連載第2回目は、なんと夫婦同士の対談です。お相手は、はてなダイアリーやはてなブックマークをはじめ、エンジニアのみなさんにも人気のサービスを次々とリリースしている( 株) はてなの代表取締役社長 近藤淳也さんと、その奥様であり、はてなで広報、総務、経理などのお仕事をされている令子さん。それを迎え撃つのは、小飼弾さんとその奥様、直美さんです。いったい、どんなGeek話が飛び出すのでしょうか?(文中、敬称略) なお、この対談の模様は、近藤淳也さんの日記 でも、podcastで音声が公開されています。
撮影:武田康宏
夫婦でも情報共有
弾: 淳也さんは社内の情報共有を強く意識されていますが、夫婦間の情報共有はどうですか?
令子: 彼は、夫婦のことは夫婦でちゃんと情報共有しようっていうスタンスだったんですけれど、私は個人は個人なんだから、知らないこともあってもいいんじゃないの?っていうタイプだったんです。でも、きちんと一緒にやっていくには、それぞれのことを理解した上で生きていったほうがいいんじゃないかということを懇々と言われ続けて、最近その大切さがわかってきたので、反発することもなくなってきたかなと思います。
弾: そういうことは大事だと思います。人によってどこまで共有を許すかっていうのは違うんですよね。実際に夫婦喧嘩してみないと、どこは折れて、どこを押すっていうのはわからないじゃないですか。
淳也: そういうのをやらずに最初から諦めていたら、どんどん離れていく一方ですもんね。
弾: だからやっぱり、夫婦を長持ちさせる秘訣っていうのはちゃんと喧嘩するべきところは喧嘩するっていうことですよね。
直美: 私は弾のブログで、長くて理屈っぽいエントリを読むとだんだん、朝まで延々と諭されてるのが蘇ってきてなんかもういい(という気になる)( 笑)…。
弾: ブログを書くようになってから、あんまり朝まで生夫婦喧嘩っていうのはやらなくなったよね。
共通の趣味
弾: 夫婦で共通の趣味はありますか?
令子: 共通の趣味に、強制的に引き込まれて今ここに至るという感じです。たとえば自転車も、私は持ってても乗りませんでしたけど、今は2人で6キロの道のりを通勤していますし、今年は彼がインラインスケートを買って、年明けからはまりまくっているんです。1ヶ月前くらいに私も買いにいかされて…買ってもらいました(笑) 。
弾: うちの場合、共通の趣味というと…。
直美: だいたい、弾の趣味は何ですか? コンピュータに向かっている以外の趣味って見たことないんです。
令子: 子供さんがいるというのは、決まった楽しみとか超えて、共通の対象があるっていうことですよね。
弾: ただ、その対象に対処するやりかたがかなり違うよね。
直美: たぶん弾は、子供がいるとかいないとか、家の中か、仕事してるかっていう区別じゃなくて、あえて区別すると脳みそがあっちに行っているか、戻ってきているか(笑) 。食事のときも、家族で一応夕飯を食べるんですけれど、もう頭の中でカリカリカリ…ってプログラムか何かが動いているときは、目が宙を…(笑) 。何か話しかけると、すごいタイムラグがあって10~15秒くらいしてから答えが返ってくるんです。たぶんマルチタスクで違うものが今、処理能力を使っちゃってて、こっちに対する答えはすごい遅れて返ってくる。
弾: ちゃんとメッセージキューには入ってるんだよ(笑) 。
直美: だから子供も弾があっちの世界にいっちゃってるのかがわかるようになってて(笑) 。今話しかけても全然耳に入っていないか、今ここに心があるのかがわかる。
令子: 「今お父さんあっち側だし」みたいな(笑) 。
弾: ちなみにうちには「お父さん」はいなくて、子供たちも「弾」って呼ぶんですよ。
Geekの捕まえかた
弾: ITmediaの令子さんへのインタビュー[1] で、結婚のきっかけは、淳也さんが怪我をしちゃって…というエピソードが載ってたんですけれど、自分たちを振り返ると、僕が風邪で寝込んでいたときに直美が食事をおごってくれたんです。思えばあの頃から下心みえみえだったのかなと…(笑) 。
直美: 弱っているときに食べさせてあげるっていうのはいいんですよね(笑) 。
令子: 弱っているときは絶対に効きます!(笑)
弾: わかりました? 全国の(Geek)ファンのみなさん。
淳也: なんだそりゃ(苦笑) 。