Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
【連載版】スキル【リサイクルショップ】で捨てられた悪役令嬢(英雄)や神器を仕入れて修理したら、いつの間にか最強国家になってました 〜捨てられ貴族の楽しい領地改革〜 - 66.種族を超えた雇用契約
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/73

66.種族を超えた雇用契約

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。


 とんこつラーメンのスープを一滴残らず飲み干し、キエリュウは深く息を吐いた。

 その顔からは、先程までの殺気立った険しさが消え、憑き物が落ちたように穏やかになっていた。


「……美味かった。こんな温かい飯を食ったのは、いつぶりだろうな」


 彼は丼を丁寧に地面に置くと、居住まいを正し、わたしを真っ直ぐに見据えた。


「満足だ。未練はない。……さあ、殺せ」

「はい?」


 わたしはきょとんとして首をかしげる。

 和解ムードだと思っていたのに、なぜ急に物騒な話になるのだろう。


「なんで? もう勝負はついたでしょ」

「敗者は死ぬ。弱者は糧となる。それが俺たち『魔族』の掟だ」


 キエリュウの口から出た言葉に、周囲の空気が凍りついた。

 コノワたちが息を呑む気配がする。


「魔族……? 君たちは『廃棄族』じゃないの?」


 廃棄族。

 それは、能力不足や犯罪歴などで都市を追放された、ヒューマンの落ちこぼれだと聞いていた。


「フン……。廃棄族なんてのは、人間どもから逃げるための仮初めの名前だ」


 キエリュウは自嘲気味に語り始めた。


「俺たちは、かつての大戦で人間に敗れ、国を追われた魔族の末裔だ。迫害を逃れ、この汚染された不毛の大地へ流れ着いたんだよ」

「なるほど……」

「俺たちは人間の敵だ。生かしておけば、いつか寝首を掻くかもしれんぞ?」


 彼は挑発するように言った。

 だが、その瞳の奥には、怯えのような色が揺らめいているのが見えた。

 彼はずっと怖かったのだろう。

 正体がバレれば、人間たちに殺される。

 だからこそ、恐怖で仲間を縛り、強がることで自分たちを守ってきたのだ。


「煮るなり焼くなり好きにしろ。魔族は負けたら殺されるのが常だ」


 彼は覚悟を決めて目を閉じた。

 周囲のコノワたちも、固唾を呑んでわたしの決断を待っている。


「殺さないよ」


 わたしは即答した。


「……なんだと?」


 キエリュウが目を開ける。


「君たちのルールではそうかもしれないけど、わたしは人間だし。ここはわたしの土地で、君はそこに住まう人だ」


 わたしは彼の前にしゃがみ込み、視線を合わせる。


「魔族だろうが、廃棄族だろうが、なんでもいいよ。わたしの領地(会社)のルールは一つ。『働かざる者食うべからず』。種族差別なんて非効率なルールはない」

「だ、だが……俺は負けた! 弱い者は罪だ! 許されるはずがないんだ!」


 彼は悲痛な叫び声を上げた。

 長年染み付いた「弱肉強食」の呪縛。

 それが彼自身を苦しめている。


「弱くても、補い合えばいい。それが組織チームでしょ」


 わたしは彼の肩に手を置いた。

 ゴツゴツとした肩が、小刻みに震えている。


「君は、一人で強がらなくていいんだよ。……もう、十分頑張ったじゃないか」


 その言葉が、引き金になったようだった。


「う、うぅ……っ」


 キエリュウの目から、大粒の涙が溢れ出した。

 ラーメンの熱気で緩んだ心に、わたしの言葉が染み渡ったのだろう。


「俺は……怖かった……。仲間を守るには、強くあるしかなかった……! 弱いと……また奪われるから……っ!」


 嗚咽と共に、彼の本音が吐き出される。

 彼は暴君だったかもしれない。

 けれど、それは誰よりも仲間を想い、失うことを恐れた結果だったのだ。


「もう奪わせないよ。わたしがいるからね」


 わたしは優しく、包み込むように告げた。

 彼は子供のように泣きじゃくり、やがて地面に額を擦り付けた。


「……リオン様。どうか、俺を……あなたの下で働かせてくれ。この命、あなたに預ける」


 それは、敗北による服従ではない。

 心からの忠誠の誓いだった。


「うん、採用だね。よろしく、キエリュウ」

「はっ!!」


 わたしが手を差し伸べると、彼は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、力強くその手を握り返してきた。


「さて、仲間になったところで……さっそく仕事を頼んでもいいかな?」

「なんなりと! 誰を殺せばいいですか!?」

「いや、殺さないってば」


 わたしは苦笑しながら、彼の足元を見た。


「君のその『速さ』を見込んで、頼みたいことがあるんだ。……資材運びなんだけどね」

「は? 資材……ですか?」

「そう。これから大掛かりな建設をするから、君の【縮地】や【超加速】で、あちこちから材料を集めてほしいんだ」


 キエリュウは一瞬呆気にとられたが、すぐにニヤリと笑った。


「フッ……この俺をパシリに使うとは。……いいでしょう、最速で運んでみせますよ!」


 こうして、かつての暴君は、わたしの頼れる「物流部長」として新たな生を歩み始めることになった。

 人員も増え、優秀な運び屋も確保した。


(よし。これで準備は整ったね)


 わたしは次なる野望に向けて、大きく一歩を踏み出したのだった。

【おしらせ】

※2/11(水)


新作、投稿しました!


ぜひ応援していただけますとうれしいです!

URLを貼っておきます!

よろしくお願いいたします!


『「結界しか張れない欠陥品」と婚約破棄された聖女が、実は世界最高の【武器職人】だと気付くまで ~結界で作った武器を辺境でひっそり売ってたら、いつの間にか世界中の英雄が行列を作ってました~』


https://ncode.syosetu.com/n6081lt/


広告下↓のリンクから飛べます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
コレは通勤ラッシュでリオン様がSSR家臣たちにチカンされるフラグ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ