IBMが制作したこのヴィデオは、1965年、つまり“コンピューターが部屋全体を占拠していた”時代につくられたものだが、その内容は、いまもって有益だ。
パンチカードについての解説や「テレビ型ディスプレイ」は、人によっては懐かしさを感じるかもしれないし、ある種の趣もある。しかし実際のところ、この映像は、コンピューターがいかに動作するかを説明するのに格好の素材だ。
映像につけられたナレーションは、コンピューターを理解するには、5つの基本的な機能に分解して考えればいいのだと言う。次の5つだ。
1: 入力:例えるなら、メガネ 2: 記憶:例えるなら、区切られた箱 3: 演算:例えるなら、計算機 4: 出力:例えるなら、タイプライター 5: 制御:例えるなら、ダイヤル盤
また、ナレーションはこれら5つの要素が組み合わさり、シンプルなプログラム──例えば5人家族の平均年齢を求める、など──をいかに実行するか、説明してくれる。
「入力」がプログラムの各ステップを読み取り、作業のステップのひとつひとつを「制御」する。「演算」し、各ステップの結果を「記憶」し、最終的な結果を「出力」する。とまあ、こういったわけだ。非常にシンプルな例だが、あらゆるコンピューターの源流というべきものだろう。
コンピューターの基本的な理屈は変わらない。たとえ、わたしたちの手のなかに収まるスマートフォンがこの1960年代製のIBMメインフレーム以上の処理能力をもっているとしても。
TEXT BY KLINT FINLEY
TRANSLATION BY WIRED.jp_ST
