Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
【書籍化】異世界で妹天使となにかする。 - 33 報酬
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】異世界で妹天使となにかする。  作者: 深見おしお@『伊勢崎さん』電撃大王連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/387

33 報酬

 毒矢を鑑定した後、何度か見かけたゴブリンをセリーヌが倒して進みつつ、ついに森から草原へと戻ってきた。


 森ではゴブリンを石壁で圧殺したり、弾丸をぶっ放したり、アイテムボックスで鑑定したりと、いろいろと貴重な体験が出来たと思う。セリーヌに感謝だな。


 とはいえ、まだ職業体験コースは終わっていない。最後はギルドで報告だ。


 しばらく歩くとファティアの町の門が見えてきた。朝と同じ様に門番のブライアンがいる。向こうもこちらに気付いたようだ、軽く手を振ってくれたので振り返す。


 ニコラが足早にブライアンに近づき、元気にご挨拶。


「おじちゃん、ただいま!」


「よお、嬢ちゃんおかえり。ふむ、怪我も無く無事に帰ってこれたようだな。坊主はどうだ?」


「うん、楽しかったよ」


「そうか、そりゃなによりだな。セリーヌもごくろうさん」


「ふふ、大丈夫だったでしょ? まぁ別の意味でちょっと疲れたけどね~」


 町から出た時と同じく、セリーヌが手をヒラヒラと振りながら門を通る。俺達も手を振りながらそれに続いた。


 ファティアの町に帰ってきた。昨日まで毎日眺めていた風景だ。しかしほんの数時間、森に出向いていただけなのに、なんだか懐かしい感じがする。町の外に出ただけで自慢する近所の子供たちの気持ちが少し分かった気がした。


「あんた達の家のほうが近いけど、先にギルドに行くわよ」


 家に帰ったらなんだかんだで面倒くさくなりそうだ。先に済ませたほうがいいだろう。異論もないので頷いて付いて行く。



 大通りを進み冒険者ギルドに入る。飲食スペースを少し眺めたが、酔い潰れたおっさんはさすがにもういなかった。酔いが覚めて仕事にでも出かけたか、無理やり外に追い出されたんだろうな。


 昼過ぎのヒマな時間帯なのか、順番待ちすることなく受付カウンターの前に進む。朝と同じ黒髪美人の受付嬢が担当だ。


「ゴブリンを狩ってきたわよ。マルク、革袋を渡してあげて」


 大量のゴブリンの耳入り革袋をベルトから外して受付嬢に手渡す。腰に付けてる時はそれほど感じなかったが、手に取るとずっしりと重かった。


「はい、たしかにお預かりしました。数を確認しますね」


 受付嬢が革袋をカウンターの奥にいた男性職員に手渡す。そしてこちらから見える位置にある石造りのテーブルの上に革袋の中身をぶちまけた。


 おお、慣れてきたとはいえ、あの大量の耳はインパクトがあるな。そしてさすがにギルド職員は動じないもんだなあ。顔色ひとつ変えることなく耳の数を数え始めた。


 しばらくして職員がカウンターにやってきた。そして革袋をセリーヌに手渡し問いかける。


「こちらで確認したところ、ゴブリン討伐数は25となりました。よろしいでしょうか?」


「ええ。間違いないわ」


 セリーヌが答えると職員は一礼してテーブルに戻り、耳を別の袋に入れ更に別室へと歩いていった。あちらで耳を処分するか何かをするんだろうな。


 黒髪の受付嬢が背中を曲げて、こちらに視線を合わせる。


「ゴブリン1匹銅貨4枚なの。25匹では銅貨何枚かな?」


 俺とニコラに問いかけた。算数問題だ。算数だけど……。


「えーと、100まい!」


 ニコラが元気に答えた。


「まあ! 正解! すごいわね~」


 答えるとは思ってなかったんだろう。口に手を当てて驚いている。六歳で掛け算は前世の教育でもなかなか達者なレベルだ。人のことを言えないがニコラも自重しないな。


『森ではいいところを見せられませんでしたからね。この辺でひとついいところを……。あっ、ヘタレのお兄ちゃんより先に耳を切り落としましたけど』


 念話が届く。耳の件は今になって思い返すと結構恥ずかしい。今後ネチネチと言われないことを祈ろう。


「すごいでしょ~。この子なんて今日ゴブリンを二匹仕留めたんだからね」


 セリーヌが俺の頭をガシガシと撫でながら、受付嬢にウチの子自慢みたいなことを言う。


「ええっ!? 本当ですか? どうやって?」


「ふふーん。それは言えないわね~。冒険者の詮索はしない、そういうもんでしょう?」


 セリーヌがニヤニヤしながら答える。


「あっ、そうでしたね。失礼しました。……すごく気になりますけど」


 受付嬢がこちらをチラチラと見る。セリーヌも話を振っておきながら酷いな。まぁ変に話を広められても良いことはなさそうなので、黙ってくれたほうがいいけど。


 そんな話をしながらも、テキパキと作業をしていた受付嬢は報酬をカウンターにおく。銀貨十枚だ。


 ちなみに銅貨は十枚で銀貨一枚。銀貨は十枚で金貨一枚という交換レートになっている。


 俺の中のざっくりとした計算では銀貨一枚千円なので、朝から昼過ぎまでゴブリンを狩って日給1万円といったところなのか。まぁあんまり前世の物価に当てはめても参考にはならないかもしれないので、気にしないほうがいいかもしれない。


 この世界の物価に当てはめると、一泊朝食付きで銀貨5枚のウチの宿屋に泊まると、二泊なら昼飯晩飯分で足が出るくらいの額だ。


 一応は命もかかってる肉体労働なら安いと思うし、しかも毎回同じだけゴブリンが狩れるとは限らない。そう考えるとゴブリン狩りだけをやるのはワリに合わないと思える。そりゃギルドでも不人気の依頼だわ。


 何かのついでにゴブリンを狩って換金くらいなら丁度いいんだろうな。そういえばセリーヌは依頼を受けてからゴブリンを狩りに行ったけど、依頼を受けていなければ換金はされないんだろうか。気になったので聞いてみた。


「たまに見かけて狩ってるけど、換金を断られたことはないわね。今回はあんた達の経験になると思って依頼を受ける形にしておいたのよ」


 セリーヌの答えに受付嬢が補足する。


「この町のゴブリン討伐依頼は町の治安を守るためのものですから、他の地域で狩ったゴブリンを持ってこられても困るでしょう? ですから明らかに古くなった耳とか、この辺にはいないはずのゴブリンの亜種なんかの換金をお断りすることはありますよ。ゴブリンの耳は素材にもならないですしね」


 なるほど。とりあえず不正を行わなければ、この町では買い取ってもらえるみたいだ。それと素材になるような魔物は依頼が無くても買い取ってもらえそう。


「そうなんだ、ありがとう!」


 俺が礼を言うと受付嬢がにこりと笑って「ちゃんとお礼を言えるなんてかしこいかしこい」と俺の頭を撫でた。セリーヌで慣れていたけど、初見の美人さんに撫でられるのは別格だな! ナデポの気持ちがちょっと分かってしまいそうだ。


「さて、それじゃあそろそろ帰りましょうか」


 ニコラもついでに撫でられ、一区切りついたところでセリーヌが口を開く。後ろに誰も待ってはいないがカウンターで長話するものでもないだろう。


 受付嬢と別れの挨拶を交わし冒険者ギルドから出た。空を眺めると昼の眩しさは鳴りを潜め、薄っすらと夕暮れの気配を感じた。思っていたよりも長居していたようだ。


  セリーヌがギルドの建物の横に屈み俺達を呼ぶ。


「はい、マルク。ゴブリン二匹の討伐分。ほんとは銅貨八枚だけど初討伐のお祝いに十枚あげる。ニコラちゃんにも分けてあげるのよ。報酬の分配も冒険者にとって大事だからよく考えてね?」


「ありがとうセリーヌ。それじゃあ、はいニコラ」


 俺は半分の銅貨五枚をニコラに手渡した。


 セリーヌは何も言わずに微笑み、ゆっくり立ち上がると背伸びをする。


「ん~。さて、それじゃああんた達の家に帰りましょうか。お風呂の準備をしてもらうわよ~」


 今日はお世話になったし、お風呂は無料サービスでご奉仕しよう。


「セリーヌお姉ちゃん、ニコラも一緒に入っていいー?」


「いいわよ~。マルクも一緒に入る?」


「やめとくー」


 そんな会話をしながら自宅に向かって歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作『ご近所JK伊勢崎さんは異世界帰りの大聖女
~そして俺は彼女専用の魔力供給おじさんとして、突如目覚めた時空魔法で地球と異世界を駆け巡る~』

タイトルクリックで飛べます! ぜひ読んでくださいませ~!

書籍発売中!「異世界をフリマスキルで生き延びます。~いいね☆を集めてお手軽スキルゲット~」もよろしくお願いします!

↓クリックで特集ページに飛びます。
i000000

「異世界で妹天使となにかする。」一巻二巻発売中!
Kindle Unlimitedでも読めますよ~。ぜひご覧になってください!
コミカライズ一巻発売中! ただいま「ニコニコ静画」にて連載中です!


↓クリックで二巻書報に飛びます。
i000000

i000000
↑クリックで一巻書報に飛びます。

Twitterはじめました。お気軽にフォローしてくださいませ。
https://twitter.com/fukami040

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ