。ところで、市販のソフトウエアの複製物も時々販売促進を目的に無料で使用可能である場合もありますし、いくつかの市販のソフトウエアのなかには特定の使用者に対しては常に料金なしで使用できるものもあります。

混乱を避けるために、そのプログラムは「フリーソフトウエアとして」使用可能であると記すことができます。

■ フリーウエア

「フリーソフトウエア」の同義語として「フリーウエア」という言葉を用いないでください。「フリーウエア」は 1980 代によく使用された言葉で、ソースコードは入手できずバイナリという形態でリリースされたプログラムに使われました。今日ではこの語には皆が承諾するような特定の定義はありません。 英語以外の言葉をお使いの場合には、「フリーソフトウエア」や「フリーウエア」といった英単語を拝借するのを避けてください。自国の言葉にあるそれほどあいまいでない言葉を使うようにしてください。例えば、

   Hebrew: tochna hofshit 
   French: logiciel libre 
   German: freie Software 
   Russian: svobodny programy 
   Chinese: zi4you2 ruan3jian4 
   Japanese: 自由 (な) ソフト
   Esperanto: libera programaro 
   Swedish: fri programvara 
   Dutch: vrije software 

自国語でフリーソフトウエアにあたる語を考え出せば、この語によって きちんと自由をさししめすことができます。外国の何だか分からない商売上の言葉をオウムのように繰り返すことはなくなります。自由を強調することは、最初のうちあなたの国のひとたちには奇異に映るかもしれないし、混乱させるかもしれません。しかし、すぐに慣れるでしょうし、フリーソフトウエアがもつ本当の意味を見い出すでしょう。

■ 「ソフトウエアをあげます」

「フリーソフトウエアとしてプログラムを配布します」という意味で「あげます」という言葉を使うと誤解を生むことになります。この言葉の使用には「無料で」という言葉と同じ問題があります。つまり、「あげます」という言葉には問題が価格であって自由ではないという意味が含まれています。この混乱を避けるには「フリーソフトウエアとして公開します」といえばいいのです。

■ 知的所有権

出版者や法律家は著作権を「知的所有権」という言葉で表すのを好みます。この言葉には表には現れない仮定が含まれています。つまり所有権の問題を考える自然な方法は、物理的なモノとの類推に基礎をおいていますし、加えて自分たちのアイデアを所有物としてとらえる思考方法に基礎をおいています。

けれどこの類推は物理的なモノと情報との決定的な差異を見過ごしています。 つまり情報はほとんど骨を折らずに複製でき共用できます。一方、物理的なモノの場合はそうはいきません。物理的なモノと情報との類推は両者の違いを無視するに等しいのです。

合衆国の法体系がこうした類推を全面的に受け入れているわけではありません。なぜなら、合衆国の法体系でも物理的なモノと同じ具合に著作権を所有権として扱ってはいないからです。

この種の考え方に自身を縛りたくないならば、会話をしたりものを考える場合にこの「知的所有権」という語を使用することを避けるべきです。 「知的所有権」という語に関する別の問題には、この言葉を使用することにより、著作権、特許権、登録商標といった相異なる複数の法律上の体系を同一視することがあげられます。これらの領域に関する法律を調べ、互いの違いを認識していない場合、これらの概念をいっしょくたに考えることは間違いなく誤った一般化へとひとを導くでしょう。

これらの混同を避けるために、「知的所有権」に代わる言葉を探すことは最善の策ではありません。そうではなく、著作権、特許権、もしくは法体系上論点となる一方に関して議論すればよいのです。

■ 「海賊行為」

出版業者は禁じている複製を「海賊行為」とよく呼びます。この場合、出版業者 は違法コピーを海上で船舶を襲い人々を拐い殺害する行為と倫理上同じであることを暗に述べているのです。

違法コピーを人を誘拐したり殺害したりする行為と同じだと考えたくないならば、 違法コピーを指すのに「海賊行為」という言葉を用いなければよいのです。「禁止されている複製」あるいは「許可のない複製」といった中性の言葉を代わりに用いることができます。我々のうちには違法コピーを指して「仲間と情報を共有する」といった肯定的な言葉を用いるのを好むひとびとがいるかも知れませんが。

■ 「保護」

出版業者の顧問弁護士たちは著作権を表すのに「保護」という言葉を用いることを好みます。この言葉は破壊や被害を防ぐという意味を暗に含んでいます。そのため、この言葉を用いることは、著作権により制限を加えられる使用者ではなく、著作権から利益を得る所有者や出版業者に資することになります。

「保護」という言葉の使用を避け代わりに中立的な言葉を用いるのは簡単です。例えば、「著作権による保護は長期間存続する」という代わりに「著作権は長期間存続する」といえばよいのです。

もしも著作権の存在を支持する代わりに批判したいのであれば、「著作権による制限」という表現を用いることができます。

■ 「ソフトウエアを販売する」

「ソフトウエアを販売する」という用語は曖昧です。厳密に言うならば、 利益を挙げるためにフリープログラムの複製物を取り引きすることは「販売する」ことに当たります。しかし、通常、ひとは「販売する」という言葉とソフトウエアの使用に関し所有者による制限が加えられることを結び付けて考えています。だから、より正確に表現し混同を避けるには、「手数料を支払うことでプログラムの複製物を配布する」と述べるか、または「プログラムの使用に関し所有者による制限を加える」と述べればよいのです。

この問題に関するより詳しい議論については「フリーソフトウエアを販売する」を見てください。

■ 「窃盗」

著作権の擁護者は著作権侵害を表すのに「盗み」や「窃盗」という言葉をよく用います。それと同時に彼らは私たちに倫理に関する権威として法体系をとらえるよう求めてもいるのです。例えば、仮に複製が禁止されているならば、複製は悪しき行為であるはずだという具合に。

だから少なくとも合衆国の法体系において著作権侵害は「窃盗」であるとする立場が認められていないことに言及しておくことは適切なことです。「盗み」といった言葉を用いる著作権擁護者は自分たちが強調するところの権威を誤って伝えているのです。

一般的に言って法律が善悪を決めるという考え方は間違っています。 せいぜい法律にできることは正当性を実現しようという試みに過ぎません。 法律が正当性や倫理的行為を決めるという考えは事実とは全くあべこべです。

フリーソフトウェアの分類 (18k characters) も参照のこと。


日本語訳ここまで


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