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そうだ。奴隷を冒険者にしよう - 第5話 がめつい奴
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そうだ。奴隷を冒険者にしよう  作者: HATI


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第5話 がめつい奴

 次の日。起きてきたアズに早速蛇の頭の処理を命令した。

 依頼書と共に冒険者組合に持っていけばいいだけだ。


 部屋に入ってきた瞬間に告げたものだから、アズはショックで固まってしまった。

 だがはちみつを塗ったパンを口に押し込むと、それを食べながらようやっと動き出す。


 蛇の頭を入れた袋よりも一回り大きい袋を用意し、それを縛る縄も一緒に準備している。

 覇気のない様子でアズは部屋から出て行った。健闘を祈る。


 道具屋の仕事が一段落し、太陽が昇り切った頃にアズが帰ってきた。

 拙いアズの話を要約すると、依頼書の仕事は昨日の分だけで完遂できたとの事だった。


 黒い蛇の魔物を食べていた鳥の魔物の数が減ってしまい、黒い蛇の魔物が大繁殖していたらしい。草原は黒く蠢めていたという。それは言いすぎだろ。


 大量に持ってきた蛇の頭も草原から全部持って帰れた訳ではないという。

 勿体ない。付いていけば……割に合わないか。

 諸々の依頼料と、毒消しの材料になる蛇の頭の買取で銀貨40枚の報酬になったとのことだった。


 自分のやったことが結果になったのがうれしいのか、行きがけの暗い顔は随分明るくなっていた。少しは成長しているじゃないか。銀貨40枚じゃまだまだだがな。

 こんな小銭徴収しても仕方ない……。


「おいアズ。出かけるぞ」

「はい。行ってらっしゃいませ?」

「お前も来るんだよ。何のために声をかけたと思ってるんだ」

「ひゃい」


 少し語気を強めるとアズが慌てて立ち上がる。

 服装は……まぁ良いだろう。外に出しても恥ずかしくない。

 鎧と剣はまだ似合わないな。


 店の事は従業員に任せて、アズを引き連れて街の中を進む。

 行先は商店が集まっている区画だ。


 ……一等地というほどじゃないが土地代が高いからうちは此処に店を移せないんだよな。此処に店を出せたら儲かるだろうなぁ。


 親父の代からのお得意様がそこそこいるから何とか商いになっているが、頭打ちを感じる。

 店を引き継いでからは色々と試してはいるんだが……頼りにしているぞ、アズ。


 そう思ってアズの方を向くと目が合う。

 アズは何を言えばいいのか分からなかったのか、愛想笑いを浮かべた。


 ため息をついてアズの頭をガシガシと撫でる。

 アズは困惑しながら受け入れた。

 今はこれでいい。俺もこいつも、これからだ。


 目的地は古着を扱う商店だ。ここは女性向けの品が多い。


「よし、アズ」

「は、はい!」


 俺は店の中の古着を指さして


「必要な服やら欲しい服を物色してこい。お前が持てる分までだ」

「私のですか?」

「この店で俺が買うものがあると思うか?」


 アズは俺の顔と店に奇麗に並べられた女性服を見比べる。


 また緩い顔で愛想笑いを浮かべた。

 こいつ、多分都合が悪くなるとこうやって逃げてきたな。


「普段着や鎧の下に着る服がもっと要るだろう。俺が用意した服はあまり数が多くないからな」

「ご主人様……どれでも良いんですか?」

「そうだ。俺は別の店を回って戻ってくるからその間に選んでいろ」

「やった! 分かりました」


 アズは張りきって店の中へ突撃していった。

 この店にある服はあまり高い服はない。所詮古着だ。


 俺は顔見知りの店主に一声かけた後、別の店に移動する。


 移動先はアズを買った奴隷商店だ。

 中に入るとここの主が作り笑いで俺を出迎えた。

 恰幅の良い、いかにも金持ちといった風体だ。(実際俺より遥かに稼ぎが良い!)


 国の認可を受けており、労働力として国が奴隷をまとまった数で買っていくのだ。

 商品を右から左で莫大な富を稼げる。その分認可は難しい。


 奴隷狩りから買ったりすれば即座に認可を取り消された上で打ち首だ。

 国との太いパイプも必要になる。

 見た目以上にやり手のおっさんだ。


「これはようこそいらっしゃいました。お買い上げの奴隷は満足いただけましたか?」

「ひとまず良くやっているよ」

「それは良かった。本日の御用件は新しい奴隷のお買い上げでしょうか?」

「アズと組ませる奴隷が必要でちょっと事前調査にな。今日新しい奴隷を買う気はない」

「なるほどなるほど。希望を伺いましょう」

「男は要らない。俺の趣味もあるがアズがとてもやっていけないだろう。主導権を男の奴隷が握ったら問題が起きるのは目に見えてる」


 俺の言葉に奴隷商人は頷く。


「魔法使いか、そうでなくとも今度は技能持ちが良い。秀でた能力である必要はない」

「ふむぅ。女の奴隷なら売るほどございますが、今は少しご期待に沿えないですなぁ。ご期待に沿える商品が入ってきたら使いをやりましょう」

「頼む」


 予算はあえて告げなかった。向こうも聞かない。

 奴隷は水物だ。予算を決めて欲しいと思った奴隷を見過ごす可能性があるのでそれは避けたい。

 向こうはこちらの欲しいと思う心を後押しすれば良いだけなのだから、わざわざ機会を潰すようなことはしない。


 奴隷商店から出て、アズを置いてきた店に行く。

 そこではアズが山ほど服を抱えてふらついていた。


 周りの客から笑われている。なんなら古着屋の店主にも苦笑されていた。


 がめつい奴め。その分働いてもらうぞっと。


 アズが稼いだ銀貨40枚は瞬時に消えて行ったし、足が出た。


 アズが選んだ服は割かしセンスが良い。ドレスっぽいデザインの服を一番大事そうに抱えているから、そういった服が好きなのかもしれない。


 アズに全部荷物を持たせて帰路に着いた。


 あ、そうだ。新しい奴隷は読み書きできる奴にしないとな。

 アズに文字を教えさせれば俺が教育しなくていい。素晴らしい考えだ。


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