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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - 本気の関東王者
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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本気の関東王者

「に、2失点……この僕が2失点なんてあり得ない……! こんな事……!!」



 星夜にゴールを割られたショックで驚きと悔しさが混じり、わなわなと登山は体を震わせている。



 2点取られて彼のプライドが深く傷つけられたようだ。



「しっかりしとけヒロ」



「うぶっ!?」



 大きく動揺している守護神へ、海斗は右手のチョップを軽く脳天に落とす。



「受け入れろ、たまにはこういう事もあるんだっていうのを。それより気が抜けて3点、4点取られた方が格好悪いからな?」



 点を取られて自分がダサく情けないと考える登山に、海斗は自分へ向けさせると言葉を伝える。


 まだ彼には守ってもらわなければならないので、崩れてしまえば勝ち目は無くなってしまう。



「っ……3点取られたら、この場でサッカー辞めてやる……!」



「それ大迷惑だから止めろよな? とりあえず、そんぐらいの気迫で守っとけよ」



 言葉は無茶苦茶言ってるが、彼に闘志が戻ったという事で海斗は改めて前を向く。



「他を多少無視してでも古神は徹底して封じる必要あるな。とにかくあいつにだけはボールを持たれたくない」



「そうだな……話に聞いていた以上に半端ないぞ」



 海斗の話に米沢も頷いていた。


 マークする身として星夜の底知れない実力を体感し、彼は自分1人では手玉に取られてしまうと考える。



「3点で済ませる気は無い。4点だろうが5点だろうがガンガン取ってくぞ」



「おう、当たり前だろ」



 2点取られた事で海斗や戸村だけでなく、石立全体の空気が一変していた。



 星夜の同点ゴールによって王者が本気となり、柳石を潰しにいく。




「行ける行けるー、このまま逆転ゴールで決勝行こうー!」



 すっかり眠気の覚めた影丸はテンションが上がり、星夜と肩を組んで石立を倒しに行こうと張り切っている。



「そう簡単には行かなそうだよ」



 星夜が見つめる先には、キックオフで試合再開の準備を進める石立の姿。



 彼らの纏う空気が先程とは全然違い、殺気立った物へと変わっていく。


 星夜は石立が本気で自分達を倒しに来るのだと察知した。



「んじゃ、とっとと勝ち越しゴール決めて勝ち逃げしちゃおうー!」



 高いテンションを保った状態で影丸はポジションへ戻り、星夜は鬼気迫るような石立の姿を見据え、身構える。



『石立、まさかの2失点で同点ゴール! 関東大会連覇に黄色信号が灯されたと言ってもいいかもしれません!』



『サッカーは何が起こるか分からないって言いますからね。石立中学の関東大会での不敗神話が終わるかもしれませんよ』



 神話の終わりが見れるかもしれないと会場がざわめく中、石立のキックオフで試合は再開された。




「(一段と速くなったか!?)」



 柳石の最後尾から石立のパス回しを見た小島の目には、先程までのパスよりも速くなったように見える。



 海斗を中心にワンタッチでパスを回す姿は中学サッカーの域を超える物で、柳石の選手達はプレスをかけるも躱されてばかりだ。



「こんの!」



「うわっ!?」



 森本がなんとか止めようと、右足を出すが相手の足を引っ掛けてしまう。



『おっとファール! 森本倒してしまい、石立にFKのチャンスが巡る!』



 ファールを受けた位置は柳石のゴール正面、距離は30m前後だ。



「しっかりくっつけー! 隙間を絶対に作るなー!」



 ゴールを守る小島から大声が飛び出し、僅かな綻びも作らないように努める。



 仲間が同点を決めて追いつかせてくれたのに、自分がゴールを許す訳にはいかない。



「どう行く?」



「うん……」



 柳石の壁の前に立つ海斗は腕を組んで前を見据えていた。


 戸村に攻め方をどうするか聞かれ、答えが纏まらないのか返事だけを返す。



 スコアは2ー2、勝ち越しのゴールを決められるか重要な局面。


 会場は緊張感に包まれている。



「──蹴るよ俺が、一撃で流れを変えてやる」



 海斗は自分が決めると言いきり、組んでいた腕を下ろして真っ直ぐ柳石ゴールを向く。



 その目は獲物を狙うハンターのように鋭かった。



 助走を取ると海斗が走り出して、戸村は軽く彼の前へボールを出す。



 勢いよく海斗は右足を振り抜き、球が高く打ち上げられた。



「わっ!?」



 ジャンプした影丸の更に上を飛ぶボール。



「(高い、バーの上だ!)」



 落ちて来たとしても高過ぎると、打ち上げられた球を小島は見送ろうとしていた。



 だが、そこからグンとボールは下へ向かって落ちる。



「っ!?」



 完全に勢いよくゴールバーの上を超えると思われた球が、急激な変化を見せて急降下。



 ゴール左上隅を正確に捉えた。



 急な変化に加えて向かうスピードの2つを兼ね備えたボールを前に、小島は全く反応出来ないままネットを揺らされてしまう。



『決まった勝ち越しゴール!! 石立、社海斗が直接決めたぁ!』



『これは凄い落下ですね! 中学生でこんなドライブを使えるとは……!』




「何だよ今のは……!?」



 勝ち越しを決めた石立は皆が盛り上がってる喜び、悔しさと共に小島は今のキックに驚愕していた。



 ドライブシュートは初見ではないが、あそこまで鋭く落ちる物は見た事が無い。



「漫画じゃんか、あんなのって……ガチ凄いんだけど……!?」



 海斗のキックはマイペースな影丸をも驚かせる。



「(完全なミスキックと油断させて一気にドスンと行くか……怖いタイプだね)」



 ボールを持った星夜は喜び合う石立の中心にいる海斗を一度見た後、自らセンターサークルへ戻しに走った。



 まだ点差は1点、柳石にも勝ち目は充分ある。



 しかし、本気となって牙を剥いた関東王者は甘くない。



「わわっ!?」



 先程より星夜に人数をかけて止めるようになり、彼へのパスを徹底して封じていた。


 これには影丸も彼へパスをどうやって送ろうか、慌ててしまう。



「他を使え影丸!」



 小島からの指示が飛び、他の手薄になっている選手を使えと指示が出る。



 だが、シュートを撃っても登山のセーブが阻んで来た。


 先程以上の鬼気迫る表情と気迫を感じさせる。



「カウンター!!」



 2度目の同点を決して許さず、逆に石立は1点差のリードに満足する事なく、雪崩込むように柳石へ速攻を仕掛けていった。



 上手くメンバーを交代させて、チーム全体のプレーの質を落とさずボールを回す。



『中盤の速い連携! 右の村木新一からゴール前! 戸村の豪快なシュート決まったぁぁ!!』



 柳石の守備を翻弄して崩し、右のクロスに戸村は胸で落とした後に右足のボレーシュート。



 小島が必死にダイブで飛びつくも、一歩及ばず再びゴールネットを揺らされた。


 これで石立が突き放す。




「(完全に火がついちゃったみたいだね。ああなると海斗や石立は止められないし止まらない)」



 石立のベンチから、マネージャーの八乙女美怜は石立の勝利を静かに確信する。



 1年の頃から石立のサッカーは見てきた。


 だからこそ、ああなった石立は止められないだろうと。




「(駄目だったか……また、神明寺兄弟と戦いたかったんだけどな)」



 試合終了の笛が鳴ると、星夜は天を仰いで双子のプレーヤーの顔を思い浮かべる。



 石立の関東での不敗神話は神童も崩す事が出来ず、その役目は決勝の桜見へと回っていく……。



 石立5ー2柳石



 社2   古神2


 戸村2


 村木(新一)1



 マン・オブ・ザ・マッチ


 社海斗

与一「めっちゃ点の取り合いだったなぁ〜!」


輝羅「彼らの準決勝が終わって、やっと僕達にターンが回って来た〜」


与一「とりあえず……主人公忘れられてないよね?」


輝羅「彼らが人気出て投票で僕達が首位になれないパターンとか、ありそう〜。次回はフィールドで石立との再会! とりあえず、神奈に近づけさせないようにしないとね……!」

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