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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - 都大会決勝 桜見VS柳石4
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第2章 地区大会、都大会の戦い

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都大会決勝 桜見VS柳石4

「若葉の出場準備もう出来てるのか?」



「はい、タイミングとしてはアップの時かなと思って伝えました」



 竜斗はハーフタイムの中で若葉の交代準備を指示しようとしてたが、神奈から既にアップをしていて準備万端だと言われ、1年マネージャーの敏腕ぶりに驚かされてしまう。



「うちの妹って優秀でしょー、ねぇヤミー♪」



「うん……というか、かなり優秀……」



 自分の事を自慢するかのように、輝羅は影二の肩に手を回していた。



「──あれ、与一は?」



 今の流れで妹好きな与一なら参加しそうとなったが、一切何も無い事を不思議に思って霧林は周囲を見回す。



「あそこだねー」



 輝羅の見つめる先に霧林も同じ方向を見ると、与一は自分の世界へ入っているのか、タオルを頭に被ったまま顔を上げていない。



「もしかしてバテた……? おい、大丈夫か与一」



「待った」



 心配して竜斗が近づいて声を掛けようとした時、それを輝羅が止める。



「今の与一は『入ってる』から」



 双子の兄弟として、今の彼の状態は手に取るように分かっていた。



 相手の星夜を倒そうと本気になっている事が。



「後半、古神は与一に任せれば良いよ。それでシュートを撃たれても僕が責任を持ってシャットアウトするからさ」



「分かった。じゃあ守備は他の連中を抑える事に集中しようかー」



 相手エースを止める事に輝羅は自信を覗かせ、その自信を楽斗は買うと皆に作戦を伝えていく。



「若葉、後半から行けるか?」



「はい!」



 軽めのランニングを終えてアップを済ませた若葉が戻り、竜斗からの声に力強く返事を返す。



 後半から新田に代わって左サイドバックとして出場だ。




「桜見は後半、倉本若葉って2年を必ず出して来る」



 一方、柳石側もハーフタイムで束の間の休息を取りつつ、後半に向こうが仕掛けて来ると話し合いが行われていた。



 桜見の都大会での試合は見ており、3回戦の堅山に準決勝の東王と、いずれも1点を争う大事な場面で若葉が出て結果を出している。



 なので今回も出て来るだろうと、小島が話せば皆も頷く。



「ああ、覚えてるねぇ〜。素直で努力家で俺より年下で頑張ってるなぁって見てたなぁ」



「そういえば同じ柳FCだったか。素直な努力家……あそこまでの技術を身に着けたのも努力し続けた結果だな」



 かつては同じ柳FCで影丸にとって若葉は後輩、昔よく練習頑張ってたなぁと懐かしそうに振り返る。


 小島は影丸から性格を聞けば強敵だと腕を組む。



「大丈夫さヤス、後半はもっと動いて守備範囲を広げていく。この試合は1点がズシンと重い感じになりそうだからね」



 その小島の肩を軽く叩き、星夜は穏やかな笑みを見せていた。



「そうしてくれるのは俺達守備陣にとってありがたいけど、大丈夫かよ? スタミナ持つのかどうか……」



「持たせるよ。それぐらいのリスクを背負わないと多分押し切られるかもしれない──それ程のチームなんだ桜見は」



 与一や輝羅、そして桜見と直に戦った星夜から見て、彼らには今までと同じでは駄目だと危険な予感が伝わる。



「ま、どうせ決勝終われば関東大会まで休めるし? 勝った後だら〜って寝て過ごせれば最高だねー。てな訳で決勝緩くやりつつ勝とうー」



「おおー、って気合が入りづれぇわ!」



「えー? 不採用? 今の時代は緩く気楽が良いでしょー」



 影丸の後半への意気込みに小島だけでなく、皆が力の抜ける緩い意気込みだった。



 時間も迫っているので柳石は後半戦のフィールドへ向かう。




「(──相当悔しいんだな。同じ年の相手に抜かれてシュートされた事が)」



 フィールドに戻ると、輝羅はゴールマウスから背番号6を背負う与一の背中を見つめる。



 今の彼は相当集中しているので、テレパシーで呼びかけて集中を乱すような事はしない。



「(いいさ、コーチングは今回僕に全部押しつけて存分にやりな与一。やるからには勝って来いよ)」



 自身も後半への試合に向けて集中し、輝羅はキッと前を見据えた。



 ピィ────



 後半戦が始まると桜見は楽斗がボールを持ち、左から速くも若葉が上がっていく。



「活躍はさせないよスーパーサブ君!」



「!」



 代わって入った若葉の上がりを見逃さなかったのは、眠気の消えた影丸。


 攻撃の要である彼が守備にも積極的に顔を出してきた。



「(影丸さん……覚醒して乗ってる時は手が付けられなかったっけ!)」



 先輩である影丸の昔を思い返すと、若葉は左から中央へ方向転換。


 走行ルートの切り替えでマークを外そうとしていたが──。



「逃さないよー!」



「!?」



 急なルート変更の動きにも即座に対応してきて、影丸は若葉から離れない。



「(厳しいか!)」



 若葉へのパスを考えていたが、影丸の執拗なマークに阻まれて楽斗は狙いを変更する。


 追い越すように右から上がって来た影二へパス。



 そこから右を走る霧林へ出して、桜見は右サイドの攻めに出た。



「っと!」



 目の前には柳石の佐藤が待ち構え、霧林のドリブルで進む足を止めさせる。



「中央! 10番!」



 小島の目から霧林の近くを走る楽斗の姿を捉え、すかさず指示を出す。


 大塚が走る楽斗の右側を並走してパスコースを消していた。



「!」



 その霧林は前を向いたまま右の踵でバックパス。



 佐藤の横をすり抜けて前に走ると、同じ右サイドの西村が上がって来てパスを受け取り、トラップした直後に右足でボールを蹴り上げた。



 佐藤の頭上をフワリと越えるボールが先にいる霧林の元へ届き、右サイドの3年同士の連係で突破。



「(此処はシンプルに!)」



 霧林は右足でゴール前へ高くボールを蹴る。



 落下地点へ走る竜斗が落ちて来た球に合わせて跳躍すれば、DFと空中戦で競り合いながらも頭で合わせに行く。



「っ!?」



 竜斗のヘディングより速く伸びてくる小島の右腕。



 ゴールマウスから飛び出してパンチングでクリアすると、転がっていく球へ先に追いついたのは影二。



「(飛び出してる今なら……!)」



 影二は小島の飛び出した隙を突いて、ロングシュートを狙おうとする。



「ヤミー! 後ろ!!」



 そこに輝羅の大声が影二の耳に届くも、既に遅かった。



「わぁっ!?」



 低い姿勢から飛び込んで来たのは星夜で、スライディングによって伸ばされた左足が影二のボールを捉え、弾き飛ばしていた。



 ボールは左のタッチラインへ転がって若葉が拾いに向かう。



「!?」



 その若葉を追い越して影丸がラインを割る前に右足で止め、流れるような動きで左足のパスを出す。



 シュートを撃ったような速い球は星夜に向かい、これを左足でトラップして足元に収める。



「(来たね!)」



 星夜は気配で彼が自分へ迫って来るのが分かり、前を向けば与一の迫る姿が見えた。


 そこから再び始まる激しい奪い合い。



 前半よりもキレのある動きで、フェイントを何度も星夜が仕掛けて与一を翻弄しようとする。


 対して集中した状態で、与一は星夜のテクニックとスピードについて行く。



 フィールド上では中学とは思えないハイレベルな攻防戦が行われ、見ている観客達は釘付けとなっていた。



「(奪えない!)」



「(抜けない!)」



 星夜がボール奪取の隙を与えなければ、与一も突破する隙を見せない。


 互角の攻防戦がセンターサークル付近で続き、両者の汗が滴り落ちる程に互いが足を止める事なくデュエルが行われる。



 すると星夜の方が仕掛け、左回りのターンで抜きに行く。



「ぐっ!?」



「うわっ!」



 与一はターンで動くボールを見ると左足を伸ばし、動き回る球をついに捉えた瞬間、互いの体が衝突して2人が転倒する。



 そこに主審が笛を鳴らすと判定は柳石側のファールで、与一が星夜の突破を阻止する形となった。



「ハァ……ハァ……こんなやるとは正直思ってなかったよ神童さん……!」



「ハァ……ハァ……こっちの台詞だよ天才君……!」



 与一、星夜の両者が息を乱しながらも2人は立ち上がり、互いを見れば共に笑みを見せる。



 中学レベルを超越した2人の攻防戦はまた続く。

与一「ちょっとスイッチ入り過ぎたせいか、あとがき結構サボってたー」


影二「(ちょっと……?)」


楽斗「(大分スイッチ入ってた気がするけどなぁ)」


輝羅「つまり、そうさせてしまうくらい古神手強い相手って事だねー。実際シュートやドリブルだけじゃなく守備とか他も全部優れた万能プレーヤーだし!」


与一「だからって勝ちは譲んないけどね! 次回も桜見と柳石の試合は続くよー♪」


輝羅「与一と古神の戦いも続くからねー!」

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