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タランティーノの新作「キル・ビル」の評判
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タランティーノの新作「キル・ビル」の評判

クエンティン・タランティーノ監督の新作「キル・ビル」の各地でのプレビューがほぼ終り批評家のレビューもボチボチ出てきているようです。

「キル・ビル:Volume1」の舞台は沖縄と東京。日本とも香港ともつかぬ不思議な場所で「死亡遊戯」のブルース・リーが着ていたような黄色のジャンプスーツを着たユマ・サーマンが、ルーシー・リューを相手にチャンバラをしているシーンがフィーチャーされた予告編を観ると

大丈夫かなぁ……

と実に心配になってくる。もちろん、クソ映画「パールハーバー」の例を持ち出すまでもなく、アメリカ人が日本を描いて良かったためしはないからだ。(「戦争のはらわた」「ワイルド・バンチ」をはじめほとんど駄作を撮らなかった鬼才サム・ペキンパーをしても「キラー・エリート」では変な忍者を描いて、思い切りズッコケさせてくれた。)

そして、脚本を担当した「トゥルー・ロマンス」の、主人公が千葉真一の映画を賛美するシーンをはじめ、彼の作品の随所に見られる邦画と香港映画の影響がハンパではなく、骨の髄まで沁みこんだホンモノであることを十分に承知しているから、タランティーノにだけはコケて欲しくないからだ。

ユマ・サーマンが演じる《ザ・ブライド》という凄腕の女殺し屋が、結婚式の時に仲間だった暗殺者集団に襲われ、夫と子供を殺され自身も昏睡状態になってしまう。そして数年後、昏睡から醒めた《ザ・ブライド》は、自分を不幸のどん底に突き落とした連中を全員抹殺するために日本へ復讐の旅に出る……というのが大まかな設定らしい。

ロイターがまとめた各紙のレビューによると、とにかく日本刀などの使ったチャンバラとカンフーアクションだけは圧倒的に凄まじいみたい。腕が、脚が、そして首が飛ぶ大流血のノンストップアクションらしい。

批評家の評価は割れている。

経済誌「ビジネスウィーク」の批評家は「この映画で、斬られて床に飛ぶ腕と脚の数は、ハリウッドで作られる映画を合計したものよりも多い。寒気がする」とコメント。

ハリウッド・レポーター誌は「その映画的な闘争シーンは絶対に見る価値がある」と大絶賛。

当のロイターは「映画マニアはタランティーノの手腕、完璧なカンフーアクション、すさまじい速度の展開、そして胃がひっくり返りそうなサウンドイフェクトとに大喜びするかもしれないが、こうした要素を剥ぎ取ってしまうと大したものは残らないと批判的だ。

ニューヨーカーのデイヴィッド・デンビーにいたっては「《キル・ビル》は気取った言い方をすればいわゆるデカダンな作品、くだけた言い方をすればクズ」と「いかにも」な酷評を下している(笑)。

タランティーノのファンとしては非常に不安を掻きたられるが、「ジャッキー・ブラウン」で驚くべきディープさをみせたタランティーノが、凡庸な監督がやるようなヘマをやらかすわけないよ……そう信じなくては!アメリカでは今週末から、日本では25日から公開だ。

あ、そうだ。この映画には日本の俳優も結構出ているみたい。有名どころでは、タランティーノが崇拝するソニー千葉こと千葉真一、敬愛する故深作欣二の「バトルロワイヤル」の演技が目にとまり大抜擢を受けた栗山千明が出ている。

ちなみに千葉ちゃんの役名は服部半蔵、栗山はGOGO夕張……ううう、やっぱり不安だなぁ……


2003年10月8日



情報ソース
Reuters:Critics Split on Tarantino's Bloody 'Kill Bill'
The New Yorker : DEAD RECKONING
Yahoo Newsの「キル・ビル」スライドショー
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