Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
【連載版】スキル【リサイクルショップ】で捨てられた悪役令嬢(英雄)や神器を仕入れて修理したら、いつの間にか最強国家になってました 〜捨てられ貴族の楽しい領地改革〜 - 70.超速パイプライン計画
[go: Go Back, main page]

表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/73

70.超速パイプライン計画




 わたしは館の扉を開ける。


「あら?」


 透き通るような青い髪と、魚のヒレのような耳を持つ美女。

 この館の管理人であり、セイレーンの真魚美マオミさんだ。


「もう帰ってきたの、リオンちゃん。忘れ物?」

「ううん。ちょっと『温泉』を引きたくてね」

「温泉? ああ、地下のボイラー室の……」


 彼女は首をかしげ、不思議そうにわたし達を見る。


「でも、あそこから農地までは数キロあるわよ? どうやって運ぶの?」

「パイプを繋げようと思って。……まずは『道』を作らないとね」


 わたしは館のバルコニーへと上がり、遥か彼方にある農地の方角を眺めた。

 ここからあそこまでは、一直線に瓦礫の山や、枯れた森林、廃ビル群が立ちふさがっている。

 普通にパイプを通そうと思えば、まずは障害物を撤去して整地するだけで数ヶ月はかかるだろう。


 だが、わたしにはこのスキルがある。


「邪魔な木々も、瓦礫も、地面も……全部『商品』だ」


 わたしは右手をかざし、射線上の障害物をロックオンする。


「スキル発動――【遠隔買取】!」


 ズゴゴゴゴゴ……ッ!!


 轟音と共に、視界前方の景色が歪んだ。

 邪魔な枯れ木が、崩れたコンクリート片が、そして余分な土砂が、次々と光の粒子となって消滅――いや、わたしのアイテムボックスへと吸い込まれていく。


「ええっ!? 森が……消えた!?」


 真魚美さんが口元を押さえて驚愕する。

 わたしの視線の先には、まるで定規で引いたような、幅数メートルの真っ直ぐな「溝(パイプ用トレンチ)」が出来上がっていた。

 館から農地まで、遮るものは何もない。


「相変わらず……リオンちゃんのやることは規格外ねぇ」

「整地は完了だね。……次はトールだ!」


 わたし達はそのまま、館内の工房へと向かった。

 扉を開けると、そこには既にドワーフのトールが腕を組んで待っていた。

 机の上には、青焼きの図面が広げられている。


「待っておったぞ、主よ。……パイプじゃろう?」

「ああ、さすがトール。話が早くて助かるよ」

「ふん、あの轟音を聞けばわかるわい。……ほれ、熱を逃がさず、腐食しない魔導合金の配合比率だ」


 彼女がドヤ顔で指差した設計図を確認する。完璧だ。

 準備は整った。

 あとは、さっき「買取」で手に入れた大量の資材(木材、鉄くず、石材)を、この設計図通りに変換するだけだ。


「繋がれ、命のパイプライン! スキル発動――【仕様変更リメイク】!」


 カッ!!


 わたしの手元から、眩い光が奔流となって放たれた。

 光は先ほど作った一直線の溝に沿って走り、その軌跡に「銀色のパイプ」を生成していく。

 自動生成されたパイプは、まるで生き物のように伸び、結合し、農地へと向かって爆走する。


 ガチャン! ガチャン! ガチャン!


 金属音が連続して響き渡り、数キロメートルに及ぶ配管工事が、わずか数秒で完了した。

 わたしはボイラー室のメインバルブに手をかける。

 地下から汲み上げられた高温の源泉が、ポンプの中で唸りを上げている。


「通水!!」


 バルブを回す。


 ゴウゥゥゥ……ッ!!


 パイプの中を、高圧の熱湯が駆け抜ける重低音が響いた。

 その振動は、足元から遠くの農地へと伝わっていく。


「よし、確認に行こう! エリー!」

「御意。……失礼します♡」


 エリーが待ってましたとばかりに、再びわたしを抱き上げる。

 スンスンと匂いを嗅がれる隙もなく、世界が反転した。


 ヒュンッ!!


 一瞬の浮遊感の後。

 わたし達は、再び農地のど真ん中に立っていた。


 ズドドドドド……ッ!!


 足元から地鳴りが近づいてくる。

 コノワたちが何事かと集まってきた、その時だった。


「――来たぞッ!!」


 バシュゥゥゥッ!!


 新設された蛇口から、白い湯気と共に、勢いよく熱湯が吹き出した。

 透明で、少し硫黄の匂いがする本物の温泉だ。


「う、うおおおおおおっ!?」

「出たぁぁぁ! お湯だぁぁ!! すげぇ勢いで熱湯が吹き出してきやがったぁぁ!!」


 歓喜の絶叫が上がる。

 成功だ。

 これで、農地に「無限のお湯」が供給された。


「ふぅ……。これでやっと、お風呂に入れるね」


 わたしは立ち昇る湯気を見上げながら、満足げに頷いた。

 さあ、次は大浴場の建設だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ