水妖精馬 ②
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(※第一は水面を蹄で駆ける音としてですが
ドグラマグラから考えた擬音ではあります
クール系な口調も伝わって何よりです!)
『は、……………はい……っ!』
(震え、嗚咽を漏らしそうになりながら
こわごわと返答した獣人を見て、妖精馬の
鋭かった目付きが幾らか緩んだような)
....そう。お腹も痩せてるし────────
(爪を引っ込め、指先で薄い毛皮をなぞり)
──────それに、空腹?
(ぐぅ、と鈍く響いた胃袋の震えを指先で
感じ取り、痩せた腹を測る様に掌を乗せ)
........肉付きが悪いのね、可哀想に。
うん、放っておけない............来なさい。
(ひょい、と脇から掴んで獣人を持ち上げ
腕の太さなども手で握って測り....そして、
完全に庇護下に置く判断を下したようだ)
ナワバリに入るのは命知らずだけ....だけど
貴方、きっと私の庇護を求めて来たのね。
ええ、それなら良いわ。助けてあげる。
(多分ちょっと勘違いをしているだろうが
それに話を合わせる方が良さそうである)
ついてきて。
獲物、一緒に来る代わりに分けてあげる。
(頬の灰色の毛並みを冷たい手が撫でて、
"ついてこい"と狼を惹き寄せるように動く
圧倒的に強く、美しく、何より雌の魔物は
思春期の若くあどけない雄にはどのように
映るのだろうか?)
────────ここ。
(そこは簡易的な小屋のような所で、
幾つか干し魚や乾燥野草が保存されていた
人間は元より、大きな獣ですら気配が無い
そのはず、このエリアは"何か"の縄張りで
獣たちは決して近づこうとしないのだ)
ほら、好きに取りなさい。
食べ易くするのは貴方の拠点でするから。
(尻尾で入口を指し示しながら言った)