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5周目の人生で異世界を救った話 - ラミの覚悟
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5周目の人生で異世界を救った話  作者: MINMI
二章 ミルズ王国 動乱編
68/146

ラミの覚悟

*******

回想(ラミ視点)


 ラミはかつて、ガーディスに問いかけた。


「隊長、ドルドス陛下は本当に国のことを考え、国政を行っているのでしょうか。

 ゴードン様とは大きく違う……あのやり方に、私は……」


「ラミ。」


 ガーディスは静かに言う。


「ゴードン様がドルドス様をお選びになられたのは事実だ。

 ならばドルドス様の手腕は、ゴードン様もお認めになられてのことだ。

 私達は武力でこの国を守る“ミルズの剣”だ。余計なことは考える必要はない。」


「……はい。」


 そう答えるガーディスの横顔は――

まるで自分自身に言い聞かせているように、ラミには見えた。


 だが、迷うことはない。


 私は幼い頃、故郷で戦争に巻き込まれた。

 命の危機に瀕した私を救ってくれたのが、戦士だったガーディス様だった。


 両親を失い、独りになった私に、あの人は手を差し伸べてくれた。


「ラミ。君は膨大な魔力と、それを操る優れた制御力を持っている。

 その力で――私を助けてくれ。」


 あの時の温かい手を、私は忘れない。


〈回想終了〉

******



「私は……あの方の優しい手に救われた。」


 ラミの瞳が揺らぐ。


「だから、私には関係ない。

 たとえ彼の進む道が、正しいものでなかったとしても……!」


 その瞬間――


 ラミの刀が爆発的に増殖を始める。


 しかしその刃は、カミルやクレディアだけを狙ってはいない。

 無秩序に、部屋全体を覆い尽くすように広がっていく。


 空間そのものを埋め尽くす殺意。


 カミルは息を呑む。


「この気配……!魔力暴走だ!」


 ラミはカミルと同じく、生まれつき異常な魔力量を持っていた。

 だが違ったのは、その制御力だった。

 彼女は一度も暴走させたことがない。


 だが今――


 ラミは自らの意思で、その枷を外した。


「逃げようにも、扉はあの刀の向こう側よ……!」


 クレディアの声が震える。


 退路はない。

 迫りくる刃が、天井も床も視界も塗り潰していく。


「なら……あの刀の隙間を縫って攻撃を当てる。

 奴の意識を刈り取るしかない。」


「あの数の刀を!?」


「やるしかない……!」


「くそっ!」


 カミルは弓を限界まで引き絞る。

 クレディアは氷の矢を生み出し、照準を合わせる。


 刃が、部屋のすべてを飲み込もうとする。


 そして――


 カミルとクレディアは、同時に矢を放った。


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