11月9日、中国広東省党委書記の汪洋氏らが、当局者の資産公開について、いずれは必要となるとの考えを示した。写真は北京の人民大会堂(2012年 ロイター/Petar Kujundzic)
[北京 9日 ロイター] 北京で行われている中国共産党大会で最高指導部入りする可能性があるとされる、広東省党委書記の汪洋氏らは9日、当局者の資産公開について、いずれは必要となるとの考えを示した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は先月、温家宝首相の一部親族が少なくとも27億ドル(約2150億円)の「隠し資産」を蓄えたと報道。主として温氏が1998年に国務院(内閣に相当)副首相に指名されて以降、母親や兄弟、子供たちが巨額の蓄財を行っていると伝えていた。中国政府は報道内容が中傷だとして非難している。
汪氏は、広東省が当局者に強制的に資産を公開させる方法を「模索」しているとコメント。また上海市党委書記の兪正声氏は、上海市では内部に向けて資産を明らかにするシステムがあるとした上で、「これは十分ではない」と指摘。同市の指導部が資産の一般公開に向けて着手したと明らかにした。
兪氏はまた、自らの子どもに対し、兪氏が上海市の当局者である間は同市の企業や当局とかかわりを持つことを禁じていると述べた。資産の一般公開を率先して行うかとの記者の質問に対しては「そのような決定がなされれば、資産が多くないので問題なくできる」と語った。
汪氏と兪氏は、温首相の親族をめぐる報道については触れなかった。中国共産党は来週に最高意思決定機関である中央政治局常務委員を発表する見通しで、汪氏と兪氏も常務委員に選出される可能性があるとされている。
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