原題「About Schmidt」先週の出張帰りの飛行機で観た。ジャックニコルソンの演技は各所で絶賛されているようにココで再度書く必要なし。ストーリー的に考えさせられるところがあったので、それ中心で。
定年退職直後に妻の死、娘の結婚という人生の大イベントを迎えてしまうジャックニコルソン演じる主役シュミットの物語。退職した後のサラリーマンなんて寂しいもんだよなぁと非常に虚しい気分になる映画。これハートウォーミングかぁ?
子供を産む事にしか女性に価値がないという考えは暴論として認知されているが、この映画は仕事をする事にしか男には価値がないって事をマザマザと突きつけられた感じ。
その上、妻に先立たれたりしたらもうこりゃ最悪。奥さんは大事にしようねミンナ!そう、この映画は見終わった後に自分自身の日常を振り返って反省し、他者に対してハートウォーミングにさせる映画なんだよね。公式サイトでも小堺一機とか鈴木聡とかビーターバラカンら男性のコメントには身につまされるものが多い。
職を失い、妻に先立たれ、娘に独立された後の寂しい寂しい爺さんが最後に見つける生き甲斐。ラストシーンで「宝物」として描かれているが、あの慈善団体がこの映画のスポンサーになってたら結構笑えるな。オチを「感動」と捕らえるか「シニカルな笑い」を感じるか、その人の精神状態が反映されるでしょう。オレ?!オレは後者です。職無しの男ヤモメは最悪だね、と笑うしか救いようの無い深い孤独を感じる。
こんな自虐的な男ヤモメのストーリーに女性がどういう風な感想持つか非常に興味があるね。ジャックニコルソンが名演だと絶賛されていたのにオスカーを取れなかったのは、女性に理解される題材じゃなかったからかなと勘繰りたくもなる。