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建国記念の日の前日はお城で夜遅くまで。パーティーが行われる。
この日の為に、この国の貴族達は一層ドレスアップをする。
レオナルドがローズマリーをエスコートして会場に入ると、会場中がざわついた。
「レオナルド様とローズマリー様よ。」
「まぁ、お二人とも素敵だわ。」
「傷者をエスコートするなど、考えられん。」
「何を考えているのかしら。」
二人の耳にはもちろん、悪口も聞こえていたが、堂々としていた。
会場にはオーケストラの演奏が流れ、ローズマリーとレオナルドは自然と踊りだした。
「ローズマリー、悪口は気にしちゃだめだよ。」
レオナルドは繋いだ手をぎゅっと握った。
「気にしていませんわ。」
ローズマリーはニコリと微笑んだ。
つられてレオナルドも微笑んだ。
二人のダンスはとても優雅で、悪口を言っていた者たちも黙るぐらい魅了するようなダンスだった。
ダンスが終わると割れんばかりの拍手が響いた。
ローズマリーとレオナルドは2曲目もそのまま踊り続けた。
「ローズマリーとこうして踊れるなんて、嬉しいな。建国記念の日の前に破棄されると思ってたし。」
レオナルドはどこか悲しそうな笑顔だった。
「…レオナルド様。」
「今日と明日はいっぱい楽しもう!それにしても、ローズマリーはダンスが上手いね!」
レオナルドがリードしているように見えるが、実際はローズマリーがリードしていた。
「ダンスは苦手でしたから、たくさん練習した賜物ですわ。」
「ローズマリーにも苦手なものがあるんだ?」
レオナルドはローズマリーは全てにおいて完璧なイメージしかなかったので、ダンスが苦手と聞いて、驚いている。
「ありますわよ。ただ、苦手なものはより一層努力をするだけですわ。」
レオナルドは努力をしているローズマリーの姿が想像できた。
きっと、何度も何度も繰り返して、何度も何度も先生に聞いたんだろうなと。
完璧になるまで妥協しなかったんだろうな…と。
そんな姿を想像するだけで、レオナルドは胸がぎゅーっと締め付けられた。
あぁ…こんなにも好きなんだと、改めて思い知らされた。
「レオナルド様、ぼーっとしていらっしゃるのに、ダンスは完璧なんですね。」
「タンスだけは昔から得意なんだ。」
2曲目も終わり、レオナルドはローズマリーの手を取り、一旦休憩のため会場の端へとエスコートする。
ローズマリーとレオナルドがいると、二人には聞こえないようにヒソヒソと話している貴族が何人もいた。
「ローズマリー、俺が守るから。」
にこりと微笑むレオナルドの笑顔がとても眩しい。そして、こんなにも頼りになるなんて、最初にあった時からしたら驚くほどだ。胸がトクントクンと高鳴る。
守る
という言葉が、どれほど嬉しいか。
レオナルドの横顔をじっと見つめている自分がいることに、ローズマリーはようやく気づき出した。
自分でも気づかない間に、
レオナルドのことを
特別だと思っていることに。