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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ? - 66話一つの終わり
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『11月15日2巻発売!』願ってもない追放後からのスローライフ?  作者: シュガースプーン。
第二章落ちてきた二番弟子

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66話一つの終わり

上京して一年が過ぎ、大学は無事2年に上がれた。

正直、大学生活はスタートに失敗した。


まず、同じ高校からこの大学に入学した人がいた様で、入学当初は私への風当たりが厳しい時期があった。


と言うのも、元彼の徹が逮捕された事件はマスコミに取り上げられていたし、私も、誰が流したのか仲の良かったグループの写真がいじめの元凶としてSNSに上がってしまい、ネットの誹謗中傷で心を病みそうになった事があった。

実際、あの出来事がもう少し早い時期だったら私は精神的にやられていたと思う。


しかし、良くも悪くも高校生で、視野が狭かったんだと思う。

人の噂も75日と言うし、何よりあの出来事で矢面に立ったのは冒険者で犯罪を犯した徹だ。

私なんかは所詮おまけで、世間は冒険者を叩くのに必死だった。


なので、制服を脱ぎ捨て、ギャルっぽいメイクから清楚系にイメチェンして、ましてや東京に上京した私の過去を掘り返して問題にする人はそこまで多くはなかった。


もちろん、私の噂を流した元同級生のグループなんかは初めのうちは陰口を言っていたし後ろ指さしていたが、色々な学部があり、高校とは規模が違う人数の学生が居る大学ではその噂を知らない人も沢山いて、私は、今はもう仲のいい友達を作ってキャンパスライフを満喫している。


新しい彼氏もできた。

元カレの徹とは正反対の優しい性格の人だ。

ヤンキーに憧れるのは高校生までと言うのはその通りだと思う。

今思うと、自己中で何処が好きだったんだろうかと思う事すらある。


勿論、友達や彼には私の過去を話している。

何処かで悪い風に知って、変にこの関係が壊れるのが嫌だった為、先に私から話した。


みんな、()()()()()()()


高校時代、仲のいいグループの中に冒険者の()()がいて、その友達に暴力で虐めをするように()()されていた。

脅されて仕方なかったのだと、虐められてる子は可哀想だったけど、逆らえばどうなるかわからなかった為に仕方なかった。私は最低だと、少し脚色して説明した。


勿論、この話と、実際の話が大学の中の噂として流れたけど、大学生活を通しての私の態度を見て、今は脚色された話を信じる人の方が多い。


ネット上では過去のデジタルタトゥーが残っているが、私の周りの人間は、それを()()()()()()だと同情してくれるし、そもそも、その話題に上がるのは主犯の徹で、世間はおまけの私の事などこの一年で話題にしなくなっている。

ネット民が群がるネタなど無限に湧いてくるのだから、それも当然だろう。


なので、私の大学生活2年目はとても幸せである。


いや、少し気を使う場面もあったか。

それは先日彼とデートをしていた時、渋谷で紫音を見かけたのだ。

仲良さそうに友達と2人で歩いていた所を見るともしかしたら紫音も東京に上京して来ているのかもしれない。

また紫音に私の日常を壊されたらたまったもんじゃない。

だからその日は渋谷をやめて他の場所にデートの予定を変更した。

まあ、東京は広いし気をつけてれば会う事もないだろう。


一人暮らしに関しても、初めはゴミ屋敷になりかけたり、食事も作ったことがなかったから毎日コンビニの変わり映えしないお弁当だったけど、最近は彼が通い妻の様に半同棲生活を送っている為、気を遣って掃除には気を使っている。それでも、私ができていない所はやってくれたり、料理も趣味みたいでいつも作ってくれる。

私が美味しそうに食べる顔が好きだから頑張って作ってくれるんだって。

家事をしてくれる男性がモテるのってこう言う事だと思う。



そんな幸せな毎日を送っていたある日。

大学が終わって友達や彼とカラオケでも行こうとしていた帰り道、もう私の中で過去の人になっていた徹が大学の前で私を待っていた。


「よう。久しぶりだな、萌香」


ぎこちなく片手を上げて挨拶してくる徹。

久しぶりに会ったが、今思うと、私服も、変にダサい。当時は制服だったから気づかなかったんだろうな。


「おい、俺だよ」


笑顔で手を振ってくるが、目の下の傷がより人相を悪くして、チンピラにしか見えない。

正直、なんで居るんだと思う。


「すいません、貴方は一体誰ですか?」


「あん?お前こそ誰だよ」


私の前に出て庇ってくれる今彼と質問に質問で返す馬鹿な徹。ほんと、何しに来たんだろう。


「僕は萌香の彼氏です。貴方は萌香になんの様ですか?」


「は?そんなはずねえだろ。俺が萌香の彼氏だよ。てめぇ、人の女に手出しやがったのか?」


そんな事を言って凄む徹から私を庇う彼の手は少し震えていて、怖いのに私を守ってくれる所も素敵だと思う。

友達は徹の迫力に怖がってしまって、私の後ろで一緒に彼の後ろに隠れている。


「徹、貴方とはもう終わった事でしょう?私に付き纏わないで」


私の言葉に彼と友達は納得が言ったのか徹を見る目が鋭くなった。私が付き纏われているのだと納得してくれたのだろう。


「貴方も、わざわざ大学を調べてまで付き纏うなんて、警察呼びますよ!」


彼は徹をストーカー認定したのか強気に出てくれた。


「わざわざ調べたってなんだよ。なぁ、萌香、分かるよな」


この騒ぎに大学の学生達が集まって来てしまっている。

ややこしくなる前に帰って貰わないと。


「私達もうなんでもないでしょう。帰って」


「そんな、一年待っててくれたんじゃないのか?」


「そんなの、一年も連絡なければ自然消滅でしょ」


「俺が、逮捕されたからもう用済みだってか?」


「そんな事、言ってないでしょう」


まずい。ここで騒がれたらみんなが見ている。


「そう言う事じゃねえか。俺は、お前がムカつく奴がいるって言うからシメてやってただけで、この大学だって、お前がいい方法があるって言うから教師(センコー)を脅して推薦貰ったんじゃねえか。2人で行こうって言ってたけど俺が逮捕されちまったから取り消されたけどよ。一年たって出所したら2人で頑張れるもんだと思って俺は真面目に頑張って来たんじゃねえか。それを、こんな男に乗り換えやがって」


言ってしまった。みんなが見ている前で、こんなにも大声で。


そして、ざわざわと憶測は伝染し、忘れられた真実が広まっていく。


「萌香、彼が君の元友達で、君を脅して虐めに加担させてたって言う?でも、彼が言っている事は君が言っている事とはまるで違う…」


「違うの、ちがうのよ」


私は弁明しようとするが、彼や友達、周りの学生の目は冷たい。


「な、なによ。なんで今更現れるのよ!私は今を幸せに生きているのに私の邪魔しないでよ!野蛮な冒険者の癖に!」


私はもう頭が無茶苦茶になって、徹に暴言をぶちまけた。

これが悪手だと、気づいた時には、もう手遅れだった。


「萌香、私達の事騙してたんだ。自分が加害者なのに、被害者ぶって」


「そんな、違うの。聞いて。お願い。」


「萌香、何を聞けばいいんだい?僕達の君への信頼はもう無いよ。

最低な事をしていたのを隠して、僕達に嘘までついて。人は信頼関係がなくなったらもうおしまいだよ。

僕と君も、もう終わりだ。別れよう」


「待って、私は貴方のことが好きなのよ」


「それはそこの彼も同じだろ。君の事を思ってここまで来てくれたんだ。それを君が勝手に振ったんだから人の事言えないでしょ?

君の家に置いてある物は捨てて貰ってかまわないから。それじゃ、さよなら」


彼氏も、友達も、周りにいた生徒も、私の事を嫌悪して何処かへ行ってしまった。


残されたのは膝をついて泣き崩れた私と元凶の徹。


先に話しはじめたのは徹の方だった。


「全部、俺のせいにして自分だけ幸せになろうとしてたんだな…」


私は何も答えない。私の幸せを壊したこの男が心底憎くて睨み返すだけだった。


「俺は心を入れ替えて真っ当に生きようと思ったんだ。お前と一緒の将来を思ってそれを支えに苦しい刑務所生活を乗り越えて来たんだ。

だけど、お前の気持ちを知ってもう無理だと思ったよ。

俺は、これから1人で頑張るから」


そう言って徹は去っていった。


その後、私は大学に行くのが怖くなり、行かなくなった。退学届は出していないから、両親は私がまだ学校に行っていると思ってるだろう。


追い詰められたストレスをどうにかする為に食欲と物欲が増えて、お金が足りなくなって、自暴自棄になった私は身体を売った。


それでも、抱いてる間は私を肯定してくれるのは精神安定に繋がった。

それも初めのうちだけで食欲が止まらず太って醜くなれば私を抱く男もだんだんと減っていった。


痩せなければ、身体を売る事さえできなかったけど、たまたま太った私を抱いてくれた男がくれた()()()が凄く効いて私はまた痩せてお金を稼げる様になった。

薬を飲んで痩せないとお金も稼げないので、稼いだ金で薬を買い続けている。


精神的ストレスは更に増えて、眠れなくもなり、睡眠薬にも頼る様になった。


今日はよく眠れるように少し沢山飲もう。

眠ってる間は、何も考えなくて済むんだから。

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