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本当にありそうでなかった怖い話 - 着払い
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本当にありそうでなかった怖い話  作者: 久悠ふみ
お試し用サンプルノーマル
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着払い

1話完結です。

これは、とある地域のHという小学校であったというお話です。


ある年、Aという生徒が在席するクラスが卒業した。

そのAのクラスは全員で28人。

その中に、YというAが好きな女の子がいた。

クラスにはまるで元締めのような存在の子が二人いて、その片方がYだった。

彼女の家は小学校のある町のちいさなお医者さんで、その子のお父さんが院長さんだった。


Aは何度も彼女へとラブレターを渡そうとしていたが、勇気を持てずにウジウジとしているうちに卒業式を迎えてしまったのであった。


卒業をすると、もちろんアルバムをもらう。

今の学生の子は分からないかもしれないが、昔の卒業アルバムの最後の方のページにはクラス全員の住所が乗っていた。


Aの住む町には、郵便局から住所ガイドなるものが各家庭へと配られている。

それは、住所・世帯主・電話番号が明記されているものである。その子の家の世帯主を知らないAは書いてある住所に確証を持てなかったため、ハガキ等も送っていなかったのであるが、卒業アルバムの住所で迷いがなくなったのか、思いきってハガキを出すことにした。


多少、不審者じみてはいるものの、まだ普通ととれる行動であろう。

しかし、彼は普通ではなかった。

ハガキ代をケチろうとした彼は何を思ったのか年賀状に『好きです』と書いて送ったのだ!

ご丁寧に文字の上には、パッと見ても分からないように厚めの紙を被せるようにセロハンテープで止めて…。


その異常性に気づかないAはそのままポストへ投函、ワクワクしながら返信をいまかいまかと待つ日々を送るのであった。

それから数日後のこと、A宛てにお手紙が届いた。

きた! きたきたきたぁぁぁぁぁぁ!!!!

一日千秋の思いで待っていた彼は郵便やさんの持つお手紙に飛びついた。


ひょいっ。


『すみませんが、こちらのお手紙は着払いとなっておりまして…。』


まさかの有料発言に硬直するA、もちろん受けとるだけと思っていたのでお金は持ってきていない。

加えて、彼はお小遣い等は貰っていなかった。

慌てて親からお金を払ってもらい、お手紙を受け取った。

はやる気持ちを抑えながらお手紙の封を切り、便せんを取り出したA。


『好きな人がいるのでお気持ちに答えることはできません。二度と出会わないことを祈っています。』


お金を払って受け取った手紙だ。

きっといいお返事に違いないと信じて疑っていなかったAは、あまりのショックに寝込んでしまい、そこから風邪になってしまいました。

病気になったからにはお医者さんへと行かなくてはいけません。町唯一のお医者さんであるYのお父さんの病院へと。


しかし、今の彼は手紙の内容に背くようなことはできません。

病院に行ってしまっては、受け付けにいるYに出会ってしまうのです。

仮に受け付けにいなくても、そこは彼女の実家。

会わない保証はありません。


ある日、風邪がマシになった頃合いをみてお散歩をしていると、ジョギングしているYのお父さんに出会いました。


『お! Aくん! 若いっていいなぁっ!』


最初はキョトンとしていたAですが、話しているうちにどうやら年賀状に書いた告白文は家族全員に目撃されていたのだと分かりました。


その後、Aは病院に気軽に行けなくなり、同窓会へも行けないようになりました。

彼は、成人したいまでもこの日のことを夢に見て、起きてから激しい羞恥に襲われるそうです。



恋愛というものは、時に甘く、時に切なく、

また場合によっては呪いにもなるのだと、成人したAは言っていました。


恋愛は奥が深いですね…。皆さんも気を付けてください。

皆さんが悶えるような恋をするのは、すぐそこの未来かもしれませんから。








ブクマ、評価、よろしくお願いします。



みなさんのまわりでの不思議や悔いの残ったお話。

もしあれば参考にさせていただきますので感想までよろしくお願いいたします♪

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