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【コミカライズ進行中】【勇者の友人】~【勇者】のギフトの本体が僕だった件について~戻って来いって言われたって、今更君たちを“友人”だとは思えないよ。 - 054 リーダー②
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054 リーダー②

「それよりも! よ!」


 暗く重たい話が続き、沈黙が支配しそうになった部屋の中に、ルイーゼの明るい元気な声が響いた。空気を換えようとしているのだろう。


「なになにー?」


 マルギットが語尾も上がり調子でルイーゼの作った流れに乗ってくる。


「やっぱり、あたしなんかよりイザベルかハルトがリーダーになるべきよ! 今も話を進めてるのは2人だったし! 2人ともあたしよりも全然頭良いし! 絶対そう!」


 うーん……チェンジした話題もちょっと暗めだね。これにはさすがのラインハルトも苦笑いだ。


「そういえば、元々そういう話でしたね」

「そうだったわね」


 いつの間に僕のギフトが危ないって話になったんだろうね?


 ルイーゼのリーダー譲渡宣言に、ラインハルトとイザベルは、揃って眉尻を下げて困ったような様子を見せた。2人とも気が乗らないらしい。


「ルイーゼの言い分は分かりました。ですが、私たちよりもリーダーに相応しい人が居ます」

「そうね」


 ラインハルトの言葉にイザベルが頷き、同意を示す。


 ラインハルトよりもリーダーに相応しい人物? ラインハルトは、今までだってリーダーに相応しい行動をしていた。ルイーゼよりもパーティのリーダーに見えたこともあったほどだ。そんなラインハルトよりもリーダーに相応しい人物なんて居るのだろうか?


「誰よ、それ?」


 ルイーゼにも分からないのか、難しい顔をしてラインハルトに問う。


「クルトさんです」

「えぇーっ!?」


 ラインハルトの言葉に驚いて、僕は布団の上で飛び上がってしまった。僕なんかがパーティのリーダーに相応しい? いったい何の冗談だ!?


 まさかの言葉に驚く僕に、ラインハルトが少し驚いた表情を見せた。


「そんなに意外でしたか?」


 僕はブンブンを首を縦に振る。完全に予想外だった。


「よく考えてみれば、意外でもなんでもありませんよ。いいですか? 私たちの中で、一番冒険者として経験を積んでいるのは紛れもなくクルトさんです。今回の事件も、クルトさんの助言があったから、私たちは乗り越えることができました。私たちだけでは、なんの対策も打てず、レッドパーティに敗れていたことでしょう」

「で、でも! そもそも僕が余計なことを言ったから、レッドパーティを討伐しようってことになっちゃったんだ。僕はパーティを危険に導いてしまった。僕は先導者失格だよ……」


 独りで勝手に落ち込む僕にイザベルが口を開く。


「たしかに、パーティの今の安全だけ考えたら回避するというのも手だったわ。でも、あのまま『コボルト洞窟』の攻略を続けていたら、私たちはいずれレッドパーティとぶつかっていた。早いか遅いかの違いでしかないわよ。それに、私たちが早期にレッドパーティを討伐したことで、新たな犠牲者が増えるのも防げたわ。貴方は正しい選択にパーティを導いたのよ」


 たしかに、イザベルの言うように僕たちは正しいことをしたのかもしれない。あのレッドパーティは狡猾だった。それを打ち破るには、【勇者】という極大の力を持つ僕たちが対処するのが一番だろう。


 しかし、僕たちはそのための準備が不足していた。その結果、【勇者】になれない3人の守護が疎かになってしまった。僕がなけなしのお金で買った安物のアイギスリングに縋るしかないほど、僕たちは窮していた。


 レッドパーティが飛び道具を使うことは分かっていたのに、その射線上に身をさらすしかなかった。


 『コボルト洞窟』のボス部屋は物陰の無い大部屋だ。部屋に入ってしまえば、身を隠すことはできない。【勇者】になった3人だけでボス部屋に突入するという案も出たけど、残る3人の身をどのように守るかが問題だった。ダンジョンの安地は、モンスターがポップしないというだけで、モンスターが巡回のように姿を現すことは普通にあるのだ。


 完全に安全なエリアなどダンジョンに存在しない。そんな場所に人員の半減したパーティを置いておくことなんてできない。


 それに、どのような力を持っているのかも未知数のレッドパーティ相手に、こちらの戦力を分散するのも躊躇われた。


 だから、パーティメンバー全員でボス部屋に入ったのだけど……。


「でも、僕はパーティを危険に……」


 僕の言葉を聞いても、イザベルはゆるゆると首を横に振る。


「私たちは冒険者よ? 危険なことくらい覚悟の上だわ」


 そう言って、力強い笑顔を浮かべるイザベル。


「そーそー! あーしらも覚悟完了してるってわけ!」

「あたしだってみんなには傷ついてほしくないわ。でも、みんなのことを護りきれないこともあるかもしれない。それでも、あたしはみんなを護るために盾を握るの」

「私…! 怪我、治すます…!」

「たしかに、私たちはクルトさんから見れば未熟でしょう。それでも、最低限の覚悟はしているつもりです」


 マルギットが、ルイーゼが、リリーが、ラインハルトが、真剣な面持ちでイザベルの言葉に頷く。どうやら僕は彼らのことを知らず知らずのうちに侮っていたらしいと悟る。


 彼らは、もう一人前の冒険者だ!

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パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
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