Compiled: Thu Aug 31 01:34:02 JST 2000
日本の政府、企業は、インターネットでの「日本の発言権」、「国益」をかけて、日本人理事をICANN理事会に送り込もうとしています。
ボトムアップの民間主導の原則で動くICANNに、このようなトップダウンの官主導の選挙活動を行うのは、善意で支えられているICANNの枠組みを破壊する行為であり、全世界のインターネットに対する非常識な挑戦です。
このような日本政府、およびそれを支持するさまざまな日本国内の組織に対し、世界的な非難がよせられています。
もしかすると、「日本人が日本の国益を代弁して何が悪い? 国際政治とはそんなもんだ」という人もいるかもしれません。 しかし、ICANNは国際政治の場ではありません。 どんなに困難な調整も、これまでインターネットのコミュニティはユーザーが話し合いながら、ボトムアップで合意を形成してきました。 だからこそ、インターネットはこれほどすばらしい世界的ネットワークに成長することができました。
ICANNは、このようなインターネットの「良き伝統」を継承しようとしています。
ICANNの定款のセクション8には、次のように書かれています。
Section 8. DUTIES OF DIRECTORS
Directors shall serve as individuals who have the duty to act
in what they reasonably believe are the best interests of
the Corporation and not as representatives of the subordinate entity
that selected them, their employers, or any other organizations or
constituencies.
つまり、ICANNの理事は、どんなときでも選出母体の利益に左右されてはならず、ICANN全
体の利益に貢献することが求められています。
ところが日本は「国益」を代弁し、日本のために動く傀儡理事をICANNの理事会に送り込もうとして、 政府の息のかかった企業や関連団体に強制的な登録の割り当てを行っているのですから、日本はICANNの破壊者、インターネット・コミュニティをナショナリズムで踏み躙る暴力的な国家という非難を受けるのも当然でしょう。
さらに大きな問題は、日本政府が大量の動員をかけたために、他国の対抗意識に火をつけてしまったことです。 東アジアには、日本に対して悪い感情を持っている国は少なくありません。 そして、日本政府の行動が彼らのナショナリズムを逆撫でしてしまいました。
日本の政府がそんなひどいことをしているなんて、信じられないかもしれません。
しかし、これは事実です。
あるいは、大企業の社員の方なら、「郵政省からの指示により...」と書かれた文書を送られた方もいるかもしれません。
日本政府は、ICANNへの政府による選挙干渉が問題であることを明らかに認識しています。
それにもかかわらず、政府が表にでないようにネット関連企業と結託してトンネル団体を作り、「国益ドライブ」を推進しているという事実は、インターネットの利用者にとって決して見過ごすことのできない重大な問題です。
さらに、日本のネット管理組織であるJPNICも、これに関与しています。
以下、日本政府によるICANNに対する「国益」ドライブに関する情報を掲載します。
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