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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜 - 関東大会決勝戦 桜見VS石立2
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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第3章 熱き関東大会の戦い

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関東大会決勝戦 桜見VS石立2

『桜見は開始から、まさかのアクシデント! 左サイド2年の室岡が石立の米沢と交錯した事で負傷したようです』



『これは桜見にとって苦しい立ち上がりとなりましたね。左利きのサイドプレーヤーは貴重ですし、再交代で回復してプレーが可能なら良いのですが……』



 審判から選手交代が認められ、室岡が担架で運ばれる姿に会場がざわめいてる所へ、若葉が代わって決勝のフィールドに立つ。



「今のファールでしょ!? 何かラフプレーっぽかったし!」



「ちょ、高見先生! 駄目ですって!」



 教え子が傷ついて向こうにカードも何も無し、というのが遊子は納得出来なくて主審にカードを出せと要求。



 それを見た神奈や海東達は、審判へ詰め寄る遊子を止めていた。



「落ち着いてください先生、審判が判断したから判定は変わらないと思います。向こうもわざとやった訳じゃないかと」



「でもぉ〜!」



 納得いかなそうな遊子を1年の神奈が落ち着かせるのを見ると、どっちが顧問でマネージャーなのか分からなかった。



「ん?」



「あ、な、何でもないっす! どうぞお気になさらず〜!」



 主審が気づいて桜見のベンチを見ると、海東は遊子の事が無かったかのように笑って誤魔化す。



『桜見は同じ2年同士の交代となります、室岡に代わって倉本が登場!』



『彼は桜見のスーパーサブですね。まさかこんな早く出番が来るとは彼も想定外かもしれません』



「此処、どう行こうかなぁ? 若葉にボールを回して慣れさせるか、一気にロングスローで狙うか……」



 プレーが止まってる合間を利用して、桜見はスローインからの再開でどうやって攻めようか、話し合っている。



 楽斗が考え込んで方法を言っていくと──



「ロングスローなら僕、やります!」



「ワカバがー?」



 小柄な若葉がロングスローをやると言い出し、与一は彼の心を覗き込めば本当に自信があると分かった。



 見た目では腕力で豪快に飛ばす感じは無い。



「……とりあえずうちってロングスローやってないから、奇襲には良いと思うよ……」



「あいつらの寄せの速さを考えると、そっちの方が効果的っぽいな。行くか」



 影二はロングスローで行く事に賛成らしく、竜斗のゴーサインも出て作戦は確定。



『交代したばかりの倉本がスローインを投げるようです。おっと? かなり助走を取って、これはロングスローでしょうか?』



『倉本君がロングスローを投げたというデータはありませんが、どういうボールを投げてくるんでしょうかね?』



「(桜見がロングスロー?)」



「(そう見せかけてのフェイントで何時も通りの近くか?)」



 石立も桜見のデータは無論、調べて試合に臨んでいるがロングスローに関してのデータは一切無い。



 ゴール前には長身の竜斗、大橋が上がって可能性を漂わせている。



 次の瞬間、皆が若葉の動きに注目した。



 両手で持ったままダッシュかと思えば、地面を叩くようにボールを置いて下にした状態から倒立。


 勢いで前方へ回転して勢いをつけると、若葉はボールを思いっきり放り投げる。



『うぉっと!? これは、ハンドスプリングスローだ!』



 珍しいアクロバティックな投げ方に、会場から歓声が上がるだけでなく石立も一瞬動きが止まった。



 ボールは石立ゴール前まで伸びていき、竜斗がタイミングよくジャンプして額で合わせる。



『赤羽ヘディングー! GK登山弾く!』



 下に叩きつけられ、跳ね上がる球に登山は両掌へ当てて弾き返す。


 転がった球を桜見の選手が取る前に、石立DF川村がクリア。



「攻めろぉ! 左空いてるぞ!」



 登山の目には桜見の霧林と西村が上がったままで、片方のサイドはガラ空きとなっている光景が見えた。



 それはボールを受けた海斗も理解しており、当然の如く左サイドの新二へ出す。



「(進ませない……!)」



「うわぁ!?」



 新二からすれば急に人影が出現したと驚いてしまい、影二が空いているサイドをカバーして独走を許さなかった。



「新二! 戻せ!」



 今のは海斗も影二の姿を見つけられず、1度パスを出した相手へ戻すように要求する。



「はい、もらいっとー♪」



「っ!」



 海斗の前に与一がパスコースへ飛び込み、カットに成功。



『この折り返しを読んでいたのか、神明寺与一がインターセプト!』



『良い読みしてますね。やはり血は争えないといった所でしょうか』



「(出させるか!)」



 素早く守備へ意識を切り替えると、海斗は与一へ迫って彼のパスを防ぎに向かう。



 此処までの試合、与一がボールを持てば特に大事な局面でゴールやアシストを決めている。



 彼へ接近した時。



 ヒュンッ



「(消えた!?)」



 突然、与一が目の前から姿を消してしまうと海斗は驚愕する。



 消えた訳ではなく、与一はターンによって海斗の背後へ回っただけで、それが死角となって消えたように思わせていた。



『与一、華麗なターンを見せてから大きく左サイドへ!』



 他の選手達が寄せる間を与えず、それを上回るプレースピードで与一は右足のパスを左の若葉へ送る。



「(まだ向こうの守備陣が戸惑ったままだから!)」



 今の石立DFがバタついていると判断し、若葉は与一からのボールを受けると自らドリブルで左サイドを駆け上がる。



『倉本、羽川を突破して突き進む!』



 目の前に立ち塞がる羽川を右から抜くと見せかけ、向いていた向きから逆方向へ体を向けて、一気に突き進む。



 ボディフェイントで相手を騙し、左ライン際を若葉は上がっていた。



「(赤羽先輩に!)」



 竜斗のゴール前へ走り込んでいる姿が見えて、若葉は左足でボールを送る。



 シュート並の強めなパスだ。



『ゴール前へクロス!米沢弾く!』



 若葉のパスが届く前に米沢が立ち塞がり、低めの球を右足で蹴り返していた。



「くっ!?」



 楽斗が跳躍して頭で落とそうとするが、それよりも海斗が高くジャンプする事で先に届く。



『社から笹田、右の村木新一へ大きく出す!』



「宮村そのまま中央! 無理に飛び込むな新田!」



 輝羅のコーチングがDFを纒め、大きな崩れは起こさせない。



「出せ! 左!」



 石立キャプテンの海斗も声を出して指示を送り、新一は逆サイドを走る弟の新二へ、サイドチェンジとなるボールを出した。



「キリー! 行ったよー!」



「任せろって!」



 新二より前に出ると身長で勝る霧林がヘディングで弾き、タッチラインに出して流れを一度切る。



「立て直しだ! もう1回!」



 海斗は通らなかった事を気にするなと、チームメイト達へ声を掛けていた。



 そこへ忍び寄る小さな影。



「君ってスルーパス自慢なんだよねー?」



「……?」



 突然、与一が海斗の前に現れて彼の顔を見上げると、笑顔を見せている。



「出させてあげてもいいよ?」



「!?」



 すると与一の口から、まるで手抜きして自分にスルーパスをわざとさせるような事を言い出した。



 手抜きで見せ場を故意に作られるのは、海斗のプライドを傷つけられているも同然。


 与一を見る目が厳しい物へと変わっていく。



「そうじゃなきゃ活躍出来ないもんねぇ、天才クン?」



 ニヤッと不敵に笑った後に与一は海斗から離れていった。



「(こんな煽りまで得意なのか、神明寺っていうのは……)」



 海斗の口元は笑っている。


 しかし、次第に握られた右拳は震えだす。



「(だとしたら……やる相手間違えたよなぁ、クソガキお兄さん!?)」



 額に血管が浮き上がって与一に明確な怒りを抱くと、絶対思い知らせて泣かす事を決めた。



 それが容赦の無い与一の策略で、心を揺さぶって自滅の道を歩かせると気づかないまま……。

竜斗「何かあいつ、滅茶苦茶怒ってるみたいだけど何かあったのか?」


与一「さぁ〜、プレーが上手くいかなくてイライラしてるんじゃないー? 嫌だねー、短気な男っていうのはー」


楽斗「ま、粘り強く守ってて良い感じだよなー」


輝羅「(誰も気づいてないなー。ま、そう計算してやってるけどね)」


与一「さあさあ、今回は僕が言っちゃうよー! 次回も桜見と石立の試合で、向こうのキャプテンが崩れそうだねー♪」


竜斗「確認だけど俺達って主役側だよな?」


楽斗「与一がめっちゃ悪役な感じするよー!?」

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