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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~ - 28.ユニークスキル関連はただでさえデリケート
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俺の『全自動支援(フルオートバフ)』で仲間たちが世界最強 ~そこにいるだけ無自覚無双~  作者: epina
第二章 勇者追跡

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28.ユニークスキル関連はただでさえデリケート

 といっても、俺ができることはそう多くない。

 見晴らしのいい場所から何かないか見るぐらいだ。

 戦闘の痕跡調査についてはシーチャに任せて、俺は小高い丘の上に立って周囲を眺めてみた。


 このあたりはほとんど平原で見通しがいいけど、特にこれといって何もない。

 むしろ、こんなだだっ広い場所で帽子を見つけられたシーチャが盗賊職としてズバ抜けている。


「スラッド。シーチャが呼んでるのだわ」

「わかった、すぐ行く」


 エチカは何か言いたげだったけど、今は口を(つぐ)んでくれているようだ。

 ふたりで街道に戻ると、シーチャは先ほどよりはやわらかい雰囲気で調査報告を始めた。


「結論から言うね? レメリは無事だと思う。このあたりに彼女が埋葬された痕跡はない」

「そっか……よかった」


 モンスターに殺された人は魔王の瘴気によってアンデッド化する恐れがあるので、信仰職か、一般職の『司祭』が弔うのが普通だ。

 『聖女』がレメリを弔ったのなら、最低でも街道沿いに石塚があるはず。

 周辺を見た感じ、そんなものはなかった。


「でも、戦闘不能にはなっているんだろうね。本人に意識があったら帽子が残っているのはおかしいから」

「重傷なの?」

「わからない。血が落ちてはいたけど、誰のものかわからないし少量だったよ。大怪我をしても生きてさえいれば回復魔法で治せるはず。それと、ここを見て」


 シーチャが地面を指差した。

 そこだけ砂塵が吹き飛んでいて、やけに穴の深い足跡が残っている。


「この踏み込みの跡は……」

「うん、震脚(しんきゃく)。ディシアが《二の打ちいらず》を使ったんだと思うよ」

「ディシアって?」


 エチカが、きょとんとする。


「勇者パーティの『聖女』さ。ディシアは《二の打ちいらず》っていう格闘系のユニークスキルを持ってるんだ。彼女の素手で急所を突かれた相手は即死するんだよね~」

「なにそれ! そんなのがあるなら無敵なのだわ」

「いや、違うんだエチカ」


 シーチャの説明を俺が引き継いだ。


「ディシアは戦闘職じゃなくて信仰職。完全な後衛だよ。確かに《二の打ちいらず》は強力なスキルだけど、『聖女』には肝心の格闘能力がないからモンスターにはまず当たらない。だから、これを使ったってことは……よっぽど追い詰められてたんだと思う」

「あ。それとディシアに会っても、この話題は禁句ね~。ユニークスキル関連はただでさえデリケートだけど、彼女の場合は特にそうだからさ」


 シーチャが大事な部分を補足してくれた。


「わ、わかったのだわ」


 エチカが了解した後も、シーチャの報告は続く。


 モンスターの足跡はない。

 代わりに羽ばたきで砂塵(さじん)が吹き飛ばされた跡がある。

 だから敵はワイバーンのような翼のある大型の飛行モンスター。

 モンスターの死骸が残っていないのは《二の打ちいらず》ではるか彼方(かなた)に吹き飛んで原型を留めていないから。

 レメリは眠っているか気絶している。

 『聖女』のディシアがおぶっていった。

 何故なら、アレスはそんな殊勝(しゅしょう)な真似はしないから。


「レメリがやられてる以上、さっきの宿場町に戻るべきだけど……レメリを除いたふたりの靴跡が引き返していない以上、アレスたちは先に進んだ。ボクの分析はこんなとこ」

「ありがとう、シーチャ。少し時間を食っちゃったけど、ディシアがレメリをおぶってるなら、ふたりの歩みはだいぶ遅くなってるはず。追いつけそうだね」


 ここで使った時間は十分ぐらいだ。

 ロスとしては最小限。

 レメリの無事を確信できてよかった。


「シーチャって、すごいのね。あたしも調べたけど、ぜんぜんわからなかったのだわ」


 素直に感心するエチカ。


「そりゃそうさ。こう見えても勇者パーティの盗賊職だったんだからね~。もっとも、スラッドなしじゃ無理だったろうけど」


 シーチャは《全自動支援(フルオートバフ)》のおかげだと言いたいみたい。

 でも、俺には帽子すら見つけられなかったんだから、シーチャが凄いことに変わりないと思う。


「みんなが進んだとわかった以上、早く追いつこう!」

「そうね、行くのだわ!」

「ほ~い」


 こうして俺たちは再び馬を走らせ始めた。

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